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異世界転移というけれど…  作者: 橘吟香
第一章
28/32

2-3

 ……と、意気込んでいた時期が私にもありました。

 しかし、現実はそう甘くなかった。

 いや、ね。

 最初は良かったのよ?最初は。

 洞窟を出ると森の住人が「ついて来い」と言わんばかりに、適度な距離を保ちながら先導してくれる。

 なんなら振り返り、振り返り、私を気にしてくれている様子。

 その気遣いは非常にありがたく、嬉しかったんだけど。

 とにかく――森の中は歩きづらい!

 ちゃんとした道はない、舗装もされてない、平坦じゃない、の「ないない」尽くし!

 木の枝や石がそこら中にごろごろ落ちていて、いつの間にかブーツの中に入り込んだ小石が地味に痛い!

 その小石が確実に私のやる気を削いでいく。

 こいつ……やるな!

 きちんとアスファルトで舗装された、平坦で、水はけの良い、ゴミ1つ落ちていない――は、ちょっと言い過ぎか。

 そんな道に慣れきっている現代人に、この森は無理ゲー過ぎて……

 何度石や木の根に躓いて転びそうになり、何度足首を捻りそうになったことか。

 先導を見失わないように、足元を気にしつつ歩いていたら、あっという間に陽も暮れて。

 気づいた時は辺り一面、真っ暗になっていた。

 そんなヘロヘロの状態で【空間収納】から愛車を取り出し、早々に車中泊と決め込んだ私は絶対に悪くない。


 車内で汚れた手足を拭き、『女神の果実』を食べながら今日を振り返ってみる。

 正直、2kmも歩いていない。

 でも、自分では頑張ったと思っている。

 明日はもう少し頑張ろう、なんて考えながら瞼を閉じたら――……余程疲れていたのか、秒で寝落ちしたみたい。

 朝までぐっすりでした。

 いやぁ、寝る前に魔物除けの薬玉を用意していた私はほんとにえらい。

 本当は着火しないといけなかったんだけど、火種がなかったから車の上に置くだけにしてたんだよね。

 何も起きなかったってことは、あのくさ…ひど…すごい臭いだけで寄って来なかったってことなのかな?

 虫よけの薬も効果てきめんだったしね。

 さすが、竜賢さんと一緒に作っただけのことはある。


 あ。

 先導してくれた森の住人には、お礼に『聖水』を満たした容器を車のボンネットに置いておきましたよ?

 翌朝には容器が空になっていたので、喜んでくれたのかなと勝手に思っています。




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