第31話
午後は制服とパーティ用ドレスの試着に充てられた。
まず学園の制服から。
青を基調としたブレザーに白いブラウス膝丈のプリーツスカート。
リボンタイが清楚で王立学園らしい上品なデザインだ。
鏡の前で軽く裾を摘まんで――くるり、と回ってみる。
スカートがふわりと広がりリボンタイが可愛く揺れる。
(わ、私……結構似合ってるかも!)
にやっと笑みがこぼれポーズを取ってみる。
後ろで見守っていたマリアが嬉しそうにぱちぱちと拍手。
「お嬢様、まるで絵画から抜け出してきたようですわ!」
母も満足げに頷き目を細めて微笑んだ。
次は殿下から贈られたドレス。
マリアと母に手伝ってもらいながら丁寧に着せてもらう。
オフショルダーのラインが肩を優しく露わにし、淡い青から深い藍へと移ろうグラデーションが肌に溶け込むように美しく映えた。
そして以前殿下から贈られたあの淡い青の宝石の髪飾りを付ける。
――キラキラ。
長い黒髪が流れ落ち宝石が光を受けて輝く。
ドレスの藍色が肌に溶け込み、殿下の瞳のような深みを帯びていた。
(これ……私、ほんとに綺麗……!)
両手でスカートを軽く持ちゆっくり一回転。
ドレスが揺れ心まで浮き立つ。
母が近づいてきて肩に手を置いた。
「エリシア、本当に美しいわ。殿下もきっと……目を離せなくなるでしょうね」
その優しい言葉に指をもじもじと絡ませた。
「お母様……ありがとうございます」
夕食を終えて部屋に戻ったエリシアはベッドに勢いよく倒れ込んだ。
天蓋付きのベッドが体を受け止め柔らかなシーツの感触が心地よかった。
窓の外には王都の夜景が美しく広がっている。
遠くで魔法の灯りがきらめき街全体を幻想的な光で包んでいた。
「……明日から本当に学園生活なんだ」
小さく呟きながら胸に手を当てた。
心臓が期待と少しの緊張で速く鳴っている。
レオンハルト殿下と毎日会える。
同じクラスで一緒に授業を受けて休み時間に話して――そして夜のパーティで、二人でダンスを踊る。
カイルもいるしセレナちゃんにまた会えるかもしれない。
新しい友達面白い授業きっとたくさんあるイベント……。
胸の奥が期待でいっぱいになってなんだか眠れそうにない。
(殿下とのダンス絶対に成功させる……)
エリシアは枕を抱きしめ幸せなため息を漏らしながら目を閉じた。




