確かな愛情
王都からこんにちは。ティファレトです。
今、私とアーノルドは馬車で第三王子殿下の宮近くまで向かっています。
「うわー、ハルフォンソと売ってる物が全然違うね!」
特に問題無く門を通り、少し歩くとすぐに第三王子殿下の使者の人に見つかり、馬車に乗るよう言われたので乗りました。
ハルフォンソの馬車とは乗り心地が随分と違いますね。揺れが少ないうえに座面が柔らかいです。
「到着致しました。こちらへ」
「はい」
馬車の扉が開き、使者の手を取って降ります。もちろん、アーノルドも同じように。
「シスター!アーノルド!」
「こんにちは、アメリア。元気そうで何よりです」
「久しぶり!アメリア!」
降り立った直後、走ってきたアメリアを抱きとめます。
記憶よりも大きく、少し重くなっていますね。ちゃんと食事を摂れているようですね。
「コホン......」
「あ......え、えっと、シスター、アーノルド。私に仕事を教えてくださっている侍女長です、わ」
「こんにちは、ティファレトです」
「こ、こんにちは」
「こんにちは。第三王子殿下の宮の侍女長を務めておりますシンシアと申します」
切り揃えた黒髪の女性が教養を感じさせる姿勢で挨拶をします。
なるほど、彼女がアメリアの今の保護者なのですね。
「アメリアは良く仕事を出来ていますか?」
「まだまだ粗削りですが、教養ある淑女へと邁進しています」
「良かったです」
しっかりと頑張れているようですね。
「アメリア、お土産です」
忘れないように塩料理の本を渡しておきましょう。
「え?わっ!ありがとう!」
「あ、僕からはこれ」
「相変わらず器用ね、ありがとう!」
アーノルドからはハンカチですね。
随分と刺繍が凝っていますが、ハンカチとして使えるのでしょうか?
「暫くは王都にいるの?」
「いえ、明日には戻ります」
「そう......ねぇ、シスター」
「はい」
「私、頑張るから、シスターも無茶しないでね」
「はい」
「アーノルドも」
「今度ジョン兄にも伝えるよ」
「思い出しました、アメリア。教えて欲しい事があるのでした」
アメリアに会うのも目的ですが、もう一つ目的があるのです。
「雰囲気が台無しなんだけど......何?」
「スープやお肉の味付けを教えてくれませんか?私が作ったものはアーノルドがしょっぱいと言うのです」
「ふふっ、分かったわ。中に入って。厳しく教えてあげる。侍女長、良いですわよね?」
「ええ、今日は1日休日にしておきますから、楽しんでおいでなさい」
「ありがとうございます」
アメリアが洗練されているように見えるお辞儀を侍女長にしています。
恐らくは何度も繰り返した動きなのでしょう、動きに淀みがありません。
「ほら、シスター、アーノルド、こっち!」
アメリアの授業はとても厳しく、とても学びのあるものでした。
あの、何度聴いても見ても焼き色の違いが分からないのですが......茶色と茶色じゃありませんか?
「全然違うわよ!ほら、今!」
「はい」
もしかして、寝るまで授業ですか?
はい......ここでひっくり返して......はい。




