2-13
立ち上がったフラグをへし切……じゃなかった、へし折りたくて、神父さんに詳しく話を聞いてみると……
「つまり……ずっと前から女の子が生まれにくくなっている、と……」
「私達”人”に限らず、どの種族も生まれた子供5~6人に対して女児は1人の割合ですね」
「+病気や災害で子供の死亡率も上がり……」
「成人できる子供は3人~4人、そのうち女性は1人ほどでしょうか」
結果、今では男女の比率が7対3。
それでさっきから男性の姿しか見なかったのか。
あと、7対3って人口維持的に結構ギリギリなのでは?
「子供が産める女の人はすっごい貴重だから……」
「拉致や監禁などの危険が常につきまとっていて、日中でも女性の一人歩きは本当に危ないんですよ」
「か~ら~の~……一妻多夫制度……」
「夫は常に妻の傍に居なければなりません。妻を危険から守り、妻を養い、妻と共に子を育てる――しかし、これを1人で担うのは物理的にも経済的にも不可能です。そのため、最低でも3人の夫が協力して妻が安心して生活できる環境を整え、養い、父親が誰かに関わらず妻の子を育てる義務があるのです」
「――…最低3人ってことは、夫の上限はあるんですか?」
「ありません」
ないんかーーーい。
キリっとした顔で言い切るなよ聖職者。
「護衛に関しては言わずもがな、です。夫が少人数の場合、どうしても手薄になることがあり、その分危険度も増します。夫に代わって妻――この場合対象者ですね――をあらゆる危険から守ります」
……ヤバい。
神父さんの言っていることが何気に理解できる自分が怖い。
「―――あ―のぉ―…『夫』と『護衛』の役割は分かりました。が、何故そこで『奴隷』が?」
「奴隷は何かあった時の妻の『盾』ですよ?」
何かあった時の「何か」ってナニよ?
怖すぎて逆に訊けないわ。
……頼む、神父よ。
お前、何訊いてんだ?的な視線はマジやめてくれ。
「以上の理由から夫、護衛、又は奴隷が必要なわけです。――…ご理解いただけましたか?」
いただけませーーーん。
百歩譲って理解はしても、全然納得はしていませーーーん。
自分の性格上、夫1人でも無理でこの年まで独身を貫いたのに、この期に及んで複数とか、どんな罰ゲームですか?
「あーーー…ハイ……」
とりあえず、適当な返事をしておく。
そうかー。
竜賢さんが言ってた「人口が減る一方……」ってこのことだったのかー。
しかし、ここに来てまさかのリアル逆ハーレム設定。
あれはあくまで夢だから楽しいのであって、現実だとめちゃくちゃ無理ゲーすぎるんですが。
なんというか、もう……
「デカルチャー……」




