「赤い炎」
ピルスル視点
ソフィアは魔物達をけしかけ王都を襲撃していくのじゃった
儂も昔共に戦っておった騎士達と会い動いていたのじゃが
上位種も多く混じる魔物の群れにあっけなく追い込まれてしまっておった
動きの止まった魔物の後ろから別の魔物が駆けてきてグサリと
見たことのない強力な魔法で消し飛ばされ
巨大なオークの一撃で騎士団長の頭は無くなっておった
もはや儂がどう足掻こうと戦況が変わることもなかった
いや、もうそれ以上見続ける事が嫌じゃったのだろう
儂は単身、シュウ達のおる東の大陸へ転移し
逃げて来たのだ
ジュンカでは既にシュウ達は南東の街へ向かったものじゃと知る
向かうと、妙に魔物が多いのじゃから嫌な予感しかせん…
北回りにぐるりと様子を見てみれば、やはりここでも暴走を引き起こしておるようじゃった…
「しかし東に向けて移動しておるの…なにかあるのか?う…む、逃げるならあの辺りの平原が良さそうじゃの…」
あの先は森のはずだが、魔物は何を目指しているのじゃろうか?
ん?人が…シュウ達か?!
くそっ、魔物が多くて近寄れん!
「山から向かうか…間に合ってくれ!」
近付くとよく知る人物ばかり、どうやら街の皆がかたまって動いているようだ
「ゆっくりはしておれん、か」
儂は山に入った者達を見つけ次第転移させていった
多少は範囲を指定できるものの…まぁここにいるよりは安全じゃろう…
そんな事を考えれば考えるほどに王都の皆も逃せられたのではないか?という罪悪感にかられ嫌になるのだった
「なんじゃ年老いた小僧か…また邪魔をしに来たと言うのか」
儂が冒険者達を次々安全な場所まで飛ばしていくと、突如聞き覚えのある声が聞こえてくる
「お主…見た目だけでなく性格までも随分と変わってしまったようじゃのぅ…」
「ふふっ、昔から変わらぬよ…今も昔も願うは世界の安寧じゃ…」
「お主のいう世界とは、精霊の世界を言うのだろう?」
「もうよい…可愛げのなくなった小僧には用はない」
儂はきっとここで朽ちてしまうのだろう…できる事ならば、シュウよ…世界が平和でいられる様…
「儂の全てを喰らい尽くせば良いわぁ!!」
イフリートの業火によって焼かれるピルスル
ピルスルの全てが消え、後に残るは赤い赤い…『炎』であった




