14話「そんな時もある」
ダンジョンの中は多くの魔物で埋め尽くされている
外に溢れるくらいなのだから、と想像はしていたものの実際に目にするとゾッとする光景であった
「こ…れを三階層まで?」
一旦引く、そして考える
俺と…支援でローズが内部に
ミド中心に外の魔物を倒す…でいいか?
いや、ピルスルの支援の方が効果的か…
うーん…
「お主がその剣で特攻して儂が後方支援で良いじゃろう、外は他の者に任せるぞ」
ピルスルがサクッと決めてしまい、周りも特に異論なしといった感じだった
「物理無効がいたらどうすればいいんだ?」
「知らんわい、そんなこと言っておったら手遅れになるわ」
あ、これ絶対魔法しか効かないようなの出るパターンじゃん
自分でフラグ立てちゃった気がするんだが…
俺とピルスルは中へと進む
俺の不安とは裏腹に、全ての魔物達が魔剣を前に沈んで行く
「いててて…てぃっ!あたっ、ちょっ」
もうそれこそ四方から殴られたり蹴られたりしながら薙ぎ払っていった
ピルスル?時折俺にヒールポーション使ったり補助魔法かけたり
だけど第二階層もそろそろ終わりか?という頃に現れた
[氷精霊フェンリル:狼の姿をした上位精霊種、実態を持たない、物理・物理属性無効]
「くっそぉ、俺の剣が効かねえ!」
当たっているのだがまるで蜃気楼でも切っているかのようにすり抜ける
狼の周りに氷の飛礫が作り上げられ俺に向かって飛んで来る
「いてぇっ!ちっくしょう」ブンッ
ダメージを与えるわけもなく、剣は虚しく空を切る
「無視して進むぞっ!」後ろからピルスルが叫ぶ
そうか、HPなら多少余裕はある
倒せるかどうかもわからないのなら逃げの一手もありだろう
「よっしゃ!行くぞぉ!」
俺は狼を無視し、奥の魔物を倒しながら次の階層を目指した
時折突き刺さる氷が痛い…マジで痛い
「着いた!第三階層、ここに魔水晶を置いてずらかればいいんだな?」
「よくやったぞお主、後は頑張って脱出して参れ」
帰り道は魔物の数は減っているものの、また狼が待ち構えているだろう
ピルスルは俺に最後のバフと回復を行うと
一人でダンジョン外に転移しやがった…
「なんて薄情なやつだ…」
俺は少し悲しくなってしまったのだった




