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女神様にハイエルフとして長生きする様お願いされました。  作者: 大鳳
第一章 勇者パーティー編

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ローランド王国の王都

 盗賊団に襲われたエリスフィーナ達はなんとか盗賊達を退けて王都への旅路に戻る事が出来ていた。

 捕まえた盗賊二人は街まで捕縛したまま連れ歩くのも面倒という話になり、ガルドリックの判断で野に放つ事にした。

 しかし、ただの釈放では無く、後ろ手に縛ったまま不自由な状態での釈放となった。

 これでは魔物や他の盗賊に襲われれば何も出来ずに餌食になってしまう。相当に運が良くなければ助かる事は無いだろう。

「くそ、てめえら覚えてやがれ!」

「ガキどもの分際でふざけやがって! 覚えてろ!」

 それでも盗賊二人は一縷の望みをかけて、ガルドリック達に悪態をつきながら人気のある集落を求めて街道を駆けていくのであった。



 盗賊達に襲われてから数日、森を抜けた先に白い城壁に囲まれた大都市がエリスフィーナ達の前に現れた。

 都市に近付いてきたせいか冒険者や商人達の姿も頻繁に見かける様になってきていたが、こうして大都市が目の前に現れると流石に異国にやってきたという実感が湧いてきていた。

 都市の外まで人々の喧騒が聞こえてくる辺り、相当に活気に溢れた大都市である事が伺えた。

 アトレイス公都が地方の県庁所在地程度の賑わいとするならローランド王都は文字通りの大都会と言えた。

「さ〜て、早速酒場行こうぜ! メシだメシだ!」

 ようやく辿り着いた大都会を前にヴァイスが流行る気持ちを抑えるつもりが無い様だ。

「私は早くお風呂入りたいです……」

「私も〜! 汗ばんじゃって気持ち悪い〜!」

「ローランド王都には大規模な公衆浴場があったはず……」

 ヴァイスパーティーの女性陣ソフィー、エイミー、メディナの三人は皆が口を揃えてお風呂行きを選択している。

「なんだよ、皆揃って。腹が減ったら戦出来ないだろ?」

 あくまで酒と食事を優先したいヴァイスだったが


ーポンポンー


「ヴァイス、こういう時は長いものに巻かれておいた方が良いぞ……」

 ガルドリックがヴァイスの頭に手を乗せて年長者としての処世術を説く。

「エリィもお風呂が良いでしょ? 貴女、公衆浴場初めてじゃない?」

 王都に続く道を歩きながらメルティーローズがエリスフィーナに尋ねる。

「……公衆浴場は話でしか聞いた事無くて……どういう所なんですか?」

 自宅の浴室しか知らないエリスフィーナにとって公衆浴場など想像も付かない様だ。

「公衆浴場はねぇ、でっかい浴槽があるところなの。後はサウナだったりお風呂上がりにミルク飲めたりね。あ、クリーニングもあるから洋服洗濯に出しちゃってもいいわね」

 メルティーローズはすっかりお風呂気分になっている。ローランド王都はアトレイス公国にある山脈からの雪解け水が森を経由して王都に流れ込んでいるのである。

 その為かローランド王都は大陸随一の水の都とも言われている豊かな都市なのだ。

 水の流れる場所には人が集まり都市が形成されていくのは古代文明の盛衰から見ても一目瞭然だろう。

「クリーニングなんてのもあるんですね……」

「盗難とか紛失とかあるから本当に大事な貴重品とかは出さない方が良いけどね〜」

 都会のサービスに感嘆するエリスフィーナにメルティーローズは丁寧に説明していく。そんな話をしていると一行はいつの間にか王都の中へと入る事が出来ていた。



 雑多な人々が行き交う街中の目抜き通りを少し進んだところに大きな噴水のある広場が見える。そして、それに面した一角に巨大な石造りの建物があった。

「あ〜、アレだね〜!」

「他の国でも有名ですからね。ここの銭湯」

「お金、先払いだったっけ?」

 エイミー達、若い冒険者女の子勢はすっかりお風呂気分だ。

「エリィ、貴女お金大丈夫? お姉さんが出しといてあげよっか?」

「すみません。ありがとうございます……」

 勇者パーティーに参加しているとは言っても、冒険者としてまだ本格的に仕事をしていないエリスフィーナの手持ちは里から出た時に両親から持たされたお小遣いしか無い。先日盗賊を退けたとは言ってもRPGでは無いのだから金銭が得られる訳ではないのだ。

「じゃあ、風呂から上がったらその辺で落ち合おう」

「メル、迷子になったりしないで下さいね? 貴女は方向音痴なんですから」

「お前等、勝手にどっか行ったりすんじゃねーぞ!」

 男性陣は男性陣で男湯へと消えていく。ここの銭湯は一応男女で分けられている様だ。

「いらっしゃい! アンタら外からの冒険者だね? 入浴は銅貨五枚だよ」

 受付に居る番台のおばちゃんが気さくに声を掛けてきた。

「この子と二人分〜♪」

 メルティーローズは財布から穴開き銀貨一枚を番台のおばちゃんに手渡す。

「あいよ〜! 洗濯サービスは一人穴開き銀貨一枚だからね。使うんなら係りの奴に脱衣籠とお金を渡すんだよ?」

 おばちゃんは銭湯のルールを手短に教えてくれた。何からなにまで初めてなエリスフィーナでも次からは一人でも来られそうだ。

「あの……メルさん? 本当にお金大丈夫なんですか?」

 あまりに出して貰い過ぎな気がして気が引けているエリスフィーナが自分の財布を出しながらメルティーローズに尋ねる。

 そんな彼女の財布をチラ見したメルティーローズは慌てた様にエリスフィーナの長い耳に顔を近づけて耳打ちする様に

「金貨は人前でホイホイ見せちゃ駄目。街中で使うなら銀貨と銅貨あれば十分だから暇を見て両替所行きましょ」

 金貨を持ち歩く危険を説きエリスフィーナに両替所の存在を教えるのだった。

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