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女神様にハイエルフとして長生きする様お願いされました。  作者: 大鳳
第一章 勇者パーティー編

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通過地点

 エルフの里を出たエリスフィーナ達、勇者パーティーは何の妨害を受ける事も無く順調にアトレイス連邦に入る事が出来ていた。

「隣国に来られたとはいえ、まだ安心は出来ない。俺達はホワイトクラウン王国の許可なく出国した身だ」

 ガルドリックが街に入ったメンバー達に歩きながら説明する。

彼の目標としてはホワイトクラウン王国の力の及ばない海を越えた遠い国へ渡るというものになる。

 故郷の大陸からも離れてしまう事を皆に確認するが

「私は構わないわよ。いっぺん別の大陸ってのも拝んでみたかったし?」

「しかし、船というものは大層揺れて気持ち悪くなるものだとか……私は少々不安ですね」

 メルティーローズはあっけらかんとしているが、クレスは船酔いに不安を覗かせている。

「私は……海と言うものを初めて見られるのならとても楽しみです!」

 一人目を輝かせているのはエリスフィーナだ。すっかり山育ちで海を知らない人になっている。森育ちのハイエルフだが。

「雑貨屋と道具屋で必要な物を買うに留めてこの街は早めに出よう。王国の連中が追ってきたら事だ」

 アトレイス公国に着くまでもエルフの里で休んだきりの強行軍だったが、ガルドリックは更に急いで東に向かうつもりである様だ。

 そんな彼等が雑貨屋に次の旅の為の買い出しに向かうと

「あ! 勇者様〜!」

 通りでとある冒険者達の一団に声を掛けられた。エリスフィーナはピンと来ていなかったがメルティーローズは

「あ、お〜い! 久しぶりじゃない! 元気してた〜?」

 明らかに知っている間柄な反応を見せた。

(え、誰……?)

 と、エリスフィーナがガルドリックとクレスに目をやると二人共明らかに知り合いを見る顔をしている。

 クレスに至ってはに斜め四十五度で一番見た目に栄えるにこやかイケメンスマイルを形作っている。

 ガルドリックがキョロキョロとしている様子のエリスフィーナに

「ああ、あの子達は前に魔石鉱山で助けた新人冒険者達だ。君は……大変だったからな。覚えていないのもムリは無い」

 肩をポンポン叩いて不安がらない様に言い聞かせてきた。

 そういえば……レザーアーマーにナイフ持ちの声を掛けてきた金髪ポニテの女の子には見覚えがある。

 あの時はゴブリンに襲われてボロボロだったから、分からなかったが……今では普通の冒険者に見える。

 他の三人は……ブロードソード持ちの茶髪少年が一人、白い法衣の水色長髪少女神官が一人、紫セミロングの黒ローブ魔術師少女が一人と言った構成だ。

 女の子ばかりと言った華やかな構成だが、新人冒険者だというのにバランスが取れているある程度なら柔軟性が確保されている編成だ。

「以前は助けて頂いて本当にありがとうございました!」

 エイミーが元気よくガルドリックに挨拶する。それに続いて

「あ、ありがとござっしたぁ〜」

 どこぞチャラいのコンビニ店員みたいに後から茶髪戦士が続き

「あ、ありがとうござっした!」

「あの時は助かりました、ありがとうございます」

 深くお辞儀をする神官少女とやや冷静な雰囲気の魔術師少女が続く。

「いや、君達が元気そうならなによりだ。俺達も嬉しいよ」

 新人冒険者達にガルドリックが労いの言葉で返す。すると

「あの、勇者パーティーの皆様にお礼させて貰えませんか?」

 エイミーが元気よく発したその言葉に

「お礼……ですか。私達は構いませんが彼女が許すかどうか……」

 クレスが顎に手を当ててメルティーローズを観ながら意味深な事を呟くが


ースパアァン!ー


「あだっ!」

 勢いよくクレスの後頭部をメルティーローズが引っ叩いた。

「ごめんね〜、この糸目の言う事なんかきにしなくて良いから♪」

 十代半ば位のエイミー達にはクレスの勿体ぶった言い回しが通じていなかったのは幸いだが、メルティーローズからの制裁はキッチリ受け取る羽目となった。

「お礼……とは? 俺達は少し急がなければならなくてな……」

 ガルドリックが急ぎの旅路を理由にエイミー達からの申し出を断ろうとするが

「一杯奢らせて下さい!」

「命の恩人の皆様ですから、女神様も感謝は行動で示すのが大事と仰られますから……」

「お世話になりっぱなしじゃあまり気分が良いものじゃないしね」

 元気よく話すエイミーの屈託の無い笑顔と真っ直ぐに神様を信じる神官少女、貸し借りが苦手そうな魔術師少女の態度にガルドリックは誘いを断る二の句が継げなくなっていた。困った彼は他のメンバー達に目をやるが

「お酒くらいなら良いんじゃない? その位の時間はあるでしょ?」

「彼女達が普通に接してきているのなら、私達はまだお尋ね者にはなっていないのでしょう。情報収集も兼ねて一休みされても良いのでは?」

 メルティーローズは乗り気であり、クレスは断る理由は無いと言った様子だ。残ったエリスフィーナはニコニコとお任せしますと言った態度だ。

「分かった。そういう事なら喜んでご馳走になろう」

 こうしてガルドリック達はエイミー達に誘われてアトレイス公国公都の冒険者ギルドに立ち寄る事になるのであった。

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