10話「手薄な街、見えない目標」
あとどのくらいでダンジョンのもとに辿り着くのだろうか
俺たちは討伐を続けながらかれこれ2時間は歩いていた
近づくにつれ数を増す魔物達
体力はあっても疲労は溜まっていく
レギなんかはまだ幼さも残るというのに両手で剣を振り回しているのだからかなり辛いだろう
ドルヴィンに指導を受けていなければ、普通の召喚師として
これまでも剣を振るうことなどほとんどなかっただろうから、よく動けているものだと感心してしまう
「大丈夫かレギ、少し下がって休んでいろ
魔力もだいぶ使ってしまっているだろう」
ローズとミドは…楽しそうだから放っておくか
「ドルヴィン、まだ行けそうか?」
他の冒険者も一旦下がっている中、一人黙々とハンマーを振るっていたのだが
徐々に攻撃を受け始めていた
「あぁ、さっきの指輪のおかげか幾分かは楽に動けているぜ」
力、体力が増しているのだとドルヴィンは言う
とはいえダメージを受け続けるのは危険だ、常に回復できる手段などあれば良いのだが
「一旦下がらないか?一人で動き続けるのは危険だろう」
俺の想像ではダンジョンが見えるところまで来て、強烈な一撃を放てば大体の魔物は消し飛ぶだろうと考えていたのだが
まさかダンジョンに近づくことすら難しいとは思わなかった
もっと広範囲を一気に始末できればあるいは…
下がる俺とドルヴィン、追いかけてきた魔物はミドに始末してもらい二人もまた他の冒険者のもとまで下がり
それぞれが一息いれていた
「お主ら、何を悠長にしておる」
背後から突如ピルスルが声をかける
「のうゎっ?!ビックリさせんなよ!」
「ビックリするのは警戒が足らん証拠じゃ」
再開するなりにひどい言われようだ
「ほれ、お主らに土産じゃ」
と言い、ピルスルは荷物を降ろした
俺には火の強化を施した手甲
ローズにはイヤリング
レギには各種回復薬
あとは補充用の矢や長剣など
「ピルスル、ありがとう」
しかし、戦闘スタイルがガラッと変わってしまった俺たちには微妙なものだった
素直に回復薬は有難いと思ったのだが
レギまで前線に来ているとは思っていなかったので、ピルスルは回復薬を持って街に戻るようレギに言うのだった
「魔物が街まで来ていたらだれが守るんじゃ、まったくお主らは考えも無しに行動しおって」
いやいやピルスルだって何も言わずに一人でどっか行ったじゃんか
レギと一緒に2人の冒険者が街に戻っていく、3人もいれば道中何かあってもそう問題ではないだろう
その後、ピルスルから簡単に今後の作戦を説明してもらい…ん?
「それは作戦なのか?」俺はピルスルに問う
「作戦とは言っておらん、ただダンジョン内部にこの魔水晶を置いてくると言っただけじゃ
なにか良い方法があるのなら聞くが」
あとは王国側から支援にやってくるのを待ち、秘宝を用いて暴走を食い止めるというわけだが
「それは何日後のことだ?」
「早くて2日じゃな」
さすがに秘宝をホイホイと貸すわけにもいかないらしいのだけど
それまでもつのか?俺たちもだが、ダンジョンが…
なんにせよダンジョンに辿り着かなくてはならない、さて進もうかと思うとピルスルが
「装備せんのか?」
あっ、手甲のことすっかり忘れてた




