11話「もう一度」
「ねぇ、シュウさん?」
さあ再開するか、という時にミドが話しかけてくる
「ローズお姉さんから聞いたのですが、シュウさんのエンチャントすごいって本当ですか?」
あー…なんか魔力全部持ってかれてエンチャントしてるから効果は大きいんだろうけどなぁ…
だったら私にその矢を射たせてほしいって言うのだが
かなり危険な上に数も少ないし
「魔力のことも聞きました!ですのでハイ」
両手いっぱいの魔力回復ポーション
あ、つまり作っては回復作っては回復を繰り返してくれと
仕方がない、と一本の赤い矢を取り出しエンチャントをかける
ごっそり無くなる魔力
青くなったその矢を貰おうと手を出すミド
「まぁ待ってくれ」と言いポーションを使う
再度その矢にエンチャントをかける
そして渡す
「なるべく遠くを射った方がいい
あと射つ前に周りの冒険者の身を守らなくてはならないから、絶対に勝手に射たないでくれよ
あと、どうせだから霊薬も使うと効果が高い…そうだな、これも預けておこう
妖精からもらったものだ」
霊薬と指輪を渡すと、ミドはさっそく使っている
『わかった、じゃあ今から射つからよろしく』と言いながら少し前へ駆け、弓を構える
「ま、ちょっみんな全力で防げ!」
俺の叫びで皆が戸惑う
事情を察したローズは全力でミドに防御結界、俺とピルスルは思い切り伏せる
他の冒険者達は棒立ちだった…すまん俺が迂闊に手渡してしまったせいで
なんまいだぶ…
遠くへ飛んだ矢は地上に突き刺さり
爆発し
冒険者達を吹き飛ばし
大地を焦がし
魔物を消し去り
防御結界をも消しとばし
俺のインベントリに大量のアイテムが収まっていくのだった
「けほっ…」
呆然としているミド
俺とピルスルは、ローズや他の冒険者を助け起こし怪我がないか確認をする
幸いHP的には問題無いようで、軽い火傷や擦り傷なので済んでいたのだった
「次はもう少し人の話を聞いてくれないか…」
俺はミドに注意する
聞こえているのかいないのか、全く返事が無い
「なぁミド、おい…」
顔を覗き込むと、そこには頬をつたう一筋の涙が見える
「こ…わかったぁ…」
ヘタリ込むミド
こうなってしまったら怒るわけにもいくまい
俺は、よしよしといった感じで頭をワシワシとかき乱してやったのだ




