↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こねこの異世界冒険記  作者: ポンデリング
第1章「こねこ、異世界で居場所を見つける」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
6/25

第6話「はじめての荷物運び」

初めてのクエストを終え、50Gの報酬を手に入れたルゥ。

次に向かったのは――冒険者ギルドの依頼掲示板だった。

「次は、どれにするにゃ?」

掲示板には、薬草採取、荷物運び、街のお手伝い。

Fランクのルゥでも受けられる依頼が、いくつも並んでいる。

一枚ずつ眺めていると――

「これにするにゃ!」

ルゥが選んだのは、荷物運びの依頼だった。


依頼内容は、ギルドから街のお店まで荷物を届けること。

「これなら、ルゥにもできそうにゃ!」

依頼書を受付へ持っていく。

「この依頼、お願いしますにゃ!」

「はい。では、この荷物をお店まで届けてくださいね」

受付のミーナから渡されたのは、小さな木箱だった。

「大切な荷物ですから、気をつけて運んでくださいね」

「分かったにゃ!」

ルゥは木箱を両手でしっかり抱えた。

そして――元気よくギルドを出発した。

「てくてく、てくてく……」

街の通りを歩いていく。

この街へ来たばかりの頃は、見るものすべてが知らないものだった。

建物も。

道も。

行き交う冒険者たちも。

だけど――

「この道、前にも通ったにゃ!」

昨日より少しだけ、街が身近に感じられる。

「お店は……こっちにゃ!」

依頼書を確認しながら、目的のお店へ向かっていく。

そのとき――

「……あっ!」

道にあった小さな段差に、ルゥの足が引っかかった。

「にゃっ!?」

身体がぐらりと傾く。

抱えていた木箱も、大きく揺れた。

「落としちゃダメにゃ!」

ルゥはとっさに、木箱をぎゅっと抱きしめた。

なんとか転ばずに踏みとどまる。

「……ふぅ。危なかったにゃ」

木箱を確認する。

傷はない。

「よかったにゃ!」

ルゥは、ほっと胸をなで下ろした。

ただ荷物を運ぶだけ。

そう思っていたけれど――

預かったものを無事に届ける。


それも冒険者の大切な仕事なのかもしれない。

ルゥは木箱を抱え直した。

「今度は、もっと気をつけるにゃ!」

そして、再び歩き始めた。

しばらく進むと――

「あったにゃ!」

依頼書に書かれていたお店が、目の前に見えてきた。

ルゥは急いで店先へ向かった。

「こんにちはにゃ! 荷物を届けにきたにゃ!」

「まあ、ありがとう!」

お店の猫が、木箱を受け取る。

「確かに受け取りました。助かったよ」

「依頼、完了にゃ!」

ルゥは嬉しそうに胸を張った。

無事に届けられた。

それだけのことなのに――

ルゥの胸は、なんだか少し誇らしかった。

ギルドへ戻り、受付で依頼完了の報告をする。

「お疲れさまでした。今回の報酬です」

渡された袋を開けると――

70G。


「70Gにゃ!」

第5話でもらった50Gと合わせると、ルゥの所持金は――

120G。


「お金が増えたにゃ!」

50Gから120Gへ。

まだまだ大きな金額ではない。

でも――

このお金は、誰かからもらったものではない。

自分で依頼を受けて、自分の力で働いて手に入れたお金だった。

ルゥは小さな袋を、大事そうに抱えた。

「……ルゥ、ちゃんと冒険者になってきたにゃ」

ほんの少しだけ、そんな気がした。

元の世界へ帰る方法は、まだ見つかっていない。

この世界のことも、まだ何も分からない。

それでも――

薬草を集めた。

荷物を届けた。

そして、自分でお金を稼いだ。

小さなことだけど、ルゥにできることは少しずつ増えている。


「もっといろんなこと、できるようになりたいにゃ!」

ルゥは冒険者証をぎゅっと握った。

Fランク冒険者。

まだ始まったばかり。

だからこそ――

これから、もっとたくさんのことを知りたい。

もっと遠くへ行ってみたい。

そしていつか――

元の世界へ帰る方法も見つけたい。

「もっと冒険するにゃ!」

ルゥは再び、依頼掲示板の前へ向かった。

たくさんの依頼書が並んでいる。

薬草採取。

荷物運び。

街のお手伝い。

そして、その中に――

「……あれ?」

ルゥが足を止めた。

今まで見た依頼とは、少し違う依頼書が一枚。

「これ、なんにゃ?」

ルゥはその依頼書を、じっと見つめた。

小さな冒険者が見つけた、新しい依頼。

それは――

次の冒険への入口だった。


ルゥの異世界冒険は、まだ始まったばかり。

今日もまた、小さな一歩を踏み出していく。


――第6話・おわり。

次回予告

荷物運びのクエストを終えたルゥ。

でも、冒険者として暮らすには――寝る場所も必要です。

次回、第7話「はじめての宿」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。