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こねこの異世界冒険記  作者: ポンデリング
第1章「こねこ、異世界で居場所を見つける」

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8/25

第8話「はじめての朝」

月のひげ亭で迎えた朝。

窓から差し込む朝の光で、ルゥは目を覚ました。

「……朝にゃ」

ふかふかのベッドから、ゆっくりと起き上がる。

昨日までなら、目が覚めた瞬間に、

「ここはどこにゃ?」

と、不安になっていたかもしれない。

でも、今日は違った。

「ここ、月のひげ亭にゃ……」

ルゥは小さく笑った。

異世界に来て初めて――

安心して迎えた朝だった。


部屋を出ると、階下からいい匂いがしてくる。

「この匂い……朝ごはんにゃ!」

ルゥは階段を駆け下りた。

そこでは、バルドが朝食の準備をしていた。

「おう! 起きたか!」

「おはようにゃ!」

「よく眠れたか?」

「ぐっすりにゃ!」

バルドは嬉しそうに笑った。

「それなら、しっかり食え。今日も冒険だろ?」

「もちろんにゃ!」

テーブルに並べられた温かな朝食を前に、ルゥの目が輝く。

「いただきますにゃ!」

ぱくっ。

「おいしいにゃ!」

朝の静かな宿に、ルゥの嬉しそうな声が響いた。

朝食を食べ終えると、ルゥはバルドに声をかけた。

「ごちそうさまにゃ!」

「おう。よく食ったな」

すると、バルドが宿代のことを伝えた。

「それじゃあ、昨日からの宿代と飯代で30Gだ」

「30Gにゃ!」

ルゥは財布から30Gを取り出し、バルドに渡した。

「はいにゃ!」

「確かに。ありがとうな」

支払いを終えると、ルゥは残ったお金を確認した。

90G。

昨日までは、50G、70Gと報酬をもらえることが嬉しかった。

けれど今は、少し考え方が変わっていた。

「宿に泊まったり、ご飯を食べたりすると……お金が必要にゃ」

ルゥは手元のお金を見つめる。

冒険するには、食べることも大切。

休むことも大切。

そして、それにはお金がいる。

「もっと依頼を頑張らないとにゃ!」

すると、バルドが笑った。

「そういうことだ。無理はするなよ」

「分かったにゃ!」

ルゥは元気よく返事をした。

宿の入口まで来ると、ルゥは振り返った。

「行ってくるにゃ!」

「おう。気をつけて行ってこい!」

その言葉が、なんだか嬉しかった。

まるで――

帰ってくる場所が、ちゃんとあるみたいだった。


ルゥは笑顔で宿をあとにした。

エルニアの朝の街を歩きながら、ルゥは考える。

昨日までは、知らない世界を歩いているだけだった。

でも、今は違う。

眠る場所がある。

帰る場所がある。

そして――

自分でお金を稼いで、冒険を続けていく。

「これからも、ここで頑張るにゃ!」

やがて、冒険者ギルドが見えてきた。

ルゥは扉の前で立ち止まり、胸を張る。

「今日も依頼を探すにゃ!」

カラン、カラン――。

扉を開けると、掲示板には今日もたくさんの依頼書が並んでいた。

薬草採取。

荷物運び。

街のお手伝い。

これまでに受けたことのある依頼も並んでいる。

けれど――

その中に、一枚。

ルゥがまだ受けたことのない依頼書があった。

「……これ、なんにゃ?」

ルゥの目が、その依頼書に釘付けになる。

昨日までとは少し違う、新しい依頼。

新しい挑戦。

そして――

新しい冒険の予感。


「これ……やってみたいにゃ!」

ルゥの小さな冒険は、また一歩前へ進み始めた。


――第8話・おわり。

次回予告

月のひげ亭で朝を迎えたルゥ。

次の依頼は、誰かの大切なものを探すことにゃ。

次回、第9話「なくしものを探して」

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