21話「強さの限界」
「貴様らが災いを招いたのだ!」
街の者からは強く非難されてしまう、だが心当たりもない
武力をもってその場から放り出され、俺たちは行き場をなくしていた
近くには魔物も迫っている
冒険者たちならば多少は戦えるかもしれないが、そうでない者も半分以上いる
「なんでなん、ウチらもうこの世界で生きたらあかんゆうことなん?」
まるで神かなにかがそう告げているようなタイミングで…
俺たちは絶望していた
それでも可能性があるかぎり俺は戦う
ドルヴィンもレギもまだ諦めてはいなかったのだから
「山の方へ逃げましょう」そう誰かが言う
魔物はいると思うがここに留まるよりはマシである
それに対し誰かが分かったなどと言うまでもなく皆が移動を始め、俺たちは近づく魔物の討伐に追われている
「くそっ、ほとんど準備してねぇってのに」
こんなに立て続けに災厄が自然に起きるとは考えられない、何者かが人為的に引き起こしているのだろう
それに…
「ピルスルは何やってんだよ、先に来ているかと思って探してたっていうのに!」
「なにかあったのでしょうか?」
ミドも国のことが心配だという、当たり前に東の大陸までついて来たものだからすっかり忘れていたが
「なんやそっちも心配やけど今は前だけ見てえや!」
おっと、ローズの言う通りだ
これだけ大勢では守り抜くのも無理がある…
追い詰められている…山へ入ったところで魔物達の動きが止まるわけではなかった
「すまない皆!死角が多すぎて守りきれそうにない、動ける者は武器を取ってくれ!」
「グルルゥゥゥ…」
「た…助けてくれぇ!」
「キャアアァァァ!!」
次々悲鳴が聞こえてくる…
俺たちは厄災の前ではこれほどに無力だ、誰にも責められることはなくとも…無力さで嫌になってくる
次第に周りからも声が聞こえてこなくなる…ローズやミド、レギ、武器屋や銀狼亭のおっさん
それに戦えない大勢の者達
何人が今無事でいてくれるのか…
不安にかられ次第に俺自身の剣も鈍くなっていった




