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隠しスキルを手に入れた俺のうぬ惚れ人生  作者: うらたま
第3章《スタンピード》
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17話「大移動」

俺たちは黙っていた…

誰も何も言葉が出ない


「国が裏切りやがった…」冒険者の一人は酒を飲みながらそう口にする


そう言う気持ちもわかるのだから否定もできない


結局なにも出来ないまま1週間、2週間と過ぎていくのだった


最初のうちは魔物もちらほらと見受けられたのさが、新たに出てくることも無く

街の農作物も次第に枯れてゆき、俺たちは街を離れるほかないだろうと考えていた


「すまんな、せっかくの食料を」

銀狼亭のマスターが俺に礼を言う


「いえ、みんなが頑張って倒してくれたから手に入ったものですし」

ピルスルが転移を使い毎日王都から食料を買い込んで来てくれるものの、街には行き渡らない

だがあの戦いで当分の食料はなんとかなってはいる

幸い魔獣族のドロップには肉が多く、調味料や香草、酒ならばこの店にたんまりとストックされているからな


さて、もはや街に残っても生き延びる術はほとんど無いだろう

移動するにも王都まで10日、これだけの人数の大移動ならば2週間は見なくてなならないだろう

何人かの街人は既に動いていたが、その際に冒険者も複数名付いていくものだから

街に残された人々は身動きができないのだった


俺たちはというと

あの後、再びダンジョンに入り魔水晶を回収に行った

しかしこちらも根こそぎ魔素を持っていかれており使い物にならなくなっている


比較的被害の出ていない北東の砦付近で新たに街を作れないかと思案していたそうなのだが

危険が大きい上、魔水晶まで使えないとなればそれも叶わない


ピルスルは王都へ出向くたびに王への謁見を申し入れているのだが

未だに会えていないのだと


「なぁ、俺たちもそろそろ王都へ向かわないか?」

俺はピルスルに聞く


「まだ街に残っておる者の心配があるからな…

それに、西は儂ら冒険者には住みにくいやもしれん

向かうとするなら東の大地の方が良いかもな」


未だに王都周辺の魔物も少なくなっており、冒険者達は雑務をメインとしながら生活をしているそうだ

それならば多少遠くとも生活しやすい方を選びたいのだと


きっと自分のためでなく、街人の皆を思っての意見だろうな


どのみちこの人数の食料の事を考えれば、そろそろ限界が近いのも事実

俺たちはピルスルを信じ東へと向かうことにするのだった


「で、東の大陸って言ってるけど陸続きじゃないのか?海渡るのか?」

北と南は大きな山が見える、東にはそれが無かったこと

大陸というセリフ

海を越えるにしても俺たちには船も無いはずだがどうやって進むのだろうか


「心配はいらぬ、歩いて行けるからの

ひかりの洞窟を抜けたお主ならばもう見たじゃろう、あの深い傷痕を…」


やはりイフリートと初めて出会ったあの場所が傷痕と呼ばれる場所だったのだ

それにしても東の大陸まで続くとは、何があったらそんなことになるのだろうか…


こうして遂に俺たちは動くことになったのだが

それでも王都へ向かいたいと言う街人もいたので、ピルスルと数名の冒険者にはそちらへ着いて行ってもらうことになった


傷痕の終点は東の大陸最西端の街、歓楽街ジュンカという所らしく通称カタマチとも呼ばれているそうだ


とりあえずは一旦そこのギルドへ報告と、宿でピルスルとの待ち合わせをすることに決まり

俺たちは100人ほどの集団を作り街を後にしたのだった

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