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女神様にハイエルフとして長生きする様お願いされました。  作者: 大鳳
第一章 勇者パーティー編

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裏路地ダンジョン

 前から盗賊達がやってくる以上、十字路に留まるのは危険であり右が左に進む必要がある。

「エリスフィーナ、どっちに進むかは君に任せる」

 ガルドリックは行き先は聴力に優れるエリスフィーナに任せる構えだ。

(え〜と……)

 建物の屋根の向こうに王城の上部構造物が見えるのは右方向である。

 敵の物音は左右どちらからも聞こえない為、エリスフィーナが右の路地に入ろうとしたその時

「そっちは駄目! 敵が来てる!」

 エリスフィーナの耳に風の精霊の声が聞こえてきた。この辺りは建物が密集している影響がシルフが自然生成される位の強い風が発生しているらしい。

「じゃあこっちで……」

 選択肢が無くなってしまったエリスフィーナが左の細い路地に入ると後からガートルードが続きガルドリックが最後尾に付いた。

 こうして三人は人一人が通るのがやっとの細い路地を進んでいく事になったのである。



 道なりに路地を進む事数分……

「エリスフィーナ、急いで! この先の十字路を左に曲がって!」

 シルフから新たな指示が飛んできた。彼女が言うには今のスピードだとエリスフィーナ達が十字路に到達するより先に敵が十字路を越えてこちらに来てしまうらしい。

 そうなれば今歩いているこの一本道の細い路地で敵と対面してしまうと言うのだ。

「皆さん、走って下さい!」

 エリスフィーナは後ろの二人にそう声を掛けると細い路地を駆け出した。

 さっきまでも特にのんびりしていた訳では無く、むしろ早歩きしていた位なのだ。それでも間に合わないとなると相当に急がなければならない。

(とりあえず敵より先に十字路に着いて安全を確保しないと……)


ーザッザッザッザッザッ……ー


「それにしても王女を捕まえたら金貨百枚なんて太っ腹な客も居たもんだぜ」

「誰なんだろうな、その依頼者ってのは?」

「王女の外出の情報もバッチリ当たってたからな。まぁ、金さえ払ってくれりゃ何でも良いが」

 エリスフィーナの耳に前方から迫る男達の足音と話し声が聞こえ始めていた。盗賊達は彼等の依頼人について話している様だが……もう少し聞いてみたいが今は状況が状況である。

(十字路を左……!)

 十字路に着いたエリスフィーナは細剣に手を掛けたまま、ガートルードとガルドリックの二人の到着を待つ。だがその時

「王女の姿は大通りでは見てないらしいぜ」

「だから裏路地か。何処かに隠れちまってるんじゃないか?」

「この辺りに路地に面した入り口のある建物は無い。探すんだ」

 右からも盗賊らしい男達が迫ってきていた。正面と右、刻一刻と迫る男達の足音にエリスフィーナは両方に注意しながらガルドリック達を十字路で待つ。

「居たぞ、さっきのエルフだ!」

「捕まえろ! そいつもお宝だ!」

 正面の男達にエリスフィーナが見つかった。彼女が声に反応し正面に注意を向けたその時


ーガシッ!ー


「うっ!」

 細剣の柄に添えていた右腕が突然何者かに掴まれ、彼女か慌てて振り向くとそこには

「捕まえたぜ、エルフ! こりゃ大した上玉だ!」

 いつの間にか距離を詰めていた盗賊の男が至近距離にまで来ていた。

「は、離して……!」

 利き腕を掴まれたエリスフィーナは細剣を抜く事も出来ない。

「よし! エルフは頂きだ!」

 そうしている間にも今度は正面の盗賊がエリスフィーナを捕まえようと迫ってきた。盗賊が今まさにエリスフィーナを捕らえようと手を伸ばしてきたその時


ーズバッ!ー


「ぐわっ!」

 ガートルードと共にやってきたガルドリックがエリスフィーナの腕を掴んでいる右から来た盗賊の腕をショートソードで切り裂いた。

 彼は盗賊から解放したエリスフィーナとガートルードを左の細い路地に押し込みつつ


ードガッ!ー


「ふべえっ!」

 エリスフィーナと立ち位置を交代したガルドリックは正面から迫る盗賊を勢いよく蹴り飛ばした。そして

「ここは俺に任せろ! 二人は先に行け!」

 ガルドリックはここで盗賊達を迎え打ち、殿を務める宣言をするのだった。

 明らかにフラグな彼の言葉に

「でも、お一人じゃ……」

 ガートルードはフラグなどは知らないだろうか彼を心配し足を止める。ガルドリックはショートソードを手にしている以外は軽装であり、簡単なシャツにパンツでしか無い。

 いくら勇者でも完全武装の盗賊相手で丸腰に近いのは……と、ガートルードはガルドリックを気に留める。しかしそんな彼女に

「ガートルードさん、急いで走って下さい! ガルドリックさんなら大丈夫です!」

 エリスフィーナが

大きな声でガートルードを急かしてきた。

「で、ですがお一人では……」

 それでもガートルードは彼を一人ここに残していく事に躊躇する。

「私達は次の分かれ道で一旦待機します。ガルドリックさんも急いで来てくださいね?」

「ああ、分かった。エリス、王女様は任せた!」

 エリスフィーナがガルドリックと段取りを確認し

「さぁ、走って! 先に行って下さい!」

 ガートルードに逃走の先行を促し、エリスフィーナはその後に続くのだった。

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