表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女神様にハイエルフとして長生きする様お願いされました。  作者: 大鳳
第一章 勇者パーティー編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

80/94

任務達成

 何とか歩き出したヴァイス達四人を見送るエリスフィーナは

「あの……皆さんの荷物少し持ってあげても……」

「それは彼等の仕事だ。報酬を得るならそれは必要な事だからな」

 彼等の手伝いを提案したがガルドリックはそれは彼等の為にならないと明確に拒否するのだった。

「はぁ……はぁ……もう終わってしまいましたか?」

 遅れてやってきた賢者クレスと

「アンタの足が遅いからでしょうに」

 魔術師メルティーローズが呆れながら戦いが終わった川辺を見回している。倒したオークは三匹、残りは全て逃げ出してしまった。

「結局今日は新人のフォローでおわっちゃったかぁ〜」

 勇者パーティーと言えど今は日雇い労働者と変わりは無い。いくら魔物を倒したところで依頼じゃなければお金が振ってくる訳ではないのだ。

「死体をこのままにしていくのもな……クレス頼めるか?」

 綺麗な川辺にオークの死体を放ったらかしというのに気が引けたガルドリックはクレスに死体の焼却を依頼する。

 何より王都セレスティアの近くで死肉を求めて魔物がやってきたりなんかしたらとんだマッチポンプになってしまう。

「仕方ありませんね……紅蓮の炎よ我が名に従い……」

 クレスはなんだかんだで文句を言いながらも死体の処分に協力してくれている。彼が詠唱を終えると


ーゴオオオオッ!ー


 荒れ狂う炎が三匹の遺体をあっという間に包み込んでしまった。その力強い炎から遠ざかろうとエリスフィーナが川沿いに移動したその時だった。


ーバシャッ!ー


 側の方から水が跳ねた様な音が聞こえた。ウンディーネが川に帰ったのかとエリスフィーナが特に気にも留めずに居たその時


ーベチャッ!ー


「ひっ!」

 何かが足に纏わりついて来た感触にエリスフィーナが足元を見ると

「な、何……?」

 川の中から鱗まみれの生き物の手の様なモノに自分の足が掴まれていた。

「くっ!」


ーグイッ!ー


 咄嗟に細剣を抜こうとしたがエリスフィーナが剣を抜くより先に足を引っ張られたエリスフィーナは

「いやあっ!」


ーザバアァン!ー


 あっという間に川の中へと引きずり込まれてしまった。

「エリス!」

 オークの死体の焼却を見ていたガルドリックがエリスフィーナの悲鳴に反応したが遅かった。彼は大剣をその場に捨てるとショートソードを手に川に飛び込んだ。


ーザバアァン!ー


「ちょっと、ガルドリック!」

 甲冑を付けたまま飛び込んでしまったガルドリックをメルティーローズとクレスの二人はただ見送る事しか出来なかった。



(早く水面に……!)

 川の中に引きずり込まれたエリスフィーナは必死に藻掻いていた。手で水をかき足をバタつかせて少しでも水面から頭を出そうと懸命に泳ぐ。

 しかし、どんなに抵抗しても水中では掴まれた足を振り解く事が出来ずに居た。

(離して! 離してっ……!)

 いつの間にか複数のサハギンに両足を掴まれていたエリスフィーナは抵抗するも力及ばず水底へと引きずり込まれていく。

(ウンディーネさん……助けて……!)

 息を止めるのに限界を迎えたエリスフィーナは必死で口を塞ぐが……

「かはっ! ごぼ……げほ……」

 呼吸をしたいという本能には逆らえず口が勝手に開きそこから水が容赦なく流れ込んでくる。

(か、ガルドリック……さ……ん……)


ーガシッ!ー


 暗くなる視界と意識の中、助けを願ったエリスフィーナが何かにその手を掴まれたそこで意識は途絶えてしまったのだった。



 (エリス! こいつらサハギンか……!)

 ショートソードの刃を口に咥えて拐われるエリスフィーナの手を掴んだガルドリックは彼女の足を掴んで離さないサハギンの腕にショートソードを突き立てた。


ーザクッ!ー


 サハギンがたまらずその腕を離す。ガルドリックは水中ながら次々とサハギン達の腕にショートソードの刃を食い込ませていく。

(よし! これで……!)

 全ての腕をエリスフィーナから振り払ったガルドリックはいそいで彼女を水面へと抱え上げた。

「エリス! しっかりしろ、エリス!」

 ガルドリックは抱え上げたエリスフィーナの意識を確かめるが彼女の反応は無い。彼は辺りを見回すと急いで岸へと引き返していく。


ーザバァザバァザバァ……ー


 そんな彼の下にもサハギン達が獲物を取り返そうと、多数が追いかけてくる。

「メル、くれぐれも雷撃魔法は使うんじゃありませんよ!」

「キリヤ王子じゃあるまいし、そんなヘマしないわよ!」


ーボウッ! ボウッ!ー


「ギャアアアッ!」

「グエエエェッ!」

 クレスとメルティーローズの二人が放った炎の槍はガルドリック達に追いすがるサハギン達に命中し次々と焼いていく。

 水棲系には雷撃系の魔法がよく効くのはこの異世界のセオリーではある。

 しかし、真水でもない川の水に向けて雷撃を撃ち込めば近くにいるガルドリック達も巻き添えにしてしまう。

 そんな事などお構い無しに魔法をブッパしそうなかつての仲間を思い出しながら二人は魔法での援護を続けていく。


ーバシャアッ!ー


「二人とも、エリスを頼む!」

 二人の援護でサハギン達から逃げ切ったガルドリックは助け出したエリスフィーナを岸に上げ自身も水から上がる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ