十人抜き 二人目
一人目を倒した。あまりにも呆気ない。まさかパンチ一発で終わってしまうとは。
そんなことを考えながら白棒は拳を体に引き寄せ、体制を立て直した。
この調子ならすぐに決着はつくかもしれない。
カウントは十から九にへっていた。
しばらく待っていると、地面が振動し始めた。
白棒の目の前、丁度黒棒が倒れた所の地面が盛り上がり・・・。
バガァ!という轟音と共に新たな棒人間が姿を現した。
黒い棒人間・・・しかし頭に角のようなものがはえている。
さっきのよりは骨がありそうだ・・・。
そう考えつつ、白棒は角のはえた棒人間(以下角棒)に殴りかかった。
さっきと同じモーションなのは角棒の強さを確かめるためだ。
これが受けられないようなら、このあとに出てくる棒人間にもあまり期待出来ないだろう。
しかしそんな白棒の考えは数秒で砕かれた。パンチがあたる直前━━━角棒が消えた。
白棒の拳は盛大に空振り、大きくつんのめる。
そして、衝撃。
背後からの不意討ちに、体のバランスが崩れていたのも相まって白棒ははね飛ばされた。地面に手をつけて減速するが、体が止まる気配はない。
この世界において、棒人間の重さは、能力にもよるがほとんど同じである。
攻撃の威力は棒人間の重さにスピードや物理的な位置関係、攻撃の種類(パンチ、キック等)とその他の能力で決まる。
どんな攻撃を受けたにせよ、ここまで白棒がはね飛ばされるのは体制や不意討ちだけでは説明がつかない。
すると、何らかの能力を使ったことになるのだが・・・。
やっと停止した体を起こし、再び角棒を見据える。
角棒は無表情で・・・もともと表情なんてないのだが・・・こちらを見据えていた。
この距離なら追撃をすることもできたはずだ。それなのに見ているだけなのは、なめられているからなのか・・・?
だとしたら、許せない。
白棒は再び大地を蹴って角棒との距離を詰める。さっきの数倍の速さで。
結果は━━━━━━
ゴシャ、という音が響き白棒がぶっ飛ばされた。
突進が速かったぶん、カウンターはより強力なものになっていた。
だが、わかったこともある。
角棒が消える直前、角棒の背丈が低くなるのだ。
━━━━━━今度こそ
白棒は角棒に突っ込んでいく。そして拳の軌道を・・・
地面に、あてた。
大地が振動し、消えた角棒が地中からとびだしてきた。
角棒の能力・・・それは、[地中を掘り進む]だったのだ。
まったく、何故こんなことに気がつかなかったのか・・・思えば、角棒は地面から姿を現したではなかったか。あの時点で角棒の能力は明かされていたのだ。
あの理不尽な攻撃力は、多分その応用だろう。
なんてことを考えながら、白棒は止めをさした。
なんか長くなりました。
このシリーズはしばらく続きます。気が向いたらまた読みに来てください。




