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ネットニュースとコンテストをハックして金儲け  作者: 伊藤テル


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【04 ネットニュース】

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・【04 ネットニュース】

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 さて、写真メインのSNSも短文系のSNSも両方作って、さらに用心に動画系SNSもチャンネルを作っておき、全てあーしと舞江お姉ちゃんの共有アカウントだけども、管理は基本舞江お姉ちゃんがしてくれることになった。

 水着は一括舞江お姉ちゃんの家に置きっぱなしにして、流行りのポーズが出回り次第、また動画を撮るらしい。

 一応、それぞれのSNSにしか掲載していない写真というのも作っておき、両方フォローしてもらう算段でいるみたいだ。

 あーしのやることと言うと、コンテストをメインに頑張ることになった。

 とにかくネットニュースに掲載してもらうためには、地元新聞社や地元メディアなどに働きかけないといけない。

 でも何の実績も無い女子高生が関係者に会おうとしても無理なので、まずはコンテストで実績を作らないといけない。同時に水着のSNSでフォロワー増加も狙うけども、常に策は何個かあったほうがいい、というのが舞江お姉ちゃんの考え方だ。それは合っていると思う。やり方がややアレだけども。

 舞江お姉ちゃんいわく『露出する文学JKなんてこの世にいないから、ハマれば強い』と言っている。そりゃまあそうかもだけども。ただ文学だけじゃなくて、イラスト・コンテストもやるように指示が出た。

 イラストコンテストの極意は『絵に自信があれば、線は細く。絵に自信が無ければ、線は極太で』だ。あーしは当然絵に自信なんてないので、極太ルートになるわけだけども、何で極太がいいかというと、そういう絵柄の人と見られて、下手さをごまかせるから、らしい。

 極太の時点で繊細さという項目を審査員から除外させて、そういう絵柄の人だと錯覚させることが出来て、あとはユーモアセンスで押し切れという話だった。

 イラストコンテストに投稿する人は、真に絵が好きな人ばかりなので、巧さで突破しようとしてくる。だから我々のようなコンテストをハックする人間は、別角度の作品で、別の審査基準を勝手に持ち込んだほうが勝ちやすい。それがユーモアセンスだと。とにかく面白そうなことを絵だけで表現すればいいという話だった。

 特に企業系の、一回限りのイラストコンテストは狙い目で、企業系は最終的にバズることが目標なので、いろんな種類の作品に賞を与えるから、ユーモアセンスの一点突破でも勝ち目があるという話だった。

 とにかくあーしはいろんなコンテストに挑戦して、上手くいったモノを重点的にすればいいという話で。

 あとは単純にいろいろ受賞実績があったほうが地元新聞社や地元メディアの琴線に引っ掛かる、と。

 何でもいいから一個受賞すれば、頑張っている女子高生でイケる、と言うのが舞江お姉ちゃん談。

 その流れで、舞江お姉ちゃんはとんでもない偏見をまた披露していた。

『とにかく田舎の新聞社・メディアは都会から移住してきて農家をやっている人と、未成年が一生懸命何かをしていることが好きだから』

 でも確かにそのイメージはあるかも。少なくてもこの似潟県のメディアで、そういうのを目にしたことあるかも。

 さらに、

『アタシも一応、Uターンして地元で仕事をしているヤツを演じる』

 と舞江お姉ちゃんは豪語していた。これはシンプル最悪。嘘だから。舞江お姉ちゃんはこの間多布町から一度も引っ越したことないのに。こういうところ、ちゃんとサイコパスだなって思った。

 あーしはホントに死に物狂いでコンテストに投稿しまくると、ついに一個、企業系の川柳で受賞出来たのだ。しかも全然自信の無い、何かつまんないと思っていたヤツだった。

 早速舞江お姉ちゃんに報告すると、LINEで『地元新聞社や地元メディアに掛け合ってみる』と言ってくれて、あーしは舞江お姉ちゃんの返答を待っていた。

 すると、一番の狙いどころだった、地元スポーツ新聞社が金曜日の放課後に会ってくれるという話になり、あーしは舞江お姉ちゃんの指示通りの姿で待ち合わせ場所である、県庁所在地のカフェへ電車に乗って行った。移動中、舞江お姉ちゃんが作った台本を読み込む。

 カフェの前に着くと、舞江お姉ちゃんがいて、こちらに手を振ってくれた。舞江お姉ちゃんは胸元ザックリな服で、ちゃんとエロかった。

 対するあーしは制服姿。シャツは首元までボタンを付けて、リボンはしっかり。でもスカートは極限まで短くし、パンツの色は白を指定された。出来るだけ幼いパンツにしろと言われてきた。おじさんは結局白が好きだからという話。正直見られること前提なので、気分は良くないけども、ここが勝負所なのでやるしかない。

 舞江お姉ちゃんから、

「台本読み込んだか?」

「大丈夫。それは出来るし」

 と答えて、舞江お姉ちゃんと一緒にカフェの中へ入っていった。

 舞江お姉ちゃんを見るなり、おいでおいでをした男性は、無精髭で清潔感ゼロの中年太りした男性で、ハンカチで汗を拭いている。

 あーしは台本通りに、その人の前で一礼した時に、その動きだけで一瞬スカートがふわっとなったけども、そこは気にしないことにした。

 明らかにあーしの脚を見ていたその男性は、あーしが席に座る前に、

「肌黒くて身長高いね、バレー部?」

 と、いやらしい目つきでそう言ってきて、肌黒くて身長が高いなら、外の部活動で高身長が有利なハードル走の選手かどうか聞けよ。バレー部に肌黒なイメージ無いし。

 でも嫌悪感丸出しで喋っちゃいけないので、

「部活は何も。でも肌を焼くのは好きです」

 と出来るだけ平常心で答えると、その男性はホントに、自分の部屋でAV見ている人のように小声で「黒ギャルえっろぉ」と言って、最悪オブ最悪だった。

 すると舞江お姉ちゃんが、

「いやいや、そういうファッションが好きなだけで、愛華は本当に真面目で良い子なんですよっ」

 とフォローしてくれて、さすがやる時はやると思っていると、舞江お姉ちゃんは続けて、

「東京からのUターンで帰って来たアタシに、最近の似潟県事情を教えてくれたり、この子が家の手伝いをしている民宿の前の喫茶店でとりあえずアルバイトしたほうがいいよとか教えてくれたり、本当にちゃんとしている子なんですっ」

 とキャピキャピした笑顔で言い放ち、東京からのUターンってしっかり嘘ついて、それはそれで最悪だった。事情を教えたり、喫茶店を勧めたりしていないし。

 男性はほほうとアゴに手を当てながら、

「そうなんですかぁー」

 と言った息がテーブルの対面という距離でもクサかった。ニンニクとタバコと、あと何かちょっとイカクサかった。イカのにんにく炒めでも食べてきたの?

 舞江お姉ちゃんのトークは止まらず、とにかくあーしは良い子で、文学者を目指していて、肩慣らしにコンテストにいっぱい参加して、実際結果も一個出て、これからも頑張り続ける子なので是非、ニュースで頑張ってる子として配信してほしいと言っていた。

 なんというか男性にあまり喋るチャンスを与えないで、思考力を奪って喋っていくような感じ。手慣れている印象を受ける。ねずみ講の詐欺師みたい。

 舞江お姉ちゃんはあーしに話を振る前には、テーブルの下であーしの腰を突いて、合図を送ってくれる。

 なのであーしは喋る準備を整えられるし、シームレスに舞江お姉ちゃんからあーしは台詞を繋げることが出来て、

「そうなんです! あーしは民宿と喫茶店の仕事を掛け持ちしてぇ、将来的には町おこしをしつつ、地元を代表する文学者になりたいんです!」

 とか台本通りに上手く入ることが出来る。本当は喫茶店の仕事なんてあれから一回もしていないのに。というわけで結局あーしも最悪。

 全然町おこししたいと思っていないし、ただただ闇金から借りたお金を返したいだけだし、地元を代表する文学者なんてもはや恐れ多い。

 そう考えると、なんやかんやであーしが一番最悪かも、いや、女子高生をエロい目で見る中年男性も最悪ではある。

 まあこの空間が、このテーブルが最悪の煮凝りって感じで、多分異様なオーラは放っていると思う。カフェの皆様ゴメンなさい。ホントはもっと爽やかなお店にしたかっただろうに。

 あーしが喋り終えると、舞江お姉ちゃんがまた喋り出し、

「というわけで是非、今後も愛華のことを追っていって、定点観測みたいにニュースを流してくれないですかねっ。勿論記事はアタシが書きますんで、そちらの手間は取らせません!」

 そう言いながら、あーしと舞江お姉ちゃんで運営しているSNSアカウントを見せると、男性は目の色が変わり、舞江お姉ちゃんのトークに割って入るように、

「いやぁ! やっぱえっちだねぇっ!」

 とデカい声を出した。カフェが静まり返る感じがした。やっぱし最悪オブ最悪はこの男性でした。

 男性はそのSNSの画像と、あーしと舞江お姉ちゃんを交互に見るという、最低ダサムーヴをかましながら、

「いいね! こういうえっちな子が文学者目指しているなんて珍しいし、実際結果が出ているなら、バズるかもねぇっ」

 舞江お姉ちゃんはうんと強く頷いてから、

「はい! まあこの子はこういうファッションが好きなだけなんですけども、アタシはちゃんとえっちですよぉ~」

 と甘えるように男性へ傾国の微笑みをかますと、男性は「黒ギャルもでしょぉ~」とあーしのほうを見ながら言ってきて、さすがにキモかった。

 舞江お姉ちゃんは首を優しく横に振って、

「まあまあ、親密度によりけりでしょぉ? オトナなら分かりますよねぇ?」

 と湿度たっぷりに言うと、男性はうふふと笑った。キモ過ぎる。

 男性はヨダレの音を口で鳴らしながら、

「まあバズりそうで悪くないですねぇ」

 と品定めするようにあーしのほうを見てきて、いや舞江お姉ちゃんのほうへいけよと思った。オトナ同士しっぽりやってくれし。

 まあ好感触っぽいのは作戦通りだし、バズれば何でもいいみたいなところも垣間見えるため、入り込む隙はありそうだ。

 そのあとも軽度のセクハラっぽい発言のラリーを舞江お姉ちゃんと男性はし、そろそろ宴もたけなわとなったところで、男性が、

「まあこれから継続的に見ていきますかぁ」

 と、そっちは何も持ってきていないくせに偉そうにそう言って、結局連絡先の交換だけして終わってしまった。

 ホントに、ただそちらの会社がネットニュース配信の権利を持っているだけなのに、たいしたアドバイスとかもなく、セクハラ三昧で。全然ソイツ自体の実力は分からなかった。いやむしろ無能って分かったかもだし。

 その後、すぐに舞江お姉ちゃんが運転する自動車に乗って反省会。というか行きもこれで良かったじゃんと思ったけども、舞江お姉ちゃんは事前にあの男性に何か接待していたらしい。何をしていたかは教えてくれなかった。あんま良くないような気がする。まあいいか。あーしじゃないし。

 舞江お姉ちゃんとしては、愛華の顔見せ程度で全然良かったので、収穫はあったと話してくれた。まあそれなら良かったのかなぁ。

 でももっと、特にコンテストのほうを頑張ったほうがいいと舞江お姉ちゃんから言われて、もっともっと、高校でも授業中の暇な時間はアイデアを練っていた。

 舞江お姉ちゃんからのアドバイスもあった。上限ナシの短歌コンテストは、企業系は大量に、有名歌人が審査するコンテストは少なめに絞ったほうがいいと言われた。

 前者は理解出来るけども、後者はどうしてという話になったら、そっちのほうが心証が良いらしい。最終的には人を見られるから、と言われた。

 自治体系の詩は女子高生らしい、爽やかなモノを書きなさいと言われた。詩は年齢を見られるため、背伸びした作品よりも年相応の作品が良いという話だった。でも逆に小説系は精一杯背伸びした作品を投稿したほうがいいと言われた。若いのにこんなに難しいことを考えていると思われたほうが得らしい。

 そんな舞江お姉ちゃんの講義もあり、あーしはどんどん受賞もするようになっていき、賞品はネットを介さず、両親や親戚、あとは話しが分かる高校の教師に売って、ネットを介さずお金に変え、賞金はそのまま借金に充てていった。最初、高校の教師に売るのは……とためらっていたんだけども、舞江お姉ちゃんいわく『生徒が受賞して、もらってきた賞品をお金に替えたいと言った場合は、そんなに印象も悪くないし、そのコンテストをしっかり見せて証拠を突きつければチャンスはある』と言われて、ダメもとでやってみたら、若い女性教師の石田先生がOKしてくれた。

 あーしの受賞歴が増える度に地元スポーツ社のあの男性の返信速度は速くなっていき(共有のSNSアカウントのDMでやっている)、ついにあーしの仕事ぶりを見に民宿へ来るという話になった。 

 そのことを母親に伝えると、

「その日はダメだね」

 と一丁前に言いやがって、あーしはちょっと半ギレになりながら、

「何で! あーしは仕事ぶりを見せたいんだし! それぐらい利用してもいいじゃんね!」

 すると母親は悲しそうな面持ちで、

「その日の前後、お客さんいないから仕事が無いんだよ……」

 と言い、あーしは一気に申し訳無い気持ちになった。

 まさかそんな台詞を言わせてしまうとは。あーしが友達と遊べずストレスでオンラインカジノにハマったことを差し引いても、これは悲しい話だった。

 ということであーしは喫茶店の仕事ぶりを見てもらうことになったんだけども、あーし、喫茶店でなんて全然働いていないから、よく分かんねぇー!

 でもまあその当日の前日に喫茶店へ行き、スケベな白髭ジジイマスターと舞江お姉ちゃんとあーしと常連のお客さんで口裏合わせをすることにした。

 舞江お姉ちゃんは既にマスターは勿論、常連のお客さんにも信頼を勝ち得ていて、マスターは、

「分かった。愛華ちゃんも民宿との時間が合えば、よく喫茶店で仕事してくれているということにするよー」

 とサムアップして答えてくれた。常連のお客さんも了承してくれた。喫茶店の仕事内容はまた一から聞いたわけだけども、めっちゃ仕事内容がぬるいことを思い出し、これなら完璧だと思った。

 当日、男性がやって来て、あーしの仕事ぶりを席に座って、コーヒーを飲みながら見ている。

 何か、視線がずっとあーしのスカートへいっているような気がするけども気のせいと思うしかない。

 あーしは高校の制服にエプロンをつけて仕事をしている。舞江お姉ちゃんは可愛い喫茶店の制服のコスプレをして接客している。コスプレおばさんじゃん。まだおばさんという歳ではないけども。二十六歳だけども。

 そつなく、仕事をこなしていると、マスターが急にこんなことを言った。

「いやぁー、愛華ちゃん、全然喫茶店に来ていないのに、完璧な仕事ぶりじゃぁーん」

 あーしは目を丸くしてしまった。

 いやいや、仕事が出来なくてそういうことを口走ってしまうならまだしも、仕事が出来る時にそんな余計なことを言うなんて。

 バッとマスターのほうを向くと、マスターは明らかに失敗したみたいな顔をし、気まずそうにしていて、まだマスターが調子良く笑ってくれていたら、そんな御冗談をっ、みたいな感じで済ませたかもだけども、完全にマスターが失態顔をしていて、とんでもない空気になりそうなところで、舞江お姉ちゃんが、

「もう! マスター! そういう老害ギャグやめてください! そのあとの失態顔の演技にも磨きがかかっちゃって! どんだけ言い慣れてるんですか! 老害過ぎ!」

 と大笑いしながらフォローしてくれて、マスターも、

「あぁそうそう! そうだねぇ!」

 と言って、なんとか雰囲気が持ち直せた。

 というか舞江お姉ちゃんの“全部言うことにより、そういうことにしてしまう腕”がすごい。この頭の回転速度はサイコパスならではだと思う。

 見に来ている地元スポーツ新聞社の男性も”そういうことかぁ”といった感じで、どうにかなったみたいだ。

 常連のお客さんは何も失言はせず、マスターだけホントにポンコツだったし。

 そんなわけで、地元スポーツ新聞社の男性から、ついに地元スポーツ新聞社経由のネットニュース配信の許可を得たのであった。

 内容は舞江お姉ちゃんが前に言っていた通り、舞江お姉ちゃんが記事を書いてメールするスタイルになった。

 勿論、記事の閲覧数が芳しくない場合は関係性の打ち切りもあるかもだけども、元々そんなバズることのない記事ばかり書いているらしく、ある程度は長い目で見てくれるという話になった。

 記事は、最初はランキングモノで様子を見ることにしつつも、同時に性欲を刺激するような写真も同時に掲載する感じでいくことになった。

ランキングモノとは、真偽不明の“令和の高校生に聞いた〇〇”みたいなヤツ。真偽不明でもドーパミンが出る内容ならいいという話で、舞江お姉ちゃんは適当に一人でランキングを作成していき、ホントにサイコパスだなぁ、と思った。そこに、あーしの軽く着崩した制服の写真を掲載して“写真はイメージです”みたいな感じで。

 なんというか、何らかの犯罪かもだけども、まずは閲覧数を稼がないといけないというわけで、そんな感じでいくことになった。


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