表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転移というけれど…  作者: 橘吟香
第一章
27/32

2-2

 たくさんの花に埋もれて眠る竜賢さんを改めて見て、みんなから愛されていたんだな、と実感する。

 そんな竜賢さんをこの森から連れ出すことに、少しだけ後ろ髪を引かれる思いがした。

 でも、こればかりは仕方がない。

 竜賢さんをアンデッド化させるわけにはいかないのだ。

 安らかに眠る竜賢さんに手を合わせ、最後の手向けとして、生前好んでいた神聖力の『聖水』を竜賢さんの全身にかけて清める。

 光に反射して黄金に輝く『聖水』を風がそっと運んでくれる。

 キラキラと舞い散るその様は、夏の最後の花火に似ていて――

 泣きたくなるくらい、綺麗だった。


 洞窟内に残る、祭りの後のような余韻を胸に、竜賢さんを花々と共に【空間収納】へ収め、そっと抱きしめる。


 ――…もう悲しまないのだ。

 大切な人を偲び、感謝し、別れを受け入れる。

 その時間はもう終わった。

 いつまでも、ここで立ち止まっているわけにはいかない。


 旅装束を身に纏い、必要な物を全て【空間収納】に納め、周囲を見渡す。

 竜賢さんと過ごした日々は本当に短いものだった。

 けれど、思い出は十分にある。

 大丈夫。なんとかなる!

 そう自分に強く言い聞かせ、長い髪をぎゅっと結ぶ。

 フードの中に竜賢さんと一緒に作った虫よけの薬玉をセットしたら、出発の準備は完了だ。

 何事も、最初が肝心。

 大きな声を上げて、覚悟を決める。


「――行ってきます!」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ