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こねこの異世界冒険記  作者: ポンデリング
第2章「こねこ冒険者、次の一歩へ」

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第15話「もう一度、薬草採取」

【異世界生活5日目】


朝。

月のひげ亭で朝ごはんを食べながら、ルゥは昨日のことを思い出していた。

荷車を守るために魔物を誘導したこと。

戦わなくても、依頼を達成できたこと。

「ルゥ、ちょっと冒険者らしくなった気がするにゃ!」

そう思うと、今日も何か挑戦したくなってきた。

「もっと、いろんなことができるようになりたいにゃ!」

ルゥは元気よくギルドへ向かった。

冒険者ギルドの依頼掲示板。

今日もたくさんの依頼が並んでいる。

薬草採取、荷物運び、街の見回り――。

その中で、ルゥは一枚の依頼書に目を止めた。

『薬草を採取してほしい』


「これ……前にもやったにゃ!」

初めて受けた依頼。

あの頃は、薬草を見つけるだけで精一杯だった。

でも、今なら――。

「もう一回、やってみるにゃ!」

ルゥは依頼書を持って、ミーナのところへ向かった。

「ミーナ、この依頼をやりたいにゃ!」

「薬草採取ですね」

ミーナは依頼書を確認してから、少しだけ付け加えた。

「今回の薬草採取は、前より少しだけ難しいですよ」

「難しいにゃ?」

「森の中には、よく似た植物があります。間違えないように、特徴をよく確認してくださいね」

「わかったにゃ!」

ルゥは胸を張った。

今までの冒険で覚えたことを、ちゃんと使ってみたい。


ルゥは街の近くの森へ向かった。

以前にも来たことがある森。

けれど、今日は見え方が少し違った。

「あっ、あれは……」

白い花を見つける。

ルゥは近づいて、じっと観察した。

花の形。

葉っぱの形。

茎の色。

「……違うにゃ」

以前なら、見つけたと思ったらすぐ採っていたかもしれない。

でも今日は、慌てない。

ミーナから聞いた特徴を思い出しながら、ひとつずつ確認していく。

そして――。

「あったにゃ!」

木漏れ日の下。

小さな白い花が咲いている。

「葉っぱも、茎も……これにゃ!」

ルゥは慎重に一本を採った。

「一本目にゃ!」

少し先へ進む。

「二本目にゃ!」

そして――。

「三本目にゃ!」

「三本そろったにゃ!」

ルゥは嬉しそうに尻尾を揺らした。

そのとき――。

ガサッ。


「……にゃ?」

森の奥から、何かの音が聞こえた。

ルゥはすぐに足を止める。

昨日の護衛のときと同じだ。

まず、周りを見る。

右。

左。

木の陰。

草むら。

「……何かいるにゃ?」

しばらく待つ。

けれど、何も出てこない。

ルゥは無理に近づかなかった。

「依頼は終わったにゃ。今日は帰るにゃ!」

危険かもしれない場所へ、必要以上に近づかない。

それも、昨日覚えたことだった。

ルゥは来た道を確認しながら、森を後にした。


ギルドへ戻ると、ミーナが薬草を確認する。

「はい。三本とも、ちゃんと依頼の薬草です!」

「やったにゃ!」

今回の報酬は――60G。

ルゥの所持金は、

430G → 490Gになった。


「前より上手にできたにゃ!」

「そうですね」

ミーナは嬉しそうに笑う。

「前は薬草を見つけることに夢中でした。でも今回は、ちゃんと特徴を確認してから採っていましたね」

「にゃ!」

ルゥは胸を張った。

すると――。

手元の冒険者証が、淡く光り始めた。

「……にゃ?」

カードから、ふわっとした光が広がる。

「これは……!」

ミーナが目を見開く。

「ルゥさん。もしかして――」

光が一段と強くなった。

ピカッ!


「レベルアップです!」

「レベルアップ……にゃ?」

ルゥの目が大きくなる。

これまでの冒険。

薬草採取。

荷物運び。

なくしもの探し。

ツノウサギへの対処。

北の森の見回り。

道標の確認。

そして、昨日の護衛。

一つ一つの経験が、少しずつ積み重なっていた。

「ルゥ、また強くなったにゃ!」

冒険者証には、新しい数字が刻まれていた。

Lv2 → Lv3


そして、身体にも小さな変化が現れる。

HPは、

12 → 14

攻撃力は、

2 → 3

防御力は、

1 → 2

素早さは、

2 → 3

魔力と運は、前と変わらなかった。

大きな力ではない。

でも――。

昨日までのルゥにはなかった、新しい一歩だった。


「すごい……!」

ミーナも嬉しそうに笑う。

「これまでの冒険が、ちゃんとルゥさんの力になったんですね」

ルゥは冒険者証を大切そうに見つめた。

「もっと頑張るにゃ!」

ギルドを出ると、エルニアの街に暖かな風が吹いていた。

ルゥは空を見上げる。

まだ知らない場所も。

まだ見たことのない魔物も。

まだ受けたことのない依頼も。

たくさんある。

でも、もう最初の頃のルゥではない。

少しずつ経験して。

少しずつ考えて。

少しずつ強くなっている。

「次は、どんな冒険が待ってるかにゃ?」

ルゥは尻尾を揺らしながら、月のひげ亭へ向かって歩き出した。

こねこの冒険は、まだ始まったばかり。


そして今日――

ルゥは、また一歩。

冒険者として前へ進んだ。

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