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ゲームのような世界で、私がプレイヤーとして生きてくとこ見てて!  作者: カノエカノト


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第九八二話 連絡と検証開始

「さぁソフィアちゃん、ぬぎぬぎしましょうね~」

「な、なんですかミコトさん、気持ち悪い」

「ストレートな罵倒! でも幼女ソフィアさんなら許せる。むしろご褒美まである!」


 大浴場前の脱衣所。

 まじかる☆そふぃあこと、魔法少女化したソフィアさんの衣装をニヤニヤしながら脱がしに掛かる私。

 入浴するには脱がなくちゃならない。どうせ脱ぐなら脱がせたって良いはずだ。そうだろう!?

 脱がせたって良いのに脱がさないなんて損じゃないか!

 というわけで、ソフィアさんを脱がそうと服の裾をグイグイする私と、顔を引き攣らせて抵抗してくるソフィアさん。

 それを一歩引いた所から見守るオルカとゼノワ。イクシス邸は今日も平和です。


「ミコト、絵面が酷いことになってる」

「え、酷いって何がさ?」

「顔面にモザイクの掛かった全裸のミコトが、幼女の服を脱がそうと乱暴しているように見える」

「ガウガウ!」

「おぉ……それは確かに酷い」

「理解したのならやめて下さい!」

「だがやめない! 毒を食らわば皿まで! 人を呪わば穴二つってね!」

「その言葉、絶対誤用ですよね!?」


 以前から気になっていたことがあったんだ。

 魔法少女衣装、そのスカートの中。小癪なことにペチパンツなんてデフォルトで付いてくるわけだ。

 そりゃ動き回っても下着が見えないっていうのは有り難いけども。しかし、だからこそ。

 ペチパンツの下、どんなパンツを穿いてるのか、気になって仕方がないわけである。ハイレさんだってきっと同じ気持ちだ。何なら直に訊かれたし。

 なので私は、ソフィアさんをひん剥いてそれを確かめようというのだ。


「未知の探究。それは冒険者の使命!」

「全世界の冒険者に、今すぐ謝罪して下さい! とんでもない冒涜ですよ!」

「ごめんなさい! でも私の行動に理解を示してくれる人は、きっと少なからず居ると思うんだ!」

「居て堪りますかそんなもの!!」

「居るさ! 私はそう信じてる!! そしてそんな同志たちのためにも! こんなところで負けるわけには行かないんだぁ!!」

「ミコト、テンション高いね」

「ガウ」


 フェイントにより生じた一瞬の隙を突き、ガッとソフィアさんのスカートに手を突っ込む私。

 そして、掴んだそれを勢いよく膝まで下ろした、その瞬間である。

 ポンッ! と。さながら変化が解けた狐だか狸のように、元の姿へ戻ったソフィアさんが目の前に居り。

 私はそんな彼女のズボンとパンツを、膝までずり下げた状態でフリーズ。

 目の前には、モザイク無しには見られないようなアレがあり。なんか、とんでもなく気まずい。

 視線を上げる。顔を真赤にしたソフィアさんと、バッチリ目が合った。表情筋が死にがちな彼女にしては、珍しい顔。


「……気は、済みましたか」

「……一瞬だけど、バッチリ見た。パステルカラーの薄緑」

「何の報告ですか!」


 振り下ろされた拳骨は、【自動回避】のスキルが働き避けることが出来た。

 私としては謹んで受けるつもりではあったのだけど、よく考えたら全裸である。全裸の私がカンストステータスのソフィアさんに拳骨なんてされようものなら、頭がパンと弾けかねない。

 あって良かった自動回避……九死に一生を得たよ。




「あ、そうだミコトちゃん。クマちゃんへの連絡は私の方からしておいて構わないか?」


 浴室。駄々をこねたり脱衣所ではしゃいだりしていたせいで、食事を終えた他の皆に追いつかれ、一緒に入浴している現在。

 イクシスさんからはそんな確認の問い掛けがあり。どうやら彼女自身、クマちゃんに用事があるようで、そのついでに今回の件を報告してくれるつもりのようだ。

 勿論報告する内容については、ギルドに渡っても大きな問題にはならないような情報を選んで、ぼかしつつ語るつもりだ、とのこと。有り難い配慮である。

「うん、そういうことならお任せするよ。ああでも、契約スキルに引っかからないようにだけ気をつけて」

「ああ、分かっているとも」

 念のため、一応注意を促しておく。

 悪気の有る無しに拘らず、契約スキルは違反しようとすると警告を発するからね。私自身、他者に話をする際には注意する必要がある。


「それじゃ私も、今のうちに工房組へ連絡を入れておこうかな」

「むむ。そうやってまたスキル検証を後回しにするつもりですか!」

「入浴中に連絡を済まそうっていうんだから、効率の良い立ち回りじゃない? っていうか、だったらソフィアさんも報告念話に参加してよ」


 正直、心配かけてごめんなさい! って連絡をしようっていうんだ。一人じゃちょっと心細いっていうのもある。

 それに話を早く済ませたいソフィアさんが一緒なら、変に長引くこともないだろう。

 その様に説いてみたなら、どうやら一理あると認めてくれたようで。ならばさっさと済ませてしまおうと、早速工房組、具体的にはオレ姉、ハイレさん、ゴルドウさん、チーナさんの四人に私、ソフィアさんを加えたグループ念話を繋いだのだった。


『こんばん』

『ひゃぁぁっ!? ……あ? な、なんだい、もしかして念話かい!?』

『うっさいわ! いきなり叫ぶやつがあるか!』

『まぁまぁおじいちゃん』

『あら、久しぶりじゃない。念話繋がるようになったのね。それで、今宵のパンツは何色かしら? 今宵と言わず、過去一ヶ月分くらいまとめて教えてくれてもいいのよ?』

『…………』


 ……めっちゃ出鼻を挫いてくるじゃん。こんばんはすら言わせてくれない。

 しかしまぁ、いつも通りと言えばいつも通りだろうか。ならば圧倒されている場合じゃない。


『ええと、白のモノリス再調査から帰ってきました、どうもミコトです。ソフィアさんも居るよ』

『お構いなく』

『ミコトさん、ソフィアさんもご無事だったんですね! 再調査の件は聞いていましたけど、念話は通じなくなるし、ミコバトにも入れなくなっちゃうしで、皆さんに何かあったんじゃないかって心配してたんですよ!』

『そうさね、調査に向かったその日に音信不通ってんだから、流石にね。一体何があったんだい?』

『よくぞ訊いてくれました!』


 どの様に切り出そうかと考えていたら、オレ姉からドンピシャの問い掛け。渡りに船とはこのことか。ちょっと違うか。

 私とソフィアさんは、彼女たちへ向けてことのあらましを語って聞かせた。

 工房組は今や、部外者とも言えない間柄であるため、必要以上に内容を伏せることもない。

 ただ、ウェブデさんの件だとか、そういう“もしかすると知らないほうが良いこと”は、訊かれてもないのに話すべきではないとして、一応伏せておいた。

 情報漏洩の危惧っていうより、なんか、こう……余計なことを知ってしまったがゆえに、運営側に目をつけられる!

 みたいなことになったら大変だから。そこら辺は慎重であるべきだろう。念のためにね。


『ってわけで、ご不便をおかけしました! 今日からはまた、へんてこスキルは普通に使用可能なので、ご安心下さい! っていう、謝罪と報告でした』

『以上です。ミコトさんはこの後、新たに得たスキルの検証を行うので、質問等はまた日を改めてお願いします』

『なんじゃい、忙しないのぅ』

『せめてパンツ! 今日穿いているパンツの色だけでも!』

『くっ……残念ですが、ミコトさんは換装を使って着替えるので、未確認です。明日調べておきます』

『ソフィアさん?!』

『あら、同志かしら!?』

『いいえ、ささやかな報復です』


 さっきの件、どうやら根に持っているようだ。思わぬところで繋がりが生まれてしまったようで、ソフィアさんを念話に参加させたことをちょっぴり後悔。

 とは言え、話がスムーズに済んだのも事実なので、まぁよしとしておこうか。

 あと、明日は下半身注意報発令だ。ソフィアさんの接近には十分注意を払っておかねば。


 そんなこんなで念話を終え、お風呂を上がった私たち。

 冷たい飲み物でも……なんて悠長をソフィアさんが許してくれるはずもなく。背中をグイグイ押され、鍛錬室にシュートされてしまった。

 師匠たちには、案の定捕まったから帰りが遅くなる、という旨を連絡しておき、一応準備は完了だ。

 自分のベッドに腰を下ろし、横になり。恐い顔で見下ろしてくるソフィアさんに急かされながら、大人しくトレーニングモードへとダイブするのだった。



 ★



 トレーニングモード。どこまでも続く平らで無機質な地面と、色味のない空。

 規則正しいグリッド線の上には、久方ぶりに見るトレモちゃんが今日も今日とてファイティングポーズを決めており。

 そのあまりにいつも通りな光景に、なんだか不思議な安心感を覚える私である。

 ブラックトレモちゃんと戦ったことで、ワンチャン何かしら変化があるかと少し身構えていたりもしたのだけど、パッと見た感じそれらしい違和感は感じられない。

 まぁ、何かあるとしたら既に誰かしらが発見しているだろう。私より皆のほうが、ミコバトには詳しかったりするしね。


 そのようにしばらくぶりの景色を眺めていると、パッと現れたのはソフィアさん。

 ばかりか、オルカやプチゼノワもやって来た。

 ミコバト内に無理やり侵入を果たしたゼノワは、能力をさっぱり使えないプチゼノワとして、この仮想空間に顕在化しており。

 これによりミコバト内でのマスコットキャラの座は、トレモちゃん、フゥちゃん、プチゼノワが覇権を争っている状態にあるとかないとか。


「何をボーッとしているんですかミコトさん。ほら、早速スキル検証を始めますよ!」

「え、あ、はい」

「ミコト頑張って」

「グラグラ」


 ソフィアさんに思考を引き戻され、一先ず確認するのは超必殺技ゲージの状態。

 リアルだとずっとフルチャージのまま放置されているゲージだけど、今は……うん。空っぽだ。

 体調が悪くても仮想空間内でなら、本来のパフォーマンスが発揮できるのと同じように、超必殺技ゲージもデフォルトの状態に戻された、と見るべきだろうか。

 一応ソフィアさんにそのことを報告すると……。


「ならばゲージにスキルをセットして、はやく溜めて下さい」

「何のスキルをセットしようか?」

「現実では何をセットしていたんですか?」

「何だっけ。確か、【ライトニングボルト】だったかな?」


 超必殺技ゲージの使い方。

 先ず、ゲージにアーツスキルないし、マジックアーツスキルを一つセットする。

 攻撃を繰り出したり、ヒットさせたり、ガードしたり回避したり。っていう戦闘行動を行う度に、じわじわとゲージが溜まっていって、マックスまで溜まったら準備完了。

 セットスキルを、超必殺技として繰り出すことが出来る……らしい。


「でしたら、同じくライトニングボルトで良いでしょう。リアルで用いる際の参考にもなるでしょうし」

「了解。紐づけ紐づけっと……」

「グラグラ」

「出来たなら、トレモちゃんとスパーリングです。ついでに【チャージ】の性能を見せてもらいますよ」

「合理的だなぁ。了解だよ」

「ダメージカウントが表示されるトレモちゃんは、確かにうってつけの相手」


 斯くして、ソフィアさんの設定通り、徒手空拳を武器に襲いかかって来るトレモちゃんと、スパーリングを開始する私。

 さて、【チャージ】の使い勝手や如何に!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新お疲れ様です。 なんでしょうねソフィアさんとミコトの関係···単純な夫婦(?)では絶対にないんですよね、熟年夫婦の関係に姉妹関係と母娘関係を混ぜ込んでこねたよう···とでも言うか。オ…
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