【09 モニカちゃんとあーし】
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・【09 モニカちゃんとあーし】
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ウミガメ系のクイズ。
『米が爆発したのに、誰も無反応』
Q.意図した爆発ですか?
A.YES。
Q.被害をこうむりましたか?
A.NO。
Q.会社ぐるみですか?
A.YES。
Q.それをすることで儲かるんですか?
A.すごくYES。
Q.反応しないということは慣れているんですか?
A.YES。
Q.日常ですか?
A.YES。その会社にとっては当たり前の風景です。
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モニカちゃんのウミガメ系のクイズも爆発しているし、あーしの悪友も完全に爆発してしまった。あーしは教室の自分の席で呆然としている。
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ウミガメ系のクイズ。
『メロンは元々網目模様なのに、網に包まれている』
Q.何か意味があるんですか?
A.YES。
Q.その網は大きいですか?
A.NO。とりたてて大きいわけではありません。
Q.その網は役に立っていますか?
A.YES。
Q.見た目を整える要素ですか?
A.NO。
Q.メロンにしかしませんか?
A.NO。他の果物でもやる場合があります。
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あーしの悪友は包まれたというか捕まった。
そう、悪友が警察に捕まったニュースが流れたのだ。あの未成年女子Bというのは、あーしの悪友だったらしい。もしかしたら自分もこうなっていたかもと思うと、背筋が凍る。寸前で、舞江お姉ちゃんが助けてくれたから良かったけども、あーしも、もしかしたら強盗を行なっていたかもしれない。
そのニュースと、あれは悪友だと教えてくれた中学生の頃の同級生のメッセージを時折見ては憂鬱になって、ついには机に突っ伏してしまうと、モニカちゃんの声がした。
「どうしたの? 愛華ちゃん、元気が無いですね」
一応顔を上げたんだけども、
「いや別に」
と、あーしはモニカちゃんに余計な心配を掛けさせたくなくて、塩対応していると、モニカちゃんが真剣な瞳で、
「悲しいことがあったのなら共有してください」
と言ってきた。あーしは目を逸らそうとするんだけども、立っているモニカちゃんはフットワークが軽いので、すぐにあーしの正面に立ってしまう。観念したあーしは真っ直ぐ前を向くと、またモニカちゃんがあーしの目の前に立ってきて、
「愛華ちゃんがそんな表情だと、私も悲しくなります。せめて理由を言ってください」
「あーしさ、その、オンラインカジノをあーしに教えた悪友が、闇バイトで逮捕されたんだよ、強盗致傷という、重い犯罪らしい」
「なるほど、そういう悪友でも捕まってしまったら悲しいということですね」
「あーしはそんな情に厚い人間じゃないし。そうじゃなくて、もしかしたら自分もそうなっていたかもなぁ、と思ってさ」
「じゃあ大丈夫です。なんせ愛華ちゃんはそうなっていないので!」
そう自信満々に言い切って笑ったモニカちゃん。
あぁ、モニカちゃん、あーしの太陽だ、って、陳腐だけども思ってしまった。
モニカちゃんにはずっとホントの意味で笑っていてほしい、そうするためにはあーしはもっと品行方正じゃないといけない。あーしは人生を頑張ろう、そう思った。
『米が爆発したのに、誰も無反応』か、あーしが爆発したらきっとモニカちゃんは泣いてしまうと思う。だからあーしは真面目に生きなければならない。ただこの場合、米は爆発して良い。何故ならポン菓子を作っているだけだから。ポン菓子は米(間多布米)を爆発させて作るんだ。
『メロンは元々網目模様なのに、網に包まれている』も至極当然のこと。あーしはモニカちゃんのことを優しく包みたいと思っている。このメロンの網もそんなところだ。育てる時、実が地に付かないように空中にぶら下げておくために網に包んでおくのだ。間多布町はメロンが有名だから。別の都道府県だと、理由は違うかもだけどマンゴーとかもそうやって作っているみたいだ。
あーしは自分の意志をしっかり持って、流されないように地に足をつけて。
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頭が良い人ほど混乱する問題。
この漢字は何と読む?
【鯉の甘煮】
ヒント1「イントネーションは甘煮の頭を下げる感じで」
ヒント2「アハ無い」
ヒント3「鵜だ」
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モニカちゃんが間多布町の名物である鯉の甘煮の謎解きを作ってくれた。今日もまた舞江お姉ちゃんの家に集まって写真撮影会。鯉にちなんで舞江お姉ちゃんは真っ赤な水着を着て、あーしはキャミソールを着ている。すると舞江お姉ちゃんがふと、
「つーか、オマエら、恋とかしてる?」
あーしは全然男子には興味が無いので、
「興味無いしー、そういうのー」
と雑に答えると、モニカちゃんはあーしのほうをチラリと見てから、もじもじしつつ、
「気になっている人はいます……」
と答えて、愕然としてしまう。まさかモニカちゃんの心をたぶらかす、悪いオスがいるなんて……。
何だかモニカちゃんには裏切られたような気持ちになってしまったところで、あーしはもしかしたらモニカちゃんのことが恋人としても好きなのでは、と気付いてしまった。まさか、そんな、同性愛というヤツか。でもそんな、いやでもそれも普通か。好きになった人がたまたま異性か同性かの違いだけだもんな、そういうのって。じゃあ、あーしって、本気でモニカちゃんのことが好きで、そんなモニカちゃんには好きな人がいて、やきもちしているということなのかもしれない。
あーしは見えないところはもう全部汗かいているくらいの勢いで、
「へっ……へー、どういう子なん?」
と上ずった声でそう聞いてみると、モニカちゃんは満面の笑みで、あーしへ、
「秘密です!」
と言ってきて、何だか不信感すら抱くようになった。何でそんな余裕そうなんだって。同時に、こんなに想っているのはあーしだけか、と少し、いやだいぶ悲しくなった。
舞江お姉ちゃんは何だかニヤニヤしていて、気持ち悪いし。まあ舞江お姉ちゃんは元から気持ち悪いか。喫茶店を乗っ取ろうとしているわけだから。
いやでも、というか、ホントあーしは混乱してくる、何であーしに対して満面の笑みだったのか、もしかすると恋愛を知らないあーしをバカにしているのだろうか、いやでもあーしはホントはモニカちゃんに恋していて、でもそんなことは絶対言えなくて。
『頭が良い人ほど混乱する問題。この漢字は何と読む? 【鯉の甘煮】』は分かる人にはホントに簡単な問題だ。あーしは分からない側だったので、逆にすんなりヒントで答えることが出来たけども。頭が良い人は元々読めるので、ヒントがいらなくて邪魔ということらしい。答えは『こいのうまに』だ。あまに、と間違って読む人はヒントを使って簡単に答えられるという仕組みだ。モニカちゃんはいろんな問題を考え出して、すごいと思う。
そんなこんなで今日は終わり、またあくる日、いつも通りあーしとモニカちゃんで文学者アイドルの曲の作詞をしているわけだけども、モニカちゃんは一体どんな男子が好きなのだろうか。というか、ほとんどあーしとしか喋っていないけども、えっと、そんな、一目惚れで関係性ナシの告白とか、絶対上手くいかないけども大丈夫かな? そういうこと分かっているかな?
何だかちょっと意地悪を言いたくなって、
「こんなことしていていいの? 意中の人にアプローチを掛けなくていいの?」
と聞いてみると、モニカちゃんはキッパリと、
「それは大丈夫ですっ」
と笑顔で答えた。いやいや、
「だってさ、一目惚れで関係性ナシの告白とか気持ち悪がられるから、相手の記憶に残るようなことしないとダメだよ?」
「大丈夫です。そういうのはきっと大丈夫です」
「大丈夫じゃないし、いくらモニカちゃんは可愛いからって令和の男子を舐めちゃダメだし」
「そういうことじゃないから大丈夫です」
何を聞いても大丈夫の一点張り。こりゃ全然ダメだなとは思っている。だってこんな会話でさえ一辺倒で、恋愛の会話なんてもっと難しいもんだから。モニカちゃんは男子になんていかないで、あーしの傍にずっといればいいのにとか思っていると、モニカちゃんが少し優しい声でこう言った。
「というか実際は、これが恋なのかも分からないんです。なんせ親密な人が出来たのはこれが初めてだから」
それって、あーしのこと……?
あーしはあくまでギャグとして、冗談っぽく、
「それってあーしぃっ?」
と聞いたつもりだったけども、声が随分上ずってしまい、ハズッと内心思っているとモニカちゃんが微笑みながら、
「かもです」
と言ったので、あーしは即座に、
「でしょ!」
と言って大笑いしているフリをしたんだけども内心、心臓がバクバクいってすごかった。も、もしかすると、両想い? ホントに? あーしの人生がこんな幸せでいいの? ホントにホントにいいのっ?




