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第1期 猫  作者: 森谷
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4/5

監査と猫と責任問題

翌朝、さらに増えて12匹となった猫たちを前に頭を抱えるミカ。そこへ「謎の猫が大量発生している」という通報を受けた監査官が「バンッ!!」と勢いよく突入してくる。

橘隊長に「猫誘引体質」の疑いがかけられ、さらに15匹まで猫が分裂(?)増殖するパニックの中、ミカは「人間の処理能力を超えました」と諦めモードに。猫たちが再び整列して橘に敬礼を決めるカオスの中、駆けつけた飼い主たちによって一斉に回収されていく。

「人災です」と橘をバッサリ斬り捨てるミカだったが、騒動が去った後の静けさに「寂しいな」と漏らす橘に呆れつつも小さく溜息をつく。そして書類仕事へ戻ろうとした矢先、遠くから最後の一匹の鳴き声が聞こえてきて……!?

「第4話 監査と猫と責任問題」


(隊舎・翌朝)


ミカ

……嫌な予感がします

(確信)

橘

おはよー副長

ミカ

その肩の上のそれは何ですか

橘

猫

ミカ

“また増えてませんか”

橘

んー……増えてるかもしれん

猫(肩)

「にゃ」

ミカ

もう“かもしれん”で済ませないでください

(足元)

猫9 「にゃ」

(机の下)

猫10 「にゃ」

ミカ

………………

ミカ

数えました

橘

早いな

ミカ

10秒で12匹確認しました

橘

優秀だな

ミカ

優秀さを猫に使いたくありません

(その時)

バンッ!!

監査官

隊長!!報告を!!

橘

あ、監査だ

ミカ

来ましたね最悪のタイミングが

監査官

“隊舎内に謎の猫が大量発生している”という通報が!!

ミカ

事実です

橘

事実だな

監査官

原因は!?

橘

さあ?

ミカ

またそれですか!!!!!!

監査官

「さあ???」

ミカ

こっちが聞きたいです!!!

(猫たち、一斉に監査官を見る)

猫たち

「にゃ」

監査官

……なんか懐かれてるな

橘

そうなんですよねー

ミカ

そんな軽い現象じゃありません

監査官

(冷静にメモ)

隊長、あなた“猫誘引体質”の疑いがあります

橘

え、なにそれ新属性?

ミカ

そんなゲームみたいな扱いしないでください


(その瞬間、猫の山が一斉に動く


猫たち

「にゃああああ」

監査官

増えてないか!?

ミカ

増えてます!!!!

橘

あー……分裂期かも

ミカ

何の生態ですか!!!!


(猫13、14、15出現)


ミカ

……もうダメです

橘

諦め早くない?

ミカ

人間の処理能力を超えました

監査官

とりあえず隔離を……

ミカ

それやりました

監査官

「失敗した?」

ミカ

成功した試しがありません


(沈黙)


監査官

……一応聞くが、隊長

橘

はい

監査官

これ、あなたのせいでは?

橘

たぶん違う

ミカ

たぶんじゃないです

監査官

断言してくれ

橘

じゃあ違う

ミカ

その自信どこから来るんですか


(猫たち、突然整列)


ミカ

……また始まった

橘

あ、これ俺待ちだわ

ミカ

やめてくださいその適応能力

猫たち

「にゃっ!」


(敬礼)


監査官

……軍事訓練でもしてるのか?

ミカ

違います

橘

たぶん俺リーダー

ミカ

たぶんじゃなくて絶対違います


(そこへ遠くから声)


飼い主たち

「すみません!!猫回収に来ました!!」

猫たち

「にゃー!!(全力退避)」

ミカ

……逃げた

橘

速いな

ミカ

訓練されてますねこれ

監査官

……つまり?

ミカ

ただの迷子と訓練と隊長の混線です

橘

混線ってなに

ミカ

人災です

橘

ひどい


(猫たち全回収されていく)


猫15

「にゃー」

ミカ

……静かになりましたね

橘

うん

ミカ

書類やりますか

橘

え、まだ覚えてたの?

ミカ

忘れたことありません


(間)


橘

……副長さ

ミカ

なんですか

橘

猫いなくなるとちょっと寂しいな

ミカ

………………

ミカ

絶対言わないと思ってましたそのセリフ

橘

いやほら、にぎやかだったし

ミカ

業務妨害でした

橘

そこまで言う?

ミカ

言います


(ミカ、小さくため息)


ミカ

……次は“静かなトラブル”にしてください

橘

そんな種類ある?

ミカ

あなた次第です


猫(遠くから最後の一匹) 「にゃ」


ミカ

………………

今のはカウントしません

橘

いやいたけど

ミカ

聞かなかったことにします

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