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読書と流行りとうっかり

ハルフォンソの街からこんにちは。ティファレトです。

今日はお仕事はお休みでして、昼食の後の読書を楽しんでいるところです。

今読んでいる本は、最近流行りらしい騎士と貴族女性の恋愛の本です。

以前、流行っていたのは王女との恋愛でしたが、流石に無理があったようで早くに廃れてしまいましたね。

ふむふむ......この騎士、誓う事が多くありませんか?

王と国に誓う文言を変えて貴族女性に誓っていますが、最早どれが騎士の誓いなのか分かりません。

それに、全く王族の警護をしている様子がありませんね?

この国の武力は大きく分けて3つ。

1つに王族直属の部隊である騎士。

2つに国営部隊である軍。

3つに民営の荒くれ者集団である冒険者。

それ故に、この物語で騎士の近辺に王族が欠片も出てこないのは大問題なのです。

もしかして、騎士を名乗っているだけの貴族なのでしょうか?それはそれで問題なのですが......。

危機に陥る原因の大半が貴族女性で、それを解決するのが騎士、と。

......どちらも国の為に首をはねたほうが良いのでは?


「......」


この本は外れでしたね。

流行り物と期待したのですが、どうにも私には合いそうもありません。

次の本は......塩で料理を美味しく、ですか。

ふむふむ、やはり料理の基本は塩加減、と。

なんという事でしょう......食材によって焼く前と焼いた後それぞれに塩をかけるタイミングが違う、と。

なるほど、野外で塩が無い時は血も代用になる、ですか。

保存ばかりが塩ではなく、味の基礎を決める調味料でもある、ですか。

それならば、塩漬け水ブドウが甘い果実から酸っぱくなる理由は......書いていませんね。

ふむ、多くの学びが得られる本でした。

アメリアも好きそうな本ですし、会いに行く時にはこの本も持っていくとしましょう。

後は......これは、刺繍の本ですね。

そういえばアーノルドの為にと買って、渡すのを忘れていました。

気づいた事ですし、アーノルドに渡すとしましょう。


「アーノルド、入りますよ」


「あれ?シスター、どうしたの?」


アーノルドは刺繍をしていました。

アーノルドは文字の読み書きも頑張っていますし、恐らくはこの本も問題無く読めるでしょう。


「刺繍の本です。アーノルドの勉強になればと」


「え!?ありがとうシスター!......あれ?最近、本買ってたっけ?」


「......アーノルド用に買ったのを忘れていました」


「......」


「......すみません」


「う、うん。買ってくれたのは嬉しいよ。うん!ありがとうシスター!」


「はい」


喜んでもらえて良かったです。


「刺繍の本以外もありますよ」


「へ〜、どんなの?」


「貴族女性と騎士が国に迷惑をかける本です」


「いらない」


「......」


この本は売りに出しましょう。

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