第3話「はじめての冒険者登録」
ギルドの扉を開けたルゥ。
カラン、カラン――。
小さなベルの音が響いた。
中に入ると、たくさんの冒険者猫たちがいる。
依頼を受けている猫。
仲間と話している猫。
装備を整えている猫。
ギルドの中は、たくさんの猫たちで賑わっていた。
「わぁ……ここが冒険者ギルドにゃ!」
ルゥは少し緊張しながら、受付へ向かった。
ルゥは、小さな足で、
てくてく。てくてく。
受付の前まで来ると、一匹の猫が声をかけてくれた。
「こんにちは。冒険者登録ですか?」
「えっと……はいにゃ!」
少し緊張しながら、ルゥは答えた。
ルゥは、これまでのことを話した。
知らない世界に迷い込んでしまったこと。
元の世界へ帰りたいこと。
ミーナは、少し驚いた顔をした。
けれど、すぐに優しく教えてくれた。
「それなら、冒険者になって、この世界を知っていくのもいいかもしれませんね」
「冒険者になれば、いろんな場所へ行けるにゃ?」
「ええ。依頼をこなしながら、いろんな場所へ行けますよ」
その言葉を聞いた瞬間――
ルゥの目が、キラッと輝いた。
いろんな場所へ行ける。
それなら、この世界のことを知ることができるかもしれない。
そして――元の世界へ帰る方法も。
「じゃあ……」
ルゥは顔を上げた。
「冒険者になるにゃ!」
小さな体だけれど、その言葉にはしっかりとした決意があった。
必要な手続きを済ませると、ミーナが一枚のカードを差し出した。
「これが、あなたの冒険者証です」
「……!」
ルゥは両前足で、そっとカードを受け取った。
カードに書かれていたのは――
冒険者ランク:F
「Fランク……?」
「新人冒険者は、みんなFランクからですよ」
「新人……!」
ルゥはカードをじっと見つめた。
Fランク。
それが、ルゥの冒険者としての最初のランクだった。
まだ何も知らない。
まだ何もできない。
それでも――
今日、ルゥは冒険者になった。
「これで、ルゥも冒険者にゃ!」
ルゥは嬉しそうに、小さな胸を張った。
すると、ミーナが掲示板を指差した。
「まずは簡単な依頼から挑戦してみてくださいね」
ルゥは掲示板の前へ歩いていく。
そこには、たくさんの依頼が並んでいた。
薬草採取。
荷物運び。
お手伝い。
どれも、新人でも受けられる依頼ばかり。
ルゥは掲示板を見上げた。
初めての依頼。
初めての冒険。
どれを選べばいいのか、まだ分からない。
ルゥは、じっと依頼を見比べて――
「どれにするにゃ……?」
小さなこねこの前には、いくつもの依頼が並んでいる。
その中から、ルゥが最初に選ぶのは――
まだ、決まっていない。
第3話・おわり
次回予告
ついに冒険者になったルゥ。
初めて受けるクエストは、いったいどんな依頼にゃ?
次回、第4話「はじめてのクエスト」




