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第六十三話 帰りの電車そして〜お互いの気持ち〜

 ガタンゴトン⋯⋯ガタンゴトン⋯⋯


 「景くん!今日はめちゃくちゃ楽しかったね!!」


 「は、はい⋯⋯」そう返事をした景くんが眠いのかまぶたを擦っている。


 真夏のプールを思う存分満喫した私達二人は、電車の眠気を誘う心地良い揺れに耐えながら、余韻の冷めないプールでの出来事をお互いに話していたのだけれど⋯⋯


 景くんは、どうやら眠さの限界に到達してしまったらしい。


 「景くん、寝たら額に『肉』って書いて、口端に薔薇の絵描くよ?」と私が脅すと。


 「は、はい⋯⋯、わかりました⋯⋯」と言って、コクンと頭を落とした。


 大きな体なのに、寝ないように何度も抗う姿が子供みたいで、本当に愛おしい。


 「もぉー!しょうがないなぁ、私が頑張って起きてるから少し寝な!そのかわり、額に愛って書くからね」


 「さっきと言ってることが違います⋯⋯けど、わかりました。ありがとうございます⋯⋯」そう言い終わると、景くんの体から力が抜けて行くのがわかった。


 愛って書いていいんだ?じゃお言葉に甘えて⋯⋯と思ったんだけど、そういえばレベルアップしていたような?


 そう思って私はホログラムディスプレイを出現させ、スキル一覧を押す。なにが使えるようになってるかなー?


ーーーーーーーーーーーーーーーー

使用できるスキル


デートに誘う

トゥンクトゥンク

スキンシップ(小)

告白

恋人繋ぎ

スキンシップ(中)

キスをする

マーキング

お泊り

天体観測

未来日記【弱】


覚えられるスキル

 

壁ドンッ      番号交換      

顎クイッ      プリクラ    

旅行        サプライズ         交わり       キューピット        思ひ出の場所    見破る 

ーーーーーーーーーーーーーーーー


 見破る?ってなんだろう?


 正直、スキルポイントにも限りがあるからよくわからないスキルは覚えたくない。


 私は、すぐさま携帯電話を取り出し、グーグル先生に『LOVE♡GAME 見破る』って入力して検索をかけてみる。


 すると、一瞬にして十万件以上もヒットした。


 その中から一番わかりやすそうなやつを選んで早速読んでみる。なになに?


 【見破る、意中の相手の状態を見れる】


 状態?景くんの今の状態って事?そんなの一目でわかるじゃん、就寝中でしょ?イマイチ覚える必要性感じないなぁ⋯⋯どうしよう⋯⋯


 とりあえず暇だし、覚えて使ってみよ。


 そのくらい軽いノリだった。私は見破るを覚えると、すぐにそのスキルボタンを押した。


 ♡─♡─♡─♡─♡─♡─♡

 二階堂 景


 状態 爆睡中


 好感度100

 

 カップル成立度100

 ♡─♡─♡─♡─♡─♡─♡


 ⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯

 

 ⋯⋯⋯⋯⋯⋯


 ⋯⋯⋯⋯えっ!?


 うそっ!?ちょっと待って、景くんって私の事好きなの!?


 私はなにかのバグなんじゃないか?と思って、虚空に浮いているホログラムディスプレイに思いっきり平手打ちをする。もちろん空を切った。


 ヤバイどうしよう⋯⋯そう言えばさっきプールで、『そんなに遠くない未来に教えます』って言ってた気がする。


 え?私⋯⋯告白されるの!?


 もちろん嬉しいし、告白されたら一つ返事で付き合うと思う⋯⋯けど、急展開過ぎない!?景くんはいつから私の事好きだったの!?


 ん〜〜っだめだ、わけわかんない。


 ひとまず一旦落ち着いて、景くんの額に愛って書こ。


 私は持っていたバッグからペンを取り出して、額に『愛』の文字を刻んだ。


 油性って書いてあるけど、これ大丈夫かな?


 すると、「んぅーー、もう駅に着くんですか?」と景くんが目を覚まして、背伸びをする。


 私は咄嗟に「ピュ〜〜ヒュ〜〜⋯⋯そ、そうだね、ピュ〜〜ヒュ〜〜⋯⋯」と口笛を吹いて、顔を斜め上に逸らした。


 「立花さんどうかしました?」と目を擦りながら訊ねられ私は、


 「な、なんにもないし〜〜」とすっとボケる。


 なんか、腑に落ちない様子の視線を向ける景くん⋯⋯


 私は「お、お腹空いたなぁなんて?」と言って、話題を変え、疑いの目を逸らせようと試みると、


 「じゃ、僕の家に来ますか?」


 ⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯


 「い、いきなり景くんの家とか迷惑でしょ!?」と私は声を大にして言う。


 「立花さん、やっぱりなんか変ですよ。いつも勝ってに来てたじゃないですか?」


 だ、だよねー、私も変になってる自覚ある。もう驚きと嬉しさが入り交ざって、ソワソワが止まらない。


 どうすればいい!?どうしよう!?


 と私が呆けた顔付きで、内心プチパニック状態に陥っていると、


 「母さんには連絡入れときました、『夕飯は立花さんと家で食べたい』って伝えたら、めちゃくちゃ喜んでましたよ、まるで実の娘が帰郷するみたいに」


 「そ、それはまだ早いから!!」


 「え!?何がですか?立花さん本当に大丈夫ですか?あ、駅につきましたよ」と言って立ち上がった。


 「う、うん⋯⋯」結構大丈夫じゃないかも?と思いながら、景くんの後を追って家へと向かった。

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