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女神様にハイエルフとして長生きする様お願いされました。  作者: 大鳳
第一章 勇者パーティー編

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隣国へ

 宴会を終えたガルドリック達は、街で休むこと無く雑貨屋での買い物を終えると早々にアトレイス公都を去るのだった。

 あまりの強行軍にヴァイス達からは不満の声が出たが、街では目立ちすぎると判断し休むのは身が隠しやすい野営か周辺の農村で行う事にするのだった。

 今回は夜も更けていた事もあり街道から離れた森の中にて天幕を使った野営をする事となった。

「なんでわざわざ森の中にするんだ? 街道の近くの方が直ぐに逃げられるだろ」

 少しお疲れ気味のヴァイスがガルドリックに食って掛かり気味に尋ねてきた。

「森の中なら夜目も効きづらい。相手が誤認してくれるかもしれん。見通しの良い場所では相手からも丸見えになるからな」

 天幕を組み立てながらガルドリックが若い冒険者達に説明する。

「良い機会だ。焚き火も敵から見つけづらいやり方にしよう。ゴブリン対策だ」

 ガルドリックは野営時の敵の襲撃を警戒する歳の焚き火の作る方を実行し始めるのだった。

「ゴブリンてのはただでさえ夜目が効く。そんな連中に焚き火の直火を見つけられたらあっという間に集られる」

 ガルドリックは地面を掘ってその中に焚き火を作り始めた。

「焚き火は出来るだけ焚いた方が良い。夜に奇襲を受けても敵がすぐに視認出来る」

 現状の把握には視認するしか無い以上、迅速に準備出来る光源は重要だ。

「でも、明かりの魔法使えば良いんじゃ……?」

 メディナが自身の魔法を念頭に置いた質問をしてきた。

「貴重な一手を現状把握に使う余裕が常にあるとは限らない。慣れない内は咄嗟の行動は最良なモノに絞っておいた方が良い。迷っていたら死ぬぞ」


ーボオオオッ!ー


 焚き火に火がついたところでガルドリックはヴァイスとエイミーに

「少し離れた向こうからこっちを見て焚き火の目立たなさを確認してみてくれ」

 多少離れた場所からの焚き火の隠匿性の確認を行わせる。

「あ〜、見てきました。ちょっと離れたら焚き火してるなんて分かんなかったッスね〜」

 帰ってきたメンバーを代表してヴァイスが感想を述べた。

「それじゃ皆は朝まで天幕で休んでくれ。俺が見張っておくから心配するな」

 と、ガルドリックは皆に先に休む様に勧めてきた。

「え、良いんすか? すみません。それじゃ……」

「お先に失礼しま〜す」

「おやすみなさい」

「それじゃ、よろしく……」

 新人メンバーは宴会の酒もあった為か皆が素直に天幕に入っていった。

「なにかあったら声掛けてね〜♪」

「何かありましたらいつでもお呼び下さい」

 メルティーローズはガルドリックに手をヒラヒラと振りながら、クレスは眼鏡を外しながらこちらもすぐに天幕へと引っ込んでいった。

(…………)

 最後に残されたエリスフィーナだが、一人で見張りをすると言うガルドリックの事が気になり

「ガルドリックさん……あの、私も見張りします」

 そう言うと、焚き火の側の倒木をベンチ代わりにしてそこに腰を下ろすのだった。



 ガルドリックと二人で焚き火を囲んで見張りを続けているが、基本二人共物静かなタイプなので会話はあまり無かった。その中でも

「こいつ、飲むか? 少しは眠気が取れるぞ」

 ガルドリックがコーヒーを勧めてくる一幕後あり

「……暖かいです」

 初めて飲むコーヒーを皮切りにそれが会話のキッカケとなり

「……ガルドリックさん? これから私達はどうするんですか?」

 渡されたコーヒーを飲みながらエリスフィーナが今後の展望について尋ねる。

「とりあえず、ホワイトクラウン王国の手が届かない場所まで行くしかないだろうな」

「その先は……?」

 今のエリスフィーナ達はとりあえずホワイトクラウン王国から離れる必要がある。魔王を倒した功績を独占したいホワイトクラウン国王にとって詳細を知るガルドリック達は障害と成り得るからだ。それはガルドリック達にその気があろうとなかろうと何も変わらない。ガルドリック達が国王にとっての不安材料である事に変わりはないからだ。

「本当は故郷に帰って村の復興を手伝いたかったんだが……そうもいられなくなっちまったからな」

 ガルドリックが元々考えていた将来の展望を語る。彼が話すには、ガルドリックとマリアリアは魔王軍に滅ぼされた今も魔族領とされている地域の出身なのだそう。

 だから、魔王軍を追い出してマリアリアと結婚し村を再建するのを目標としていたそうなのだが……

「マリアリアとはこんな事になっちまったし、今更魔族領にも戻れないしな……。パーティーの皆の安全確保する事しか今は考えてない」

 ガルドリックはやや自嘲気味に将来の展望について語る。

「でも……後進の育成をメインにやっていくのもいいかなとは思ってきた。暫くは現役で居られるだろうがゆくゆくはな……」

 パチパチと枯れ枝が焚き火の中で音を立てながらエリスフィーナとガルドリックの見張りの夜はさらに更けていくのだった。



 その頃、天界では異世界の先行きに頭を悩ませている女神が居た。

「なんなのよ。勇者の系譜が途絶えたって……そんなのテキトーにその時の世代から見つければ良いじゃなない!」

 異世界管理課の女神レアから仕事を回されて残業となってしまったアルダト・リリーが頭を悩ませボヤいていた。

 本来の歴史では魔王を倒したガルドリックとマリアリアの二人が結ばれて、勇者と聖女の子孫から次の魔王と戦う勇者候補が生まれる予定だったのだ。

 しかし、転生者であるキリヤ王子の存在が歪みとなってエリスフィーナとガルドリックが親密になってしまって本来の歴史からズレてしまったのだった。

 この歴史の修正は容易では無く、キリヤ王子を転生させてしまった彼女が後始末を行うハメになっているのだ。

「レアも細かいんだから……。キリヤがあんな無軌道に動くなんて私に分かるわけないじゃない! も〜、早く帰りたい……」

 この状態から修整するにはガルドリックとマリアリアを無理やり復縁させる菓子ないのだが……

(エリスフィーナ……ちょっと邪魔ねぇ……。うまく退場させられないもんかしら……?)

 さしあたっての障害と言えるエリスフィーナをなんとかしなければ復縁は難しいのがアルダト・リリーの見立てである。

「レアは他の異世界見に行っちゃってるし……私でやるしかないわね……」

 こうして女神アルダト・リリーの手によって歴史の修正が試みられるのだった。

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