第5話「はじめての報酬」
薬草を5本集めたルゥは、採取袋を大事に抱えて森を出た。
初めてのクエスト。
森へ入るときは少しドキドキしていたけれど、今は胸がいっぱいだった。
「初めてのクエスト、成功したにゃ!」
小さな足で街への道を駆けながら、ルゥは何度も採取袋を確認する。
中に入っているのは、5本の薬草。
自分で探して、自分で集めた大切な成果だ。
目指す場所は――冒険者ギルド。
ギルドへ帰還
街へ戻ったルゥは、まっすぐ受付へ向かった。
受付のミーナが、笑顔で声をかける。
「おかえりなさい。クエストはどうでしたか?」
「これにゃ!」
ルゥは、採取袋をそっと差し出した。
ミーナが袋を開き、中身を確認する。
「薬草5本、確かに受け取りました」
そして――
「クエスト達成です!」
「やったにゃ!」
ルゥの顔が、ぱっと明るくなる。
冒険者になって、初めて受けた依頼。
その最初の仕事を、無事に終えることができた。
ほんの小さなクエストだった。
けれどルゥにとっては、特別な一歩だった。
はじめての報酬
するとミーナが、小さな袋を差し出した。
「こちらが今回の報酬です」
「報酬……?」
ルゥは首をかしげながら、袋を受け取った。
そして、そっと中をのぞいてみる。
そこに入っていたのは――
50G。
「お金にゃ!」
ルゥの目が、キラキラと輝いた。
初めて自分で受けたクエストを達成して、初めて自分の力で手に入れたお金。
たった50G。
でも――
ルゥにとっては、とても大切な50Gだった。
ルゥは嬉しそうに、その袋をぎゅっと抱えた。
もっと冒険したい
「もっと頑張ったら、いろんな場所へ行けるにゃ?」
ルゥが尋ねると、ミーナは優しく答えた。
「ええ。依頼をこなして、少しずつ経験を積んでいけばいいんですよ」
「分かったにゃ!」
ルゥは元気よくうなずいた。
元の世界へ帰る方法は、まだ分からない。
どうすれば帰れるのか。
どこへ行けば、その方法が見つかるのか。
今のルゥには、まだ何も分からない。
それでも――
いろんな場所へ行けば、帰る方法も見つかるかもしれない。
そう思うと、不思議と不安よりも楽しみな気持ちが大きくなっていった。
ルゥは冒険者証をぎゅっと握りしめる。
「もっと冒険するにゃ!」
次なる一歩
初めてのクエスト。
初めての成功。
そして――初めての報酬。
50Gという小さなお金は、ルゥにとって大きな意味を持っていた。
この世界に来てから、何も分からなかったルゥ。
けれど今は、自分で依頼を選び、自分の足で森へ行き、自分の力で仕事を終えることができた。
まだまだ小さな一歩。
それでも確かに――
ルゥは少しずつ、この世界で前へ進み始めている。
そしてルゥは、次の依頼を探すために――
再び、冒険者ギルドの依頼掲示板へ向かった。
掲示板には、まだたくさんの依頼が残っている。
「次は、どんな冒険かにゃ?」
小さな冒険者の顔には、もう迷いはなかった。
次なる一歩が、今まさに始まろうとしている。
ルゥの冒険は、まだ始まったばかりだ。
――第5話・おわり。
次回予告
初めてのお金を手に入れたルゥ。
次に挑戦するのは、荷物を届けるクエスト!
次回、第6話「はじめての荷物運び」




