最も信徒が必要とされる相手(前編)
ハルフォンソの街からこんにちは。ティファレトです。
今日もお仕事を探しに冒険者ギルドへとやってきました。
「こんにちは、ロールさん」
受付嬢であるロールさんに挨拶をします。
「こんにちは、ティファレトさん。依頼の確認ですか?」
「はい」
「それでしたら、是非ティファレトさんに受けていただきたい依頼があります」
「どれですか?」
「こちらになります」
「......なるほど」
亡者の駆除、確かに私向きの依頼です。
【亡者】
人間が死んだ後、肉や骨が多く残った者が時間を経て別の何かになった存在です。
骨が剥き出しになった動く死体といった様子で、生きた人間を認識すると殺しに来ます。
力の強さもそうですが、最も厄介なのは高い再生能力。
基本的には全身を焼くか、何度もバラバラにしないと活動を停止させられない為、疲労との戦いになります。
幸い、動きは非常に遅いので逃げるのは難しくなく、こうして依頼が出されては適した者が達成するといった流れがほとんどです。
「受けましょう」
「ありがとうございます。確認されている数は3体で、場所はハルフォンソからグリテン平原に入ってすぐです」
「わかりました」
それでは依頼達成の為に、仲間を募るとしましょう。
丁度良くレシートさんがいますね、声をかけてみましょう。
「こんにちは、レシートさん」
「こんにちは!ティファレトさん」
「レシートさん、亡者の駆除を手伝ってくれませんか?数は3体です」
「亡者3体?俺達だけじゃ大変じゃないか?」
「奇跡の時間を稼いでくれれば、私が一掃出来ますので、レシートさんには前衛をお願いしたいのです」
「......なるほど。分かった!俺に任せてくれ!」
「ありがとうございます」
実に頼もしいですね。
それでは、いざ、グリテン平原へ。
「そういえば、亡者って何なんだろうな?」
「......何なのでしょう?」
死体が時間を経てなるのは知っていますが、そもそも何故そうなるのかは全く知りません。
私が亡者について他に知っている事といえば、神が忌み嫌っている事ぐらいです。
「焼いたら大丈夫っていっても、大体が森とか平原に出るから火を使えないんだよなぁ」
「そうですね」
「ま、アイツらに捕まる事は無いから、とにかくティファレトさんに近づけさせないようにするよ」
「お願いします」
奇跡の行使さえ出来れば、信徒が亡者に遅れを取る事はありえません。
私としても亡者は赦されざる相手ですので張り切っていきましょう。
死は、死のままでいなければなりません。




