監査と猫と責任問題
翌朝、さらに増えて12匹となった猫たちを前に頭を抱えるミカ。そこへ「謎の猫が大量発生している」という通報を受けた監査官が「バンッ!!」と勢いよく突入してくる。
橘隊長に「猫誘引体質」の疑いがかけられ、さらに15匹まで猫が分裂(?)増殖するパニックの中、ミカは「人間の処理能力を超えました」と諦めモードに。猫たちが再び整列して橘に敬礼を決めるカオスの中、駆けつけた飼い主たちによって一斉に回収されていく。
「人災です」と橘をバッサリ斬り捨てるミカだったが、騒動が去った後の静けさに「寂しいな」と漏らす橘に呆れつつも小さく溜息をつく。そして書類仕事へ戻ろうとした矢先、遠くから最後の一匹の鳴き声が聞こえてきて……!?
「第4話 監査と猫と責任問題」
(隊舎・翌朝)
ミカ
……嫌な予感がします
(確信)
橘
おはよー副長
ミカ
その肩の上のそれは何ですか
橘
猫
ミカ
“また増えてませんか”
橘
んー……増えてるかもしれん
猫(肩)
「にゃ」
ミカ
もう“かもしれん”で済ませないでください
(足元)
猫9 「にゃ」
(机の下)
猫10 「にゃ」
ミカ
………………
ミカ
数えました
橘
早いな
ミカ
10秒で12匹確認しました
橘
優秀だな
ミカ
優秀さを猫に使いたくありません
(その時)
バンッ!!
監査官
隊長!!報告を!!
橘
あ、監査だ
ミカ
来ましたね最悪のタイミングが
監査官
“隊舎内に謎の猫が大量発生している”という通報が!!
ミカ
事実です
橘
事実だな
監査官
原因は!?
橘
さあ?
ミカ
またそれですか!!!!!!
監査官
「さあ???」
ミカ
こっちが聞きたいです!!!
(猫たち、一斉に監査官を見る)
猫たち
「にゃ」
監査官
……なんか懐かれてるな
橘
そうなんですよねー
ミカ
そんな軽い現象じゃありません
監査官
(冷静にメモ)
隊長、あなた“猫誘引体質”の疑いがあります
橘
え、なにそれ新属性?
ミカ
そんなゲームみたいな扱いしないでください
(その瞬間、猫の山が一斉に動く
猫たち
「にゃああああ」
監査官
増えてないか!?
ミカ
増えてます!!!!
橘
あー……分裂期かも
ミカ
何の生態ですか!!!!
(猫13、14、15出現)
ミカ
……もうダメです
橘
諦め早くない?
ミカ
人間の処理能力を超えました
監査官
とりあえず隔離を……
ミカ
それやりました
監査官
「失敗した?」
ミカ
成功した試しがありません
(沈黙)
監査官
……一応聞くが、隊長
橘
はい
監査官
これ、あなたのせいでは?
橘
たぶん違う
ミカ
たぶんじゃないです
監査官
断言してくれ
橘
じゃあ違う
ミカ
その自信どこから来るんですか
(猫たち、突然整列)
ミカ
……また始まった
橘
あ、これ俺待ちだわ
ミカ
やめてくださいその適応能力
猫たち
「にゃっ!」
(敬礼)
監査官
……軍事訓練でもしてるのか?
ミカ
違います
橘
たぶん俺リーダー
ミカ
たぶんじゃなくて絶対違います
(そこへ遠くから声)
飼い主たち
「すみません!!猫回収に来ました!!」
猫たち
「にゃー!!(全力退避)」
ミカ
……逃げた
橘
速いな
ミカ
訓練されてますねこれ
監査官
……つまり?
ミカ
ただの迷子と訓練と隊長の混線です
橘
混線ってなに
ミカ
人災です
橘
ひどい
(猫たち全回収されていく)
猫15
「にゃー」
ミカ
……静かになりましたね
橘
うん
ミカ
書類やりますか
橘
え、まだ覚えてたの?
ミカ
忘れたことありません
(間)
橘
……副長さ
ミカ
なんですか
橘
猫いなくなるとちょっと寂しいな
ミカ
………………
ミカ
絶対言わないと思ってましたそのセリフ
橘
いやほら、にぎやかだったし
ミカ
業務妨害でした
橘
そこまで言う?
ミカ
言います
(ミカ、小さくため息)
ミカ
……次は“静かなトラブル”にしてください
橘
そんな種類ある?
ミカ
あなた次第です
猫(遠くから最後の一匹) 「にゃ」
ミカ
………………
今のはカウントしません
橘
いやいたけど
ミカ
聞かなかったことにします




