子の成長は早い
ハルフォンソの街からこんにちは。ティファレトです。
今日も問題無く朝の鍛錬、朝食が終わりまして、これから冒険者ギルドへお仕事を探しに行くところです。
最近は街の外に出ず、工事の力仕事や診療所ばかりですが、これが中々稼ぎになっていて助かっています。
「?」
扉が叩かれていますね、どなたでしょうか?
「どなたですか?」
「シスター、久しぶり」
「あら、ジョンではないですか。久しぶりですね」
「たまには顔を見せとかねぇとってな」
「ジードさんも、こんにちは」
来客はジョンとジードさんでした。
相変わらずの筋骨隆々ぶりに響くような声です。
ジョンは体に厚みが出来ています。それに......。
「また背が伸びましたか?」
「え?そうかな?」
「成長期だからな。こっから更に伸びるだろうよ」
以前は頭が私の肩辺りだったと思うのですが......今は私と変わらない高さになっています。
「シスター、お客さん?あっ!ジョン兄!」
「よっ、アーノルド」
「中で話しますか?」
「いや、気持ちはありがてぇが、今日はジョンを連れて挨拶回りがあってな。勇気づける為に寄っただけですぐに帰るぜ」
「そうですか」
「ち、父上!」
勇気、ですか。ジョンは緊張をしがちですし、必要な事だったのでしょう。
「それなら」
「ちょっ!?シスター!」
ここで住んでいた頃、勉強や鍛錬が上手くいかなくて悔しがっていたジョンにしていた事をします。
つまり、頭を抱きしめます。
「勇気は出ましたか?」
「〜〜〜ッッッ、出たよ!これでもう大丈夫だ!」
「ガハハハハ!そいつは重畳。来た甲斐があったってもんだ!」
「ジョン兄......」
「アーノルド、お前もいつか絶対同じ事になるからな?」
「うぇ......」
「そういやぁ、ティファレト。お前さんはどっからそんな行動の知識を身につけてんだ?」
「本に書いてありました。子どもが泣いている時や辛い時は抱き寄せると良いと」
「なるほどな......良い母親してんじゃねぇか」
「そうなのですか?」
「ああ」
自覚はありませんが、ジードさんが言うのですから良く出来ているのでしょう。
「さて、ジョン、そろそろ行くか」
「はい!」
どうやら挨拶回りとやらに行く時間のようですね。
「ジョン、病気をしてはいけませんよ」
「シスター......おう!」
「寄生虫に寄生されたら、ここに来てください」
「......おう」
少し肩を落としたジョンと笑うジードさんを見送ります。
さて、私もお仕事に向かいましょう。
どうしました?アーノルド。
自分の時は抱き寄せるのはいらない?何故です?




