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魔術は皆の憧れ

ハルフォンソの街からこんにちは。ティファレトです。

今日のお仕事が終わり、冒険者ギルドに報告に来たところです。


「俺達も使いてぇええ!」


「俺も魔術さえあれば」


何名かの冒険者が絶叫をしていますね。珍しくも無いので無視しましょう。


「あ、ティファレト。やっほ〜。今日は上がり?」


「こんにちは、ツィツィーさん。これから教会に帰るところです」


「よっ」


ツィツィーさんがお酒片手にザバンさんとお肉を食べていました。

どうやら番として上手くいっているようで何よりです。


「そっちの姉ちゃん達も魔術が羨ましいよな!な!」


「え?何?」


「どなたですか?」


さっきの絶叫していた人でしょうか?ボサボサの頭を振り乱して男性が私達に話かけてきました。


「俺だって魔術さえ出来れば銅になれるんだよ!そう思うよな!?」


「何だこいつ?酔ってんな」


「誰だっけ?」


「私にも分かりません」


困惑している私達をよそに男性が続けます。


「どうせ銅階級なんざ魔術が出来るからなれるんだ!魔術が無けりゃ大した事ねぇのさ!」


「ちょっと......」


「おいテメェ」


「なん......ぶげ!?」


ツィツィーさんが何かを言う前にザバンさんが男性の顔を机に叩きつけました。


「良いか?良く聞け。魔術なんざ銅階級の基準にはならねぇ。銅階級の連中が銅階級なのは、それに相応しい実力と知識、礼儀を持ってっからだ」


「ぐ......ぐぐっ」


「俺の嫁さんもティファレトも、魔術は使えねぇが銅階級だ。だが、俺は魔術を使えるが鉄階級だ。それぐらいには魔術の有無なんざ関係ねぇんだ」


「ザバンさん、使えるのですか?」


「ザバンは離れたところに音が出せるよ〜」


陽動に使えるような、そうでないような、使い所を選びそうな魔術ですね。


「分かったら、せっせと基礎を積み上げるんだな。まぁ、お前じゃ無理だろうが」


「ク、クソッ!覚えてやがれ!」


男性が頭を押さえながら冒険者ギルドを出て行きました。


「俺に抑え込まれるようじゃ、銅階級なんて夢のまた夢だ」


「ザバンって戦闘センス無いもんね〜」


「うっせ、俺は陽動と解体が上手いから良いんだよ」


「うん、助かってる」


「それにしても魔術ですか。やはり、憧れるものなのでしょうか?」


「そりゃあ、手数増えるし、使えるんなら便利じゃない?」


「奇跡も良いものですよ?」


「遠慮しとく」


「俺は魔術でいいわ」


「......」


今度、大々的に冒険者ギルドで奇跡の良さを宣伝するべきでしょうか?

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