王都へ向かおう
ハルフォンソの街からこんにちは。ティファレトです。
以前、第三王子殿下に宛てた手紙の変身が来まして、どうやらアメリアに会いに行っても大丈夫らしく、アーノルドと準備をしている所です。
「あまり多くは持ち運べませんよ」
「うん。お金と、裁縫道具と......あとは大丈夫だね」
2人分の食糧、武具、お金、アメリアに渡す本......私も準備完了です。
どうやらアーノルドはお小遣いも持っていくようですね。恐らくは刺繍道具を買うのでしょう。
あまり多くは渡していませんし、予算が不足するようなら、お値段次第ですが私が買いましょう。
「どの馬車に乗るの?」
「乗りません」
「え?」
「私がアーノルドを背負って走ります」
「ええ!?」
「王都までの距離なら馬車に乗るよりも速いですし、お金もかかりませんからね」
「獣とか大丈夫なの?」
「通るのはグリテン平原の側ですので大丈夫です」
あの付近の生物なら苦戦もしません。
「王都までどれぐらいなの?」
「馬車だと2日ですが、走れば1日です」
馬車は荷物の運搬の都合上、速度を出す事が出来ません。
その点、身一つの走りならば体力の続く限りは速度を出せるので、私の体力ならアーノルドを背負いながらでも1日で着けます。
この方法は体力のある兵士や冒険者がよく行う方法で、門番に怪しまれる事もありません。
「それでは、アーノルド」
アーノルドの前で背を向け屈みます。
「......街を出てからでもよくない?」
「......それもそうですね」
先走りました。
ひとまずは手を繋いでハルフォンソ出入り口の門まで行きます。
「お?子どもも連れてるのは珍しいな?どこ行くんだ?」
「巣立った子どもに会いに王都まで行きます」
「なるほどな。子どもがいるんだから危険な事はするなよ」
「はい」
門番さんに挨拶をして、アーノルドの前で屈みます。
「じゃ、じゃあ、シスターよろしくね」
「はい。しっかり掴んでおくのですよ?」
「うん!」
アーノルドが私に乗ったのを確認し、立ち上がり、走ります。
「うわわわわ!」
「あまり声を出すと舌を噛みますよ」
「は、速い〜!」
振り落とさないよう、アーノルドを支えつつ体勢に気を配って走ります。
今のところは大丈夫そうですね。
「アメリアに会うの楽しみだね、シスター」
「......そうですね」
楽しみ、そう、楽しみですね。
アメリアは私が持ってきた本を喜んでくれるでしょうか?




