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謎の刺客、何者? 恐怖の始まり。

新たなるキャラを投入してみました。

当面、学校編、事件編の投稿で行こうかとおもってます。

「はい、みなさんおはようございます。今日は始めに転校生を紹介します。こんな時期からの転校なので、慣れないことも多いと思いますので、皆さん仲良くしてあげてください。じゃあ、自己紹介して」


 胸元まで長さのある髪、毛先は軽くカールしていて手入れは怠らず、ハーフの様なくっきりとした顔立ち。身長は女性としては普通で低くもなく高くもない。女性が見ても見とれてしまう腰のくびれと足の綺麗さ。極めつけは、歳を誤魔化しているとしか思えない豊満な胸。

 クラスの男子だけでなく、女子も見いってしまった。


「静岡から転校してきた伊集院麗香です。引っ越してきたばかりで、学校の事も東京の事も全然分からないので、みなさん教えて下さい」


「席は…夏休みに転校してしまった林さんの席に取り敢えず着いて下さい。今週中には教材が届きますので、お隣の甲斐くんに見せて貰って下さい、それじゃ席に着いて」


 なんか伊集院さんは俺の事をずっと見ている気がするが、自分の据わる席を見てただけだな。

 志恩がそんな勘違い妄想な考えを、頭を振って打ち消した。


 麗香は教壇から窓際後ろから2番目の席に向かい歩く、その姿をクラスの男子達は目で追っていった。そして席に着く際、志恩に顔を近付け小声で呟いた。

「これから宜しくね、し・お・ん!」

「えっ?」

 麗香は鼻歌を奏でながら席に着く。


「はい、じゃあ午前の授業頑張ってください」

 そう言って先生が教室を出ていくと、麗香の周りには人だかりが出来、志恩は自分の席に居られない状況になった。


 1時限2時限は移動教室で3時限は体育、4時限目にやっと教室での授業となっていた。

 その日は4時限目が来るまで、志恩はずっと気掛かりになり麗香を目で追っていたが、それに気が付いた愛莉が志恩の横っ腹を肘打ちする。

「ちょっと志恩!あーゆーのがタイプなの?まぁ、誰でも好きになるとは思うけど、それってスケベな気持ちが大きいんじゃないの?まだ中身も分からないんだから、ただのスケベだよっ」

「いや、そう言うことじゃないんだけど」

「そう言うんじゃなかったらなんだって言うの?」

「えーっと、怪しいって言うか、危ないって言うか」

「はぁ~…スケベ」

「おっおいっ」

 愛莉はそそくさと行ってしまった。


 

 志恩は始めて会う人間が志恩の事を知っていると言うことは、異世界転生者の可能性があり、今まで関わった組織と繋がっている可能性を危険視していた。そんなことを愛莉に説明するわけにもいかず、困ってしまう。

 

 何者なんだろう?


 4時限目にはいり志恩はやっと麗香と机を合わせ、教科書を見せながら接触することが出来た。

 麗香は絶えず志恩の顔ばかり見てニコニコ微笑んでおり、志恩もどう切り出そうか困惑していた。

「あのね伊集院さん」

「あら、そんな他人行儀な呼び方じゃなくって、麗香って呼んでくださいなっ!」

「じゃあ麗香さん、聞きたいんだけど」

「もぉ~麗香ってそのまま呼んでくれないと、何にも答えませんよぉ~だぁ」

「……れ、麗香。」

「なぁ~にぃ志恩!」

「はぁ~…あのね、何で始めて会った俺の名前を知ってるの?」

「えっクラスメイトなんだから、別に知ってても可笑しく無いんじゃないかしら?うふっ」

「そうだけど、それじゃあクラス全員の名前を知ってるの?」

「さぁ~どうでしょう?」


「こらーそこー」

 教壇で授業をしている40近い白髪混じりの男性教師が志恩を指差し。

「転校生との会話が楽しいのは分かるが、授業中なんだから、イチャ付くのもほどほどにしとけー」


「「「はははは」」」


 麗香は立ち上がり手を元気よく挙げて

「はぁーーい!ほどほどにしまーすっ」

 と言って着席し、志恩は下を向いて困ってしまった。

 周りを見渡すと、男子は志恩に敵意の目を向け、女子は呆れ顔であったが、一番痛かったのが愛莉の刺すような視線であった。

 授業中、それから麗香が喋ることも特に無く、志恩からも話ずらかった。だが、ことある毎に腕を絡ませ胸を押し当てて来て、その度に、腕を引っ込めて回りの視線を気にして、気の抜けない辛い授業時間であった。

 授業が終わり麗香を問い詰めて話をしようとするが、チャイムが鳴ると麗香の周りに人が集まり、話もろくに出来ない状況だった。

 これは放課後まで待って、ハッキリさせた方がいいな。志恩は決意を固めた。

 午後の授業も特に話らしい話も出来ず、時間だけが過ぎていく。

 

 その日、最後のホームルーム。

 今日は担任の先生から注意があるらしく、全員が話に耳を傾けていた。

「えー最近、女子更衣室で女子の下着や制服が盗まれると言う事件が起きております。女子は勿論、男子も不審者などに注意してください。まさか男子の仕業じゃないことを先生は祈るぞ!以上」


「きりーつ、れー、「「さようならー」」」


 さぁ今だっ!と、麗香を誘い出そうとしたとき、元気よく静香が現れ、志恩の机に当たり前のように座り、麗香に向けて話し掛けた。


「麗香!じゃー行こっかっ!」


 志恩は先手を打たれたことに驚き。

「お前らどこに行くんだ?」

 と静香に聞いた。

「えっ?あぁ、麗香は剣道部に入部希望で、今から体育館に見学に行くんだよ」

「へぇ~」

 志恩が他人事のように頷いているのを見て、麗香は志恩に向かって聞いた。

「あれ、志恩は体育館に行かないの?」

「なんで?」

「部活」

「俺は帰宅部だよ」

「えええええええぇぇぇーー!大会に出てたじゃない!」

「あ~あれは、欠員の補充でヘルプだったんだよ!ってか、なんでそれを知っているの?」

 麗香は頭を抱えふらついた。

「そっそんなっ、あれだけの腕があって、何で剣道をしないんですか?」

 静香はウンウンと相づちをうちながら、

「そーだそーだ、なんでやらないんだ!」

 志恩は雲行きが怪しくなってきたのを感じて、鞄を手に持つと。

「争い事が嫌いなのっ!じゃあね、お先に」

 逃げるように志恩は教室を出ていった。




 志恩は自宅へ帰ると夕飯の仕度をして本を読みながら、愛莉の帰りを待っていた。

 愛莉が帰宅して着替えて夕飯を一緒に取り、洗い物を終えて部屋に戻ろうとしたとき、愛莉は食卓でくつろいでいた。

 そんな愛莉に、志恩は麗香の事を聞いてみることにした。

「なぁ愛莉。麗香は剣道部で一緒になるんだろ?どんな人物像なんだ?」

「あらあら、お兄様。麗香っ!だなんて、もうそんな間柄なんですか?仲が宜しいことで」

「おいおい、からかうなよ。向こうが名前を呼び捨てにしろって強制してきたんだからさっ」

「ふぅ~ん、気に入られてるんだね!良い人だよ、麗香さんは」


 愛莉の話では、麗香が剣道部に入部したとのことだった。そして彼女が全国大会で個人優勝したこともある剣豪であり、学力も全国トップレベルで麗香の学力だったら、志恩達の学校より数段上の進学校にも余裕で入れる力があるそうだ。


「凄いよね麗香さん。文武両道、才色兼備!うぅ~んん憧れちゃう!それに気さくで話しやすいんだよ」

「へぇ~そんな子が何でうちの学校にこの時期に来たのかね?」

「そうなの。それも聞いたんだけど、今はまだ内緒って言うの、何かミステリアスだよね」


 内緒!そして来る必要のない学校への入学。

 ますます怪しい。


 志恩の悩みの種が増えたその日、葛城からの電話により、更に悩みが増えるのであった。






 葛城からの連絡は深刻な状況が語られた。

 前回の吉田議員殺害を遂行した、警察内部の裏切り者を第6課の高坂刑事が追っていたが、追跡中何者かに殺害された。

 だが、高坂刑事は自らの命と引き換えに、犯人の手懸かりを残してくれた様で、葛城は全力で犯人を追っている状況らしい。

 これから捜査に向かうので志恩にも同行して欲しいとの伝達だった。


 志恩は直ぐにお風呂に入り疲れたからと早寝したことにし、魔法で家を脱け出した。

 葛城が迎えに車で近くまで着たところで合流、車内で話をしながら目的地まで移動する。

「高坂刑事は、高層オフィスビル22階の窓ガラスを銃で内側から割り、飛び降りた。と言うのが、現場状況そのままなんだが、死亡解剖の結果、落下による打撲以外に、既に身体中火傷や傷害を受けていて、多分、犯人の正体を掴んだが逆にバレて追い詰められ、死を悟った高坂が証拠の残る死を選んだと俺は睨んでいる」

「高坂刑事は任務に命懸けだったんですね」

「あぁ、惜しい刑事を無くしたよ。だからこそ、奴が残してくれた手掛かりを無駄にはしたくない」

「わかりました、俺も出来る限りの協力します」


 現場は都心のド真ん中でいくつもの企業が入っているオフィスビルである。窓ガラスが割れた22階には輸入貿易を生業にした企業が入っており、今日は会社が休みで数人の社員しか出社しておらず、勝手に刑事が22階の重役室から飛び降りたと主張していた。

 22階は今、封鎖されており、誰も居ないとのことだった。

 志恩は犯人からの監視の目を避けるために、葛城に渡されたスーツを着てサングラスに帽子にマスクと言う怪しい出で立ちで、調査に乗り込んだ。

 

 22階、蛍光灯などの明かりは半分だけ付いていて、少し薄暗さも感じさせた。

 静まり返ったオフィスで幾つかある部屋のうち、目的の現場と思われる部屋から、風の音だけが聞こえてくる。

 志恩達はオフィスを隈無く調べ始めた。そして志恩が見付けた痕跡は、少し傷跡の残るデスクや焦げ目のある床で、魔力感知を行い間違いなく魔法が使われたことを証明した。

 その後、事件のあった部屋の調査の為、扉を開ける。扉は風と気圧によって重さを感じさせた。

 部屋の中は散々としていて、ビル風の突風が入り込み少し寒さを感じる。

 暗がりの部屋へ入り明かりを点けた。

 

 その時、暗がりの部屋の電気が点き部屋の中に人のシルエットが見えた瞬間。


 ドンッ


 志恩の体は少し宙を舞い入口横の壁に叩き付けられた!


 葛城と三上は素早く物影に隠れた。

 志恩は起き上がらず、転がるように葛城と三上のいる机の陰に隠れた。

 志恩はあらかじめ葛城達には、戦闘中は自分に何かあったら志恩から離れてくれと伝えてあった。

 志恩自体は魔法の防御を張っているので、下手な事では傷付かないから、次の行動に移りやすいように動いてくれと言ってあった。


「ゴホゴホっ」

「志恩くん大丈夫かね?」

「はい、なんとか。ーー狙撃ですね、ライフルの威力が強くプロテクションごと吹き飛ばされてしまいました」

「待ち伏せされていたんだな」

「そうですね。ただ、これでこの会社が事件を隠蔽していた事が分かったんで、奴等の関係を洗えますね」

「そうだな。取り敢えず今は、この状況から脱出することを考えよう」


 そう言って葛城は携帯電話を手に取ったが、難しい顔をしている。

「どうしたんですか?」

「やられたよ志恩くん、奴ら俺等をここで始末する気かもしれない…携帯の電波が入らない。恐らく、無線器機なども使用出来ないだろう」

 志恩も携帯を出してみるが、圏外になっている。

「ここから脱出することを最優先にしましょう」

「あぁ、確かにそうだな。それに俺らと連絡が取れなければ、応援が来てくれる筈だしな」


 まずは狙撃者から逃れるため、この部屋からの脱出を試みるところから始めた。

 時折、威嚇射撃の銃弾が室内を襲う中、志恩はスモークで視界を誤魔化し、3人は素早く部屋を後にした。

 オフィスフロアーに転がり出た3人に訪れたのは、安堵ではなく新たなる敵の攻撃だった。

 数発の銃弾と魔法の攻撃が志恩達を襲う。

 初撃を凌いで葛城と三上は直ぐさま、銃で蛍光灯をいくつか破壊し我々の姿を闇の影に潜ませた。

 葛城と三上にもプロテクションを張ったが、持続時間に限界がある。

 3人は暗がりに紛れ、3方向から敵を包囲する形で近付いて行く。時折襲いかかる銃撃や魔法の爆発、葛城達もそれに応戦して応え、敵を追い詰めて行き、非常階段付近に近付いた時、葛城が叫ぶ。


「伏せろー」


 その声を耳にしたすぐ、耳をつんざく爆発音と爆風が志恩を襲った。

 爆発の余波と砂埃の後、志恩は直ぐ様『ファイアーボール』を3発敵の居ると思われる方向に放ち、葛城と三上を捜索した。

 その後、敵の攻撃が静かになっており、先ずは葛城に合流、そして三上と合流したがその姿は無惨にも服はちぎれその隙間から見える肌からは、血が滲み出て、手足も多分折れている。

 葛城が声を掛けると、意識は辛うじて有るようだ。しかし、その声からは苦しさが伝わってきた。

 志恩は透かさず回復魔法を唱え治療を施すと、三上の体は直ぐ様完治した。三上は痛みが一瞬で消えた事に驚き、何ともし難い気持ちで、志恩にお礼の言葉を述べた。


「志恩くんありがとう、魔法と言うのは驚きですね、さっきまで死ぬかと思ったほどの痛みや傷が、今は夢でも見ていたかのように、何事もないんですもの」

「あっあの三上さん、何か上に羽織った方がいいと思われますが」

「んっ?あぁ、そうね」


 三上は自分の姿を見て、そうかそうかと堂々かつ冷静に葛城から上着を借り、それを纏った。

 この時三上は胸が片方はだけており、下も下着状態であったが、照れもせずに真面目な顔つきのままでいた。現場の女刑事は凄いなぁと志恩は感心してしまった。



 志恩達3人は臨戦態勢のまま敵に迫ったが、ピタリとその動きがなくなり、怪しさを余計に警戒した。


『サーチエネミー』【索敵】


 志恩は敵の動きを調査した、が何も反応がない。

と言うより、魔力を感じられない。


 志恩は何もない空間に『ティンダ』と魔法を唱えたのだが何の反応もなく、魔力消費の感覚もなかった。

 ハッと志恩は近くの窓から夜空を覗き見る。そこには真ん丸の月が夜空に輝くだけだったのだが、志恩は周りを気にせず叫んでしまった。


「しまったっ!」


「どうしたんだ?」

 葛城は不思議そうな顔で志恩の顔を覗き込んだ。

「葛城さん、今何時ですか?」

「今は丁度0時を過ぎて3分だけどどうしたんだい?」

「魔法が使えません。奴らももしかしたらそのせいで撤退したのかもしれません。僕らも急いで撤退しましょう」

「どう言うことだね?」


 

 志恩が使う魔法は体内の魔力を使い魔法を発動させているのだが、月に1日、満月の日だけはその魔力が体から感じられなくなってしまうのだ。

 志恩だけでなく、他の帰還者もそうだろうと志恩は予測している。


「なるほど、それは調べてなかったな。でも、そう考えるとさっきの三上は危なかったな、それにもしさっきみたいな事が起きたら、今度こそ命がないな。…よし、急いで撤退しよう」

「はいっ」

「了解です」



 葛城達3人は撤退に成功、その後は敵の動きもなく、志恩は自宅へと帰ることが出来た。





 ーーしかしーー


 志恩の本当の恐怖と戦いがこれから始まろうとしていた。


 ーミッション1ー

 無事、帰還せよ。


 志恩は音を立てず、静かに建物へと近付いた。

 人の気配はなし!扉を確認する。ガチャガチャ。鍵は掛かっていようだ。次に建物を1周、窓と言う窓を調べたが、どこもしっかりロックしてある。

 不味い、行き詰まった。最後の手段を取るかっ!いや、そんな恐ろしい事は選択出来ない。

 まだ、外に居ても朝まで生き残れる気温である。ここは持久戦に持ち込むしかないようだ。

 志恩はブツブツ悩んだ、そんな時。


 パッ …玄関の電気が点く。


 ガチャリ …玄関の扉が開いた。


 そこには神々しい女神が…仁王立ちしていた…


 静かに親指を立て、2階をクイックイッと合図すると。

「たっぷり聞かせてもらいましょう」

 と言って、階段を静かに上がって行った。



         ・・・ミッションエラー



次回。昼も夜もピンチです。ラブラブハートに命懸け。


近々、1話~5話を大幅改変しようかと思ってます。内容を変える訳ではなくもっと読みやすく内容を増やしてみようと思います。

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