静寂と残留猫
猫たちが回収され、ようやく平穏(?)が戻ってきた隊舎。しかし、「静かだと落ち着かない」と漏らす橘のフラグ回収のごとく、書類の山の中から回収されたはずの猫が1匹だけ「残留」しているのが見つかる。
書類に勝手に肉球サイン(承認)をポンと押し、橘の「俺が好き?」という自己調達な推測に冷たくツッコむミカ。そこへ再び現れた監査官も、肩に乗ってきた猫の可愛さに思わず「悪くないな」と牙城を崩されてしまう。
「この隊舎には帰りたがる何かがある」と分析しつつも、自分自身が猫の存在に慣れてきていることに気づくミカ。「猫の上で書類を処理する」というバグった現場判断を下した直後、案の定新たな1匹が姿を現し、早くも第6話へのカウントダウンが始まるのだった……!
(隊舎・午後)
ミカ
……ようやく平穏です
橘
だなー
ミカ
書類が……減っていませんが
橘
そこは平穏じゃないな
ミカ
今さらです
(しばし静寂)
橘
なんか静かだと落ち着かないな
ミカ
その感想は危険です
橘
いやほら、さっきまで猫いたし
ミカ
その“さっきまで”が異常だったんです
(間)
──カサ……
ミカ
今の音は?
橘
風?
ミカ
隊舎の窓、閉まってます
橘
じゃあ……
ミカ
…………
ミカ
(ゆっくり振り向く)
書類の山の中
猫1匹
「にゃ」
ミカ
………………
橘
………………あれ?
ミカ
……カウントされてますね
橘
え、回収されたんじゃ?
ミカ
されたはずです
猫
「にゃ」
(当然のように伸び)
ミカ
なぜここにいるんですか
橘
お前、さっきの便で帰ったんじゃ……
猫
「にゃ」
ミカ
説明能力ゼロですこの生物
橘
いやでも一匹だけだし
ミカ
その“だけ”が危険です
(猫、机の上にジャンプ)
ミカ
やめてくださいそこは重要書類です
猫
「にゃ」
(ぺし)
ミカ
今…………サインしましたね?
橘
承認したな
ミカ
誰の権限ですか
橘
猫の
ミカ
最悪です
(沈黙)
ミカ
……もう一度確認します
橘
うん
ミカ
この猫、さっき回収された個体ですね?
橘
たぶん
ミカ
“たぶん”禁止です
橘
はい
ミカ
では質問です
橘
うん
ミカ
なぜ戻ってきたと思いますか
橘
……俺が好き?
ミカ
殴りますよ
橘
冗談冗談
猫
「にゃ」
ミカ
今のは同意ですか?
橘
多分な
ミカ
多分やめてください!!!!
(その時)
ガラッ
監査官
……また1匹いると聞いたが
ミカ
聞くたびに増えてます
監査官
減ってないのか
ミカ
むしろ精度上がってます
橘
精度?
ミカ
出現率です
監査官
……隊長
橘
はい
監査官
あなた本当に何もしていない?
橘
してない
ミカ
即答だけは一流です
監査官
……逆に怪しいな
橘
えぇ
猫
「にゃ」
(監査官の肩に飛び乗る)
監査官
おっ
ミカ
懐いてる場合じゃありません!!!
監査官
……悪くないな
ミカ
監査官まで堕ちないでください
橘
猫ってそういうもんだろ
ミカ
違います
(間)
ミカ
……結論出ました
橘
お、早い
ミカ
この猫は“残留個体”です
橘
なにそれ
ミカ
この隊舎に「帰りたがる何か」があるということです
橘
俺?
ミカ
違います
橘
即否定された
ミカ
もっと根本的な問題です
(猫、机の上で丸くなる)
ミカ
……そして一番問題なのは
橘
うん
ミカ
私がちょっと慣れてきていることです
橘
それ一番まずいやつだな
ミカ
認めます
(沈黙)
ミカ
……書類やります
橘
やっと戻った
ミカ
ただし
橘
ん?
ミカ
猫の上で書類を処理します
橘
それ戻ってない
猫
「にゃ」
ミカ
承認されました
橘
勝手にプロジェクト進めるな
ミカ
現場判断です
橘
どの現場だよ
(遠くで小さな声)
「すみませーん、猫また1匹……」
ミカ
………………
橘
………………
猫
「にゃ」
ミカ
隊長
橘
はい
ミカ
増えます
橘
知ってた
ミカ
もう言いません
橘
言ってくれ
ミカ
言うと現実になります
橘
怖い理論やめて
(猫、さらに1匹入室)
ミカ
……第6話、早くなりそうですね
橘
もう続くの確定してるの草




