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こねこの異世界冒険記  作者: ポンデリング
第1章「こねこ、異世界で居場所を見つける」

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9/25

第9話「なくしものを探して」

【異世界生活2日目】


朝の冒険者ギルド。

ルゥは掲示板の前で、たくさんの依頼書を見比べていた。

「今日は、どれにするにゃ?」

薬草採取。

荷物運び。

街のお手伝い。

以前受けたことのある依頼も並んでいる。

そんな中――

ルゥは、一枚の依頼書に目を留めた。

『なくしものを探してほしい』


「探し物の依頼にゃ?」

そこへ、ミーナがやってきた。

「その依頼、街の猫さんからのお願いですよ」

依頼内容は――

大切な銀色のペンダントを探してほしいというものだった。


「大切なものなら、早く見つけてあげたいにゃ!」

「お願いしますね、ルゥくん」

「任せるにゃ!」

ルゥは依頼書を手に、中央広場へ向かった。

中央広場に着くと、ルゥは依頼主の猫に話を聞いた。

「最後にペンダントを見たのは、この辺りなんです」

「分かったにゃ! 探してみるにゃ!」

ルゥは周りを見回した。

まずは、ベンチの下。

「……ないにゃ」

次は、植木のそば。

「こっちにもないにゃ……」

今度は、石畳の隙間まで覗き込む。

けれど、ペンダントは見つからない。

少し歩いて、もう一度探す。

それでも、見つからない。

それでも、ルゥは諦めなかった。

「絶対に見つけるにゃ!」

そのときだった。

ふわっ――。

風が吹いた。

近くの草むらが、さらさらと揺れる。

「……あれ?」

ルゥが足を止めた。

何かが、気になった。


ゆっくりと草むらへ近づいていく。

すると――

草の間に、何かが引っかかっていた。

「キラッ……」

朝の光を受けて、小さな光が輝く。

「もしかして……!」

ルゥはそっと手を伸ばした。

拾い上げてみると――

銀色のペンダントだった。

「見つけたにゃ!」

「これにゃ!」

ルゥがペンダントを渡すと、依頼主の猫は目を輝かせた。

「これです! 本当にありがとう!」

大切そうにペンダントを抱きしめる姿を見て、ルゥも嬉しくなった。

「見つかってよかったにゃ!」

大きな戦いではなかった。

強い魔物と戦ったわけでもない。

それでも――

誰かの大切なものを見つけることも、冒険者の大切な仕事。


ルゥは、またひとつ。

冒険者としての経験を積んだ。

ギルドへ戻ると、ミーナが笑顔で迎えてくれた。

「お疲れさまでした、ルゥくん」

「ちゃんと見つけたにゃ!」

「はい。依頼達成です」

ミーナから渡された報酬は――

40G。


「40Gにゃ!」

ルゥは嬉しそうに報酬を受け取った。

現在の所持金は90G。

今回の報酬を合わせて――

130G。


「お金も増えたにゃ!」

けれど、今回ルゥが嬉しかったのは、それだけではなかった。

誰かの大切なものを見つけてあげられた。

誰かの役に立つことができた。

そのことが、ルゥには嬉しかった。

「もっといろんな依頼をやってみたいにゃ!」

ルゥは再び掲示板へ向かった。

掲示板には、今日もたくさんの依頼書が並んでいる。

ルゥが眺めていると――

掲示板の隅に、一枚の依頼書が目に入った。

「……あれ?」

今までの依頼とは、少し雰囲気が違う。

ルゥは、その依頼書をじっと見つめた。

「これ……なんにゃ?」

ルゥは、まだ知らなかった。


この一枚の依頼書が――

新しい冒険へつながっていくことを。


――第9話・おわり。

次回予告

大切なものを探す依頼を終えたルゥ。

そして次に受けた依頼は――初めての魔物に関わるものでした。

次回、第10話「はじめての魔物」

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