7話「ルティ」
序章、神との会話の修正を考えております
「無理や…まだ立たれへんわ」
俺を見てさっきまで笑っていたローズもまた、恐怖で腰が抜けているのだった
全く怯まない双頭の獅子に近寄られ、挙句俺とともに舐めまわされるのだから生きた心地がしない
「どうなっとるん?いやに懐いとるやん」
俺がインベントリから肉を取り出すと、獅子はそれを一飲みにする
敵意は全く無いようだった
「多分捕まえたってことなんだと思う」
「なんや、レギの捕獲みたいなもんか」
きっとそうだろう、レギにも捕まえることができるのか
ずっとタマしか見てなかったから知らなかったな
ローズも落ち着き、動けるようになった頃
後ろから次々と冒険者が追いついて来た
当然この状況をすんなりと受け入れてもらえるわけもなく
「あ、やっぱりか…」
遠目に見てもわかる、皆がざわつき混乱している
敵意や攻撃が無いだけマシなのだろうか
俺は獅子をかるく撫で、ここで待つように命令する
ローズの脇に移動してちょこんと伏せをしていた
「敵じゃないと魔物も可愛いもんだな」
「ウチはギルドにいるウサギちゃんの方がええけどな」
そう言うローズもまんざらでない様子で撫でていたのだった
「すまん、色々あって魔物が仲間になった
見た目は恐ろしいが心配しないでくれ」
俺はやってきた冒険者たちに説明する
「お前は召喚師か調教師なのか?俺の記憶が確かならレンジャーのはずなんだが」
ドルヴィンは俺たちがまだ上位職になっていないことも知っているから余計に不思議でならないらしい
「あぁでもキラーラビットの件もあるしな、ありえなくもないんだろうな」
そして何故か勝手に納得しているのだった
「レギ、あの魔物のこと何かわかるか?」
こういう時は魔物に詳しい者に聞くのが最も早い
これまでも道中弱点や特徴を教えてくれていたのだから、前線で一緒にいてくれた方が良かったかもしれないな
などと思うのだった
「え、と…双頭獣ルティ、魔獣族の上位種だと思います
弱点は火と水ですね、だいぶ弱ってるみたいなので休ませてあげた方がいいんじゃないでしょうか…」
さんきゅーレギ、ちなみに姿を隠したりできるのかねぇ…
ん?弱点炎なの?
「召喚の指輪があると魔物を必要な時だけ呼び出したりできるんですが…」
「なぁ、レギが使役することはできるのか?」
と俺が聞くと『多分無理だと思います』と返ってくる
まぁものは試しだ、獅子の…そうだな名前も付けてやらねばならないな
「なんて魔物だっけ?」「双頭獣ルティです」
「じゃあルティでいいか…レギ、ルティのところまで行って試してみようぜ」
えぇ?!とか言ってどこか怖がっている様子のレギ
「大丈夫なのか…嘘だろおい…俺は嫌だぜ…」
外野がすごくうるさく感じてしまう
これだけ周りに恐怖を振りまくのならやっぱり隠れてもらった方がいいしな
「ローズお待たせ!」
ルティに寄りかかって休んでいるローズの元にレギと二人でやってきた
「みんな何しとん?二人だけかいな」
そうは言ってやるなローズよ、みんな怖いんだろうよ
「よ、よろしく」レギも緊張しまくりだった
とにかくレギの指輪で姿を隠すことができるのかを試してみる
まぁ、うまくいくわけもなく
そもそも俺が捕まえてしまった魔物を他の者が使役できるのも変だしな
ん?じゃあ主人を変えたりできるんだろうか?
「なぁルティ、お前こいつに仕えることはできるのか?
できるならお前の主人は今からこのレギだ、指輪に入ってくれないか?」
人語を理解しているかどうかも分からないが、とにかくジェスチャーも交えて話しかけてみたのだが
ルティはひと吠えし、瞬間スッと姿を消すのだった
「あ、指輪にすごい力を感じます
でもいいんですか?そうとう強い魔物でしたよ?」
時折は顔を見せて欲しいもんだが、一緒に歩いていて周りに恐れられるのじゃあルティも可哀想ってもんだろう
「あ、そうだシュウさん」
レギがそう言うと、俺に剣を返してくれる
「ん?大丈夫なのか?」
『えぇ、この子がいるのでしたらきっと』と言いレギは手に武器を召喚する
「どうしたんだ?その武器は」
見たことのない武器、両の手に一本づつ
薄刃の長剣は妖しいほどに威圧感を持っているのだった
「レベルが上がってから、使役している魔物を武器として扱えるんです
タマは金色のハンマーでした、重すぎて扱えませんでしたよ」と笑っている
武器化は通常の武器よりは優れている分魔力の消費もあるのだそうだが
そっかぁ、楽しそうだなぁ…
上位職になったらそういう職もいいなーなんて思うのだった
「そろそろ先に進みません?」
急に後ろからミドが声をかけてくる
周りを見たらドルヴィン達がやってくる魔物と戦っている
そうだった、のんびりしていられないんだった
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双頭獣ルティ(武器化):片手剣×2、攻撃力320、攻撃速度上昇
金スライム(武器化):ハンマー、攻撃力50、運上昇
武器化中は魔力継続使用




