三十六話 後悔
「ありがとうございましたー」
食事が終わった僕と朱里は、お会計を済ませ、店員さんに見送られながら、お店をあとにした。
「そう言えば、朱里、行きたいところってどこ?」と僕が尋ねると。
「なーいしょ」そう言って、朱里はおどけた表情を見せる。内緒と言われると余計気になるけど、朱里の機嫌も良くなったことだし、ここは大人しく付いて行こう。
そう思って暫く付いて行くと、どんどん見覚えのある景色に変わって行く、まさかね?そう言えば、僕達が帰る時にはもう既に、立花さんも日下部くんもいなかったけど、これは僕の考え過ぎ?
「朱里⋯⋯これってもしかすると僕の通ってる学校に向かってたりする?」
「バレた?テヘッ」と朱里は舌を出して、頭に拳を『コテッ』と当てると、上目遣いで悪びれた表情を浮かべる。
「今日、日曜日だよ(嫌な予感しかしないんだけど)」
「それは心配しないで(日下部が赤点の補習を受けてるから)」
僕は掌で顔を覆って天を仰いだ。ここからは要警戒ゾーンだ、何が起こっても冷静を保てるようにしっかり準備しないと⋯⋯
「ねぇ~景、こうやって通学路を一緒に歩くのって久しぶりだよね?」
え、いきなりなに?一応どんな方向から何が来ても大丈夫なように、身構えてはいたけど、これは普通に答えていいやつ?僕は訝しげな表情を浮かべながら、朱里に視線を向けて返答する。「そうだね、小学生以来じゃない?」
「だよね〜懐かしいな〜、小学生の頃は毎日一緒に登下校してたもんね」
朱里は正面を向いたまま、後ろで手を組み、ゆっくりと歩いて行く。僕はどう答えていいか分からなくなり口を噤むと。
「ほら景、学校見えて来たよ」朱里がそう言って、学校を指さした。いや知ってるし毎日通ってるからね。いったいこれから何が起こるんだろう?そんな不安を抱きながら校門をくぐった。
「学校には着いたけど、これから何するの?」
「景の教室に行こ、ほら早く早く」
「え、なんで?」
「いいから、早く〜〜」そう言って朱里は、手招きをしながら足早に教室に向かう。なぜ教室の場所を知っているの?色々と疑念を抱きながらも、それらを一旦置いといて、僕も足早に向かう。
昇降口で上履きに履き替えて、朱里の後を追いかける。てか迷うことなく僕の教室に向かうのは絶対におかしいでしょ?僕は更に警戒心を強めて教室に入ると、朱里が窓際一番後ろの席で佇み窓の外を眺めていた。
僕が一歩踏み出すと、それに気付いて朱里が振り向く。黒髪ボブヘアーが『フワッ』と跳ね上がり、傾いた日の光を浴びた、紅眼が濃艶な輝きを放つ。
「ねー、景の席どこ?」
「朱里が立っている席のすぐ隣り」
そう伝えると朱里は、知ってか知らずかそのまま立花さんの席に座った。
「うち等にもこういう未来があったと思う?」
僕は、朱里の言ってる意味がわからず、顎を擦りながら、自分の席に着く。
「そんなに疑いの眼差し送らないでよー、じゃあさ、景は後悔した事ある?」
(後悔したこと⋯⋯思い出したくない過去はあるけど、やった事自体に後悔はしていない、あれは僕が幼すぎて浅はかだったと思う)
僕は朱里が話している事が、昔の出来事を指しているんじゃないかと思って話し始めた。
「後悔したことはなかったと思う、でも浅薄な行動はあったと思ってる」
朱里が悲哀に満ちた表情を浮かべて僕を見た。
「うちは後悔している事があるの⋯⋯あの時、うちが景の告白を受けていたら違う未来があったんじゃないかって」
語気を荒らげて話しをする朱里に、僕は少し躊躇いながら返事を返す。「どうだろう⋯⋯あの時あの場所で、僕は朱里を守りたいって思ってとった行動だから、思いもあって気持ちもあったかもしれないけど⋯⋯ごめん、今となってはもうわからない」
そう伝え終わると僕は、視線を床に落とした。それを見て何かを察したのか朱里が決意を固めて話し始める。
新年明けましておめでとうございます!
今年も宜しくお願い致します!!
挨拶が遅くなり申し訳ありません。
少し仕事がバタバタしておりまして⋯⋯
まぁ、私の事は置いといて。
日頃私の作品を手に取り、読んで下さいさりありがとうございます!
PV数が急激に増えて行ってるのも、凄く励みになっております!
このまま最終話まで、執筆して参りますので、引き続き応援していただけると幸いです!
何卒宜しくお願い致します!




