6話「火力をもって③」
もうそれからは瞬殺
エンチャントした方も勿体無いし、まだ使わずに余裕があるときにもう少し作っておいてもらう
遠くに少し大きな群れが見えて、獅子のような?かなり強そうだったので
ここは惜しまずエンチャントしてもらった方を3連続
ゴブリンスリンガーに比べると連射は難しいがこの距離ならば着弾前に何度かは狙える
ドーーン…ドーーン…ドーーン…
遠くで爆音が鳴り響き殲滅していく中、一際大きい個体がいる事に気付いたのだった
[双頭獣ルティ:獅子の姿をした魔物、つがいで一頭の姿を成し大きな力と知力を兼ね備える]
「こっち気付いたで、ダメージ受けとるんかな」
周りの似た魔物は倒したのだから、完全無効ではないと思いたいが
「ローズ、すまんが火属性以外も準備しておいてくれるか」と言うと
「ウチの得意なんは火と風やで、赤い矢に風の上乗せすればええか?」
それでも構わない、とにかくダメージを与えられる可能性を高めておきたい
「まぁ、まだ火が無効と決まったわけじゃ無いから…なっ!」
俺は青い矢を一本取り出し射つ
炎が獅子にまとわりつくが、躊躇なく向かってくる
2射3射…これで倒れないならばやはり火耐性がよほど強いと見て間違いないだろう
俺は以前ピルスルが作ってくれた氷の矢に持ち替え射っていた
「くそっ止まらないな、ローズ!風の矢はできたか?」
「ほんな急かさんといてや!ウチも必死なんやで」
まだローズのエンチャントが終わらない、これ以上魔物に近づかれては危険だ
「くそっ、他の属性の準備が甘すぎたか…」
まぁ考えてもみればイフリートと対峙するかもしれないというのに氷の矢数本で足りるわけがない
またも準備の甘さのせいで窮地に立たされるのだった
「とりあえず罠で凌いでや、ウチも少しは持っとるから!」
そのローズの言葉に思い出す
確か謹慎中に作った罠が残っているはずだ、と
とらばさみ…確かに相手は獅子だが、大したダメージはないだろう
落とし穴…とりあえず設置したいのだが時間が無い
泥濘の罠…よし
とにかく前方向に向かって数カ所に仕掛ける
このボールを投げると、地面が一時的に緩くなり
通る者の脚を掬うといった罠だ
「グォォォン!」
一瞬脚を取られた獅子は、すぐに身を引き罠を脱する
しばらくウロウロと考えていたが、そう時間はかからなかったようだ
すぐに迂回し襲ってくる獅子
焦る俺、あとはふつうの矢で攻撃するしかない!
後ろで『矢が出来たで』と叫んでいる声も届かずただ焦っていたのだ
もう一つの罠『粘着の罠』を使って足止めをもう一度、というタイミングで
[はい/いいえ]
あとはよく憶えていない
わけも分からずとにかく『ハイハイ!なんでもいいから早くして!』などと叫んでいたらしい
後からローズに聞いたら『プルプルしてはったし、えろう情けなく見えたわ』って言うもんだから、もう
恥ずかしくってもう別の意味でプルプルしてた




