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学生人生の終わり?

すいません、遅くなってますが、日々着実には書いてます。読んで下さっている方々ありがとうございます。

本日も志恩の災難をどうぞ。

ーー今日は人生最大のピンチを迎えてしまった…


 不味い、もう逃げられない。一か八かで飛び込んでしまったが、余計自分を追い詰めてしまった。

 どうしたらいいんだ。

 ガチャッ

 終わった…







「ねっねむい…」

「自業自得でございまよ、お不良になってしまわれた、お・に・い・さ・ま」

「もうぉ勘弁してくれよ、俺も警察への協力で行った訳で、どっちかと言えば愛国的な日本国民と言ってくれよ」

「私が怒ってるのは、私に内緒であんな小細工までして出掛けた事を怒ってるんです」

「だって、俺が出掛けるって言ったら、心配するか付いてくるだろ?大事な妹を夜中に外出させる訳にもいかないし、心配もさせたくないからだよ、ね」

「どーだかっ!どぉーせエッチな事が起きたら困るから、私を連れて行かないんでしょ!」

「えっ【ドキッ】」

「ん?何、今の反応、何かあったの?!!!!」

「急がないと遅刻だーーー」

「ちょっ志恩っ!待ちなさーい」


 今日が1日平和でありますように!

 志恩の心の叫びが、木霊する。




 青空ヶ搭高校は学年別に下駄箱が三ヵ所あり、その側に各教室へと繋がる階段がある。

 志恩も上履きに履き替え、教室へと向かう。


「しーおんっ!おっはよっ」

 志恩の腕に手が回り、腕を絡めて麗香が登場。

 …胸、胸。頭の中で叫びつつ、ひきつりながらの困り顔で志恩が。

「おっおはよう麗香さん、ちょっと近くありませんか?」

 麗香は更にしがみ付き、

「もぉ~呼び方が他人行儀!」

「他人行儀って、一応他人じゃない?」

「ひっひどい、友達ですらないって言うの。悲しい、シクシク」

「いや、そんな事はないよ、友達だよ」

「じゃ~呼んでくださいなっ」

「・・・れっれいこ…」


「あの~・・・私も横に居るんですけど~」

 志恩を挟んで麗香の反対側にいる愛莉が、薄ら開きの白い目で二人に呆れて見ていた。


「あらっ愛莉ちゃんっおはよう」

「おはようございます、麗香さん」


 そこにタイミングー良く?悪く?ー猛、静香、柚木が後ろから声を掛けてきた。


「おっす志恩!あれ、伊集院さんも一緒じゃんって、何かいつの間にそんな羨ましい仲になってたんだよ」

「ちょっと麗香っ!志恩とフレンドリー過ぎじゃない?」

「志恩くんって、そんなにプレイボーイだったんですか?悲しいです」

「もぉ~俺はなにも…」

 志恩が言い訳をし始めたとき、横に居た愛莉も志恩に腕を絡ませ。

「お兄様、お鼻の下が伸び過ぎて地面に付いてしまいますわよ」


 ヤバい、天国と地獄が一緒に来てる。これじゃあ、針のむしろでご馳走食べてる気分だよ!

 志恩はそのまま教室まで連行され、教室の男子から刺さる視線を独り占めにしていた。


 志恩達の教室には、他のクラスの男子も伊集院麗香を一目見たいと、休み時間の度に覗きに来ていた。そして、志恩にベッタリな麗香を見て、志恩への憎悪を募らせて帰っていく、志恩は麗香の狙いは自分を学年中から孤立させる狙いではないのかと疑い始めていた。


 

 授業も昼食前の4時限目の体育が終わり掛けており、志恩は早目に授業を逃げ出し保健室で休んでいた。

 授業も終わりの時間が近付いて来たので、教室へ戻ろうと女子更衣室の前を通り掛かろうした時。


 カチャリ


 更衣室のドアが志恩の目の前で開く。


 志恩の目には、女子更衣室から顔を覗かせる男性の顔が映った。


 目が合う。


 扉が静かに閉まる。


「・・・」


「!」


 志恩は素早く扉を開き、更衣室へと突入した。


 そこにはカバンをさげた20代の「お・と・こ」が居た。

「あなたは変質者ですね」

 志恩は自分で言ってて、アホな質問をしていと思った。

「いやー、そう言う者ではないんですが」

「あなたが、最近話題の侵入者ですよね。大人しく捕まってください」

「はいそうですかとは、いかねーなっ」

 そう言って、チャックの空いたカバンを志恩に投げつけた!

 志恩は腕でカバンを払いのけた。それと同時に、鞄から下着や制服が宙を舞う。

 志恩は、宙を舞うインナーに唖然としてしまい、我を取り戻した時、不審者は窓から外へと出てしまっていた。そして窓を閉め外から(かんぬき)をして逃げ去ってしまった。

 志恩は一瞬我を忘れたが、気を取り直し犯人を追い掛けるが、魔法の使えない志恩は何もすることが出来ず、仕方なく入ってきた扉から出ようとした…


 ガチャリ、バタン。 まっまずい。


 扉を開け、一瞬見えた光景は女子が体育の授業を終えて、女子更衣室に向かってくる姿である。

 志恩は考えた。

 授業を抜け出した自分。

 インナーの散乱する更衣室。

 最近、批判されている自分。

 不味い、逃げ道がない。


 志恩は考えてみた。物凄い勢いで頭を回転させ。

 無理だった。

 などとしていると、女子が更衣室の扉の前へと迫る声が聞こえた。

 志恩がたどり着いた答えは、見付からないよう隠れやり過ごし、逃げ仰せることであった。

 瞬時にあたまをフル回転させた志恩は、ロッカーを見て番号の振ってない窓際端のロッカーを見つけ、そこは使われてないロッカーと推理し、飛び込んだ・・・

 ロッカーに隠れた志恩の視界には、女性の香りのする制服がかかっており、走馬灯のように自分の人生と、連行される自分の姿が映った。


 更衣室に入ってきた女子は直ぐに床に散らばるインナーを見て騒ぎ始め、そのうち犯人がまだ室内に居るのではと言う話題を話始めた。やめて~!

 1人1人、怖がりながらロッカーを開けていき、志恩の前にも女子がやって来た。

 換気口からは顔が見えないがスタイルのいい女子で、その女性が扉を開ける。


 ガチャッ


 終わった。

 

 志恩は目を瞑り、死刑囚の様な顔つきで叫び声を待った。


 バタンッ


「誰もいないね、逃げたみたい。着替えて先生に報告に行こう」


 え?



 暫くして、生徒の声が消え静けさが訪れる。



 きーー


 ゆっくりと扉が開かれた。


 志恩はスゴスゴとロッカーから出て、そのロッカーの使用者と対面した。


「志恩、一体ここで何をしていたのかしら」

「麗香、違うんだ話を聞いてくれ」

「勿論、聞きますわよ。あなたがこんなバカげた事をする人じゃないのは分かってますから」

「ありがとう、実は………と言う訳で、犯人に逃げられ自分の逃げ道も無くなってしまったんだよ。信じて貰える?」

「あなたがそんな嘘をつく人じゃないことは分かっているわ。ただ…」

 そう言い掛けると、麗香は体操着を脱ぎ始めた。


「おっおいっ」

 志恩は焦り、窓に顔を向ける。

「こっちを向いて頂けますか」

 志恩が躊躇しながらゆっくりと振り向く。

 そこには上下お揃いの深いピンク色の下着姿の美しく可憐な麗香が、気恥ずかしそうに立っていた。

「もし私が今、大声を出したらどうなりますかね」

 そんなことになれば、志恩がどんな言い訳をしても退学問題である。志恩は罠にはまってしまったと直感した。



 だが、麗香は真剣な顔つきで、

「志恩が私の言う事を聞いてくれると約束してくれるのなら、このまま何事もなかったことにしますけど、どうしますか」

 志恩は一瞬だが、多くの事が頭を過り、そして口を開く。

「そんな分かり切っている質問をされても、答えは決まっているが、後で俺が約束を守る保証はないんじゃいかい?」

 麗香は怪しくも嬉しそうに微笑んでから、

「志恩が約束を破る様な人間なら、私に見る目がなかったと諦めるわ」

 志恩はもう麗香が何を考え何の思惑が有るのか分からなくなり、今は向こうの思惑に乗るしかないと諦めた。

「分かったよ、で、俺に何をさせたいんだい?」

 麗香は嬉しそうな顔をしてから、自分のロッカーに向かい制服に着替え始め。

「じゃあ、今日の放課後、私と二人っきりで付き合って下さい」

「おっけい。じゃあ、放課後な」

「うふっ、楽しみですわ」


 麗香が先に更衣室を出て辺りの様子を見てから合図をし、志恩が更衣室から脱出した。

 志恩の苦悩はまだまだ続きそうである。



 今日は学校が終わり次第、葛城達と打ち合わせと調査をする予定だったのだが、予定が大幅に変更せざる終えなくなりそうだった。



 志恩は今日の放課後の誘いは全て断り、愛莉には帰りが遅くなるかもしれないと伝えると、猛烈に追及されたが志恩の真剣な決意を持った目を見て愛莉は、「ちゃんと戻って着てね」と一言伝えた。


 時は来た、放課後、校門で待つ麗香と一緒に下校する。どこへ行くのかと尋ねるが、着いてくれば分かるとしか言わず、黙々と目的地へと歩みを進めるだけであった。

 麗香は終始ニコニコと笑みを絶やさず、志恩と腕組みをしながら目的地へ引っ張りながら歩いて行く。

 傍から見れば強引な彼女を持つ仲の良いカップルだが、志恩の心境はこれから起こる全ての可能性を想像し、戦い抜く決意を固めていた。


 二人が着いたのは、街にある高層マンション。

 麗香はカードでロビーの扉を開きエレベーターへと連れ込む。…5階…10階…15階…20階…チン、エレベーターは最上階の23階へと到着して扉が開いた。23階には廊下の右と左に2つしか扉がなかった。

 麗香は片方の扉にカードを差し込みドアを開く。

 扉の向こうは白で統一された大理石の様な壁や床の大きな玄関になっており、スリッパを出されたので履き替えて中へと向かう。

「おじゃまします。麗香、ここは君の家?」

「そう、東京暮らしの家」

 麗香の後へと続き、中に入っていった。

 玄関を抜け一番奥のガラス扉を開けると、リビングとおぼしき部屋へと通される。天井が高く、30畳は有りそうなリビングには家具が少なく、ソファーとテーブル、そしてテレビ。奥の凹みは6畳程のダイニングキッチンが付いていた。全てが、映画かドラマでしか見たことがないような部屋であった。

 異世界のお城には劣るけど、比較対象が違うよね。などと口に出しては言えなかったが。


「凄い自宅だね。今日は両親とか家族はいないの?」

 志恩が質問すると、麗香はキョトンとした顔をしてから答える。

「両親は実家の家に住んでいるわよ。ここに住んでいるのは私1人だけ、あと、お手伝いさんが家事をしているけど、今日はもう帰ってもらったわ」

「えっ?家族と引っ越して来たんじゃないの?」

「いいえ。まっ学校には家の都合ってことにしてありますけどね」

「麗香って、お嬢様?」

「どうなんでしょう。そんなことより、まずはソファーにでも座って下さいな」

 志恩は畏まりつつ、ソファーの隅に腰掛けた。

 麗香は台所から液体の入ったグラスを2つ持って、志恩の隣に座った。


 平凡な家庭で育った志恩からすれば、呆れるような家にソファーだったが、異世界での生活で、お城や貴族の家などには出入りしたこともあった為、徐々に慣れてきた。

 そして、いつまでもヤキモキしている訳には行かず、志恩は顔を引き締め、麗香に向き合った。


「回りくどい事は嫌いだ、麗香、君の狙いは何だ?俺の秘密を知っているなら、何が望みで何をさせたいんだ。俺一人だけの犠牲なら話を聞くが、俺の仲間や家族に害をなす要求なら、何があってもさせないからな」

 志恩は真剣な眼差しで麗香の目を見詰めながら、決意ある意思を示した。

 しかし麗香は志恩に見詰められた瞬間、頬を赤らめながら目を閉じた。が、志恩の話が終わった時、目を見開き志恩の顔をじっと眺めながら。

「志恩、あなた何か勘違いしていませんこと?」

「えっ?」

 志恩はアホな顔になってしまった。

 そんな志恩の顔を見て、麗香は大きく笑った。

「志恩には何か秘密があるの?だから剣道部に入れないの?そんなことは私にとっては二の次ですけどね。私が東京に来たのはあなたに会うためよ」

 志恩は気を持ち直し、もう一度。

「だから、俺に会って何かをさせる目的で学校に潜入してきたんだろ?」

 麗香は人差し指を顎に可愛く添え、上を向きながら困った顔をして。

「何か大きな勘違いしてるようだからハッキリ私の気持ちを伝えるわよ。私は志恩に会いたくて、地元の学校を辞めて志恩の学校に編入したの」

 志恩はポカーンとした顔で一言。

「なぜ?」

「夏の剣道の大会、私も女子の部で参加していたんだけど決勝で敗れちゃってね。落ち込んでいた私が観たのは、男子準決勝の大将戦。圧倒的な強さと最後の一刀。あの一刀、気が付いた時には私の目から涙が流れていたわ。そして思ったの、この人しかいないって、その時からあなたに夢中になってしまったわ。でも、剣道のどこを調べてもあなたの名前はどこにもなくて、それなら直接調べてやるって思って転校してきたの。どう?わかった」

 志恩はどう答えていいか分からず、ただ麗香の顔を見るだけだった。

「だから志恩、私と付き合って。そして一緒に剣道やりましょう」

 志恩の手を握り、グイッと接近する麗香に志恩は手を離し肩を掴んで距離を取り、話した。

「ありがとう、なんか俺は勘違いをしてたみたいだ。だけどごめん、1回の剣道の試合だけでそこまで思ってくれたのは嬉しいけど、君とは付き合えないし、剣道部にも入らない」

「どうして?剣道が嫌なら、剣道部に入らなくても我慢する」

「剣道部には入らない。それに剣道部関係なく、君とは付き合えない」

「なんで?私がブスだから?タイプじゃないから?性格?」

「ちょっとちょっと待ってくれ麗香は可愛くて性格も素敵だと思うよ、でも、まだ会って間もないし、お互い何も知らないだろ。それに今はやらなくてはならなき事があって、女性と付き合えないし剣道に打ち込む時間もないんだ、分かってくれ」

「やらなくちゃいけないことって?」

「それは誰にも言えない。妹にも言ってない事なんだ」

 暫く麗香は無言になり、そして「うんっ」と1人頷くと志恩の膝の上に股がり志恩の顔を見つめ。

「分かったわ。まだ卒業まで2年以上あるんだしね。やらなくちゃいけないことって言うのが終わったら教えて。それまでは我慢するわ」

「理解してもらえてよかったよ、さっどいてくれるかな」

 麗香は「うふっ」とほくそ笑み、志恩の頭を抱え込んだ。

「うぐぅうぐぅ、ぷはー、麗香、さっき我慢するって」

「ええ、付き合えとか剣道しろとかは我慢しますわ、でも志恩を私の虜にすることは諦めませんわよっホホホホホホ」



 志恩は何とか逃げ切り、疲れ果てながら帰宅した。 

 しかしまさか、麗香がそんな事を思っているとは夢にも思わなかったが、葛城達の事件や帰還者とは関係なく、ホッとする志恩だった。


 果してこのまま終わるのか?






 ブルブルブルブル ブルブルブルブル


「はい、どうかしましたか?」

 葛城刑事からの電話に志恩が出た。時間夜の9時を回ったところだ。ちょうどお風呂から上がり、部屋でリラックスしていたタイミングである。

 葛城刑事の話では、志恩達が潜入した貿易会社リーフライフで働いていた社員は何も知らない普通の会社員だったとのことで、昨日から社長の川口と専務の田端が消息をくらましているらしい。

 葛城達は、今から海岸線にあるリーフライフ社の倉庫に向かっている。

「葛城刑事、大丈夫ですか?俺が行っても、役にはたたないんですが、もしもの時は何か出来ると思いますし」

「大丈夫だ。今日は1課と機動隊も応援で呼んでいる。敵が何人居ようが一網打尽だよ」

「それならいいんですが、0時まであとわずかなんで、何かあれば呼んで下さい」

「心配しなくて、今日は指揮を取るだけだから、危険な事にはならないよ。おっ見えてきた、じゃあ、いい結果を待ってい ドォーーーン うわっ…」


「プー、プー、プー」



今回、学校編が長くなってしまい、アクションと事件を飛ばしてしまいました。次回はもっと上手く書いていきます。すいません。

次回、葛城刑事の安否と犯人には。学校は疲れるよ。

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