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最も信徒が必要とされる相手(後編)

グリテン平原からこんにちは。ティファレトです。

ロールさんはグリテン平原のハルフォンソ側だと言っていましたが......いましたね。


「うわっ、臭い酷いな」


擦り切れ汚れた服、血が乾き、筋繊維と骨が剥き出しになった体、濁った瞳と空になった眼窩。

見間違えようもなく、亡者です。

他の生物も忌避しているからか、この3体の亡者の周りに生物の気配はありません。


「とにかく、近寄らせなきゃ良いんだよな?」


「はい」


「分かった。頼むぜ!ティファレトさん!」


レシートさんが亡者へ猛然と進み、籠手で頭や手足をひしゃげさせ、砕いていきます。


「神よ......」


それを確認し、私は跪いて神へと祈ります。


「うおっ!?再生しながら暴れてきやがる!頭砕いたのに動いてん、なよ!」


目を閉じ、祈りを深めると共に腐臭が消え、風に乗る音も消え、意識すら曖昧になり、私の全ては玉音を受け入れる器となります。

多くの愚痴と怒りを聴いた後、私の祈りは届き、矢のように鋭い許可を賜ります。


「死は生に能わず......」


目を開いて立ち上がり、両腕を頭上に伸ばして収束する光を留め。


「受容せよ......慈悲〈そうそう〉」


光を両手で握りしめ、顔の前で広げて開放した瞬間、波打つ光がレシートさんもろとも亡者を包み込み。


「うおおおお!?......お?」


亡者は肉片一つ残す事無く灰になりました。


「すっげぇ!もう再生しないのか?」


「はい」


「あの厄介な再生ごと駆除出来るんなら、そりゃティファレトさんをロールさんが待つわけだ」


「私がハルフォンソに来るまでは、再生の限界まで四肢を砕いては飛び散る臭いに悶絶していたそうですよ?」


「想像したくねぇ......そういえば、俺からも臭いが消えてるな」


「亡者の一切を赦さない奇跡なので。神は亡者が嫌いなのです」


「へー」


その後はレシートさんと話しつつ、ロールさんに報告して報酬を分けました。


「そうです、レシートさん」


「ん?」


「今度、一緒にサウナに行きませんか?」


「サササササ、サウナ!?」


「はい。最近のレシートさんはあまり休めて無さそうなので」


「......心配かけちまったか」


「心配......そうですね、心配です」


生物に休息は必要です。


「分かったよ。いつにする?」


「明後日はどうでしょう?」


「明後日か。うん、大丈夫だと思う」


「では、その日に。そろそろアーノルドが待っているので帰りますね」


「あ、あぁ!ティファレトさん、今日もありがとな!」


「はい。レシートさんも、ありがとうございます」


明後日はレシートさんとサウナですね。

そういえば、これもデートなのでしょうか?

買い物や食事では無いのですが、男女一緒ではあります。

ふむ、難しいですね。帰ったらアーノルドに聞いてみましょう。


「デートだよ」


デートでした。

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