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女神様にハイエルフとして長生きする様お願いされました。  作者: 大鳳
第一章 勇者パーティー編

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お忍びの王女様

「ガルドリックさん! 私も行きます!」

 流れで後を追う事になってしまったエリスフィーナは裏路地を駆けていくガルドリックとマントの少女の後を追う。

「エリス……? 何で来た! 君は安全な宿に戻れ!」

 エリスフィーナも盗賊達に追われる事になってしまった経緯を知らないガルドリックは宿での待機を指示するが……

「わ、私も追われる様になってしまったんです! 戻れません!」

 一から十まで説明していられる状況では無いため、事実だけを端的に路地裏を駆けながら説明する。

しばらく路地裏を駆けていると街の喧騒が薄れ始めいつしか追手の声も聞こえなくなってきていた。

「よし、とりあえずはここで良いだろう」

 ガルドリックは走るのを止めるとマントの少女に振り返り

「お嬢さん、詳しい話を教えて貰えないか?」

 マントの少女から改めて今までの経緯とこれからのきぼうを尋ねる事にするのだった。

「わ、私はガートルード・レイノア・ローランドと申します。このローランド王国の第二王女です」

 フードを下ろしたマントの少女は艶のある金髪を顕にした。言われてみると確かに冒険者からは感じられない気品の様なモノが感じられた。

 具体的に何がとは表現し辛いが、髪をかき上げる何気ない仕草など一朝一夕には真似の出来ない長年の日常によって積み重ねられた結果が滲み出ているのである。

「私は……日々の王宮での生活に疲れてしまいまして……今日は評判のお料理を街に食べに来ていたのです」

 ガートルードの話によると、最近の王宮での生活に息苦しさを感じでお忍びで街に食事に出ていたのだという。今日は単なる息抜きで食事に来ていただけなのに、いきなり盗賊達に襲われガートルードはすっかり憔悴していた。

 一緒に来ていたのは彼女が信頼するお付きの侍女や護衛であり皆が彼女の関係者であるそうだ。

「なるほど……、じゃあその格好もただの変装って訳だ」

 ガルドリックが指摘したガートルードのマントの下は赤いワンピースに白いプレートアーマー、腰に細剣、黒ニーソにロングブーツという……ある意味エリスフィーナの2Pカラーと言った感じの衣装を着ていた。

 今のエリスフィーナはプレートアーマーを宿屋に置いたままだから青いワンピースのみなのだが……

「あ……そんなに目立ってます?」

 自分では分かっていないらしいガートルードがエリスフィーナと自分を見比べながらガルドリックに尋ねる。

「ま、まぁエリスフィーナも綺麗にしてるからな。後は細かい仕草とかだからすぐに直すのは無理だろう」

 エリスフィーナに矛先が向いたからかガルドリックが彼女に気を使う様にしてガートルードの質問に答える。流石に勇者パーティーの一員の普段着が浮いてるとは言えない様だ。何かを察したエリスフィーナはションボリと長い耳を垂れ下げている。

「それじゃ、とりあえずは城に戻るで良いのか?」

 場の空気を変えようとガルドリックが当面の目標を口に出す。そんな彼の言葉にガートルードは無言で頷く。

「じゃあ、帰り道は……え〜と、分からなそうだな」

 土地勘の無いガルドリックは城への帰り道をガートルードに聞こうとしたが、地元とは言え城下町に詳しくないらしい彼女は首を横に振る。

「とりあえず大通りを目指そう。人の多い場所に出れば奴等もそう簡単には襲ってこないだろう」

 こうして三人は裏路地から、追手の盗賊達に見つからない様に王城への帰り道を辿る事になったのであった。



 三人が少し歩き始めたところで

「大通りは人の多そうな場所ですよね? こっちの道を行けばそっちの方が近いですよ?」

 歩くパッシブソナーなエリスフィーナは大通りに続いていそうな脇道を指差して皆に知らせるが……

「あの、出来るだけお城に近付いてから通りに出たいんです……」

 ガートルードは明らかに難色を示している。大通りに行けば衛兵も居るだろうから助けを求めるのに最適なはずなのだが……

「お忍びで街に出てきたから衛兵には見つかりたくないんだろう。城に近づくまでは極力避けていこう」

 一方、意向を汲んだらしいガルドリックの発言にガートルードは安心した様な表情を見せる。

「お忍びでお姫様が城を抜け出して賊に襲われたとあっちゃ、同行してた侍女や護衛の責任問題になっちまう」

 ガルドリックが話す通り、王女が街に出たいと言ったところでそれを止めるのが侍女や護衛の仕事である。

 そんな責務を果たさなかった彼等の責任は重大であり一般の衛兵が事に関わってしまったらもみ消しも難しくなってしまうという事の様だ。

 自分の提案を否決され首を傾げているエリスフィーナに、ガルドリックが丁寧にそれらを説明し終え、彼女か話を理解したその時

「大通りには居ねぇぜ!」

「まだ路地に隠れているのかもしれねぇ! 虱潰しに探せ!」

 エリスフィーナ達の進路上から盗賊達らしい男達の声が聞こえてきた。

 今のエリスフィーナ達は細い裏路地の十字路な場所に居る。前からやってくる盗賊達をやり過ごすなら左右の更に細い路地に入るべきなのだが……

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