上には上がいる
ハルフォンソの街からこんにちは。ティファレトです。
「......」
「そこに置くとこうだぜ?」
「あっ」
今日もお仕事なのですが、依頼開始までに時間がありますので、ツィツィーさんの夫であるザバンさんとリバーシをしています。
「......参りました」
「うーん、ティファレトも駄目かぁ〜。ザバン強くない?」
「つっても、俺もジードさんには敵わねぇし、ジードさんと互角のミリアーネにも言わずもがなだしな」
「実戦なら先々まで読めるのになぁ」
「ま、実戦とじっくり考える盤上は違うわな」
「ダーツさんには勝てるのですが......」
「ティファレトの所の子達はどうなの?」
「アーノルドはとても強くて、私では全く相手になりません」
「全くか?そりゃ強いな」
私は冒険者ギルドで真ん中ぐらいのリバーシの強さですが、その私ではアーノルドの相手になりません。
はて?アーノルドは結局、どのぐらい強いのでしょうか?
「よろしければ、今日、お仕事終わりにアーノルドとリバーシをしてみますか?」
「お?それじゃあ、後で教会にお邪魔するか。ツィツィーはどうする?」
「私も行く〜」
そうして、それぞれが無事にお仕事を終え、ザバンさんとツィツィーさんの夫妻が教会へとやって来ました。
「邪魔するぜ」
「やっほ〜」
早速アーノルドを呼びましょう。既に話はしてあります。
「アーノルド、ザバンさんとツィツィーさんが来ましたよ」
声を掛けると、自室からアーノルドが出て来ました。
「こ、こんばんは」
「おう、久しぶりだな。こんばんは」
「アーノルド君、こんばんは〜。この前の刺繍ありがとね!」
「う、うん!」
「よーし、それじゃあ始めるか!」
ザバンさんの合図と共に、アーノルドがジードさんから貰った豪華なリバーシを長椅子に置きます。
「なんか......豪華じゃない?」
「ジードさんから貰いまして、本来は娘さんのものなのだとか」
「親馬鹿過ぎでしょ」
私達が話をしている間にも、ザバンさんとアーノルドの戦いが続きます。
アーノルドが優勢なのは何となく分かりますが、もはや実力が違い過ぎて漠然とした内容しか分かりません。
「何してるか分かる?ティファレト」
「全く分かりません」
「私も」
それでも終盤になれば色の多さの違いが如実に表れる為、私達でも分かるようになります。
「参りました......だー!負けたー!こりゃ駄目だ、勝てねぇ!」
「やった!」
「うわ、ザバン負けちゃった」
「お見事です。アーノルド」
「下手したらジードさんよりも強いかもしれん」
「そんなに?」
今度、ジードさんとも戦ってもらいましょう。
「アーノルド、今日はお肉を多めにしましょう」
「え!やった!」
「お二人も食べていきますか?」
「良いの?それじゃあ貰おっかな」
「負けちまった事だし、手伝うよ」
その後は4人で夕食を食べました。
それにしても、アーノルドはザバンさんでも歯が立ちませんか。
相手が私だけではつまらないでしょうし、アーノルドの為にも、定期的に強い人を教会に呼ぶべきでしょうか?




