表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女神様にハイエルフとして長生きする様お願いされました。  作者: 大鳳
第一章 ガルドリック編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/62

極大魔法

「な、馬鹿な……! 貴方、魔導拘束具はどうしたのですか!」

 賢者クレスが取り付けていたハズの拘束具を付けていないキリヤ王子に驚愕の表情を向けながら問うが

「あんなモンで俺を抑え込もうなんざ十年はえーんだよ」

 黒髪をボリボリ掻きながら面倒そうにキリヤ王子は答える。

「で、要は魔王を倒してやりゃ良いんだろ? 俺が綺麗さっぱり終わらせてやるよ」

 キリヤ王子は皆の前に立つと無造作に魔力を高め始める。


ーシュウウウ……ー


 キリヤ王子の周囲には魔力の波動が集まり周囲に緑色の渦と光を纏い始めている。

「お待ちなさい! 今は一騎打ちの最中……手出しは無用です!」

 賢者クレスがキリヤ王子を制止しようとするが

「うぜーんだよ。要は勝てば良いんだよ、勝・て・ば!」


ーキュイイイィッ!ー


 キリヤは存分に溜めた魔力を前に翳した右腕に集中させていく。

「馬鹿な……! 魔王は……?」

 賢者クレスが魔王を確認する。彼がガルドリックの大剣をいなしながら明確にキリヤ王子の様子を視認しているのが確認出来た。

「魔王は何かの策を用意しています! 魔法を撃つのは危険です!」

賢者クレスが再度キリヤ王子に叫ぶ。普段冷静沈着な彼からしてみれば珍しい程の感情の現れだった。

「ギガンティック・エクスプロージョン! 吹っ飛びやがれぇーっ!」


ーバシュウウウーッー


 キリヤ王子はクレスの静止も聞かず極大破壊魔法を魔王目掛けて放った。キリヤ王子の右手から小さな光点は一直線に魔王へと向かっていくのだった。



 ガルドリックとの剣戦の最中、キリヤ王子が魔法を撃とうとしている事に気付いた魔王アスモデウスは

「残念だがお前と遊ぶのはここまでだ。恨むのなら無能な仲間を恨むが良い」


ーガギイィィン!ー


 魔王アスモデウスはガルドリックが打ち込んだ大剣を大きく振り払うと大きく後ろに飛び退いた。そして

「魔王に横槍など通用せんぞ! ダークリフレクション!」

 魔王が左手をキリヤ王子に向けて翳すと


ーシュウウウ……ー


 魔王の前面に漆黒の壁が現れた。そしてその壁にキリヤ王子の放った光点が触れると


ードドオオオオォォォン!ー


 凄まじい爆発が魔王の展開した黒い壁の逆方向に向けて襲い掛かった。そこには魔王と打ち合っていたガルドリック、広場の上空で磔にされているエリスフィーナ、そして魔法を放った張本人であるキリヤ王子と勇者パーティーの皆がそこに居た。



 広場の上空から戦場を見ていたエリスフィーナには何が起きるかは予想がついてしまっていた。

 魔力を溜めたキリヤ王子が魔法を放ったその時

(ウンディーネさん、ガルドリックさんを守って!)



ードドオオオオォォォン!ー


 爆発が起きると同時に上空のエリスフィーナにも爆炎と爆風が襲い掛かった。

 磔のエリスフィーナには防ぐ事も避ける事も出来なかったが

(エリスフィーナ、爆風だけなら私の力で逸らしてあげるから頑張って)

 風の精霊シルフの声が聞こえ爆風の風圧はエリスフィーナから逸らされていったのだった。



 魔法による爆発が魔王の黒い壁により跳ね返されたキリヤ王子達は

「ホーリーウォール!」

 マリアリアが展開した光の壁によってどうにか事なきを得ていた。

 しかし、エリスフィーナを助けたシルフが逸らした爆発のエネルギーは広場の周囲に深く掘られていた空洞へと向けられ


ーゴゴゴゴゴ……ー


 ガルドリック達が戦っている広場そのものを揺るがし始めたのだった。



「くっ!」

 魔法の爆風をモロに受けたガルドリックは反射的に床に伏せた。

 彼はすぐに襲ってくる衝撃と熱気に身構えたが


ーシュウウウウゥゥゥ……ー


 彼が見たのは水の精霊ウンディーネと彼女が展開した水の壁が蒸発していく光景だった。

 瞬間的に発生した水蒸気は辺り一帯を白い湯気で多いその視界を白く覆ってしまっていた。

「今しか……無い!」

 立ち上がったガルドリックは全身の勢いと共に大剣を魔王が逃げた先へと向けて突進した。


ーズシュウッ!ー


「ぐほおっ!」

 そして、突進してすぐガルドリックの両腕には何かを貫いた衝撃と、耳には何者かの叫びが響き渡った。

 目の前には円形広場の端となる断崖が、そして目の前には胸に大剣が突き立てられた魔王アスモデウスの今際のぎわの姿があった。

「フ……考え無しの大魔法かと抜かったわ。それすら目眩ましに使うとはな……」

 全てはキリヤ王子の向こう見ずな行き当たりばったりだったのだが、魔王はこれが化かし合いの一部であったと思っている様だ。

「まさか、この空間を破壊してでも……我との相打ちも辞さぬ覚悟で来るとはな……お前達の覚悟、見誤ったわ……」

 魔王アスモデウスは何かを一人で納得しているが、ガルドリックはある意味勇者パーティーのリーダーとして人一倍空気を読む男。沈黙は金とばかりに魔王の気が済む様に喋らせていた。

「だが、この空間はいずれ崩壊しよう。あの大爆発の衝撃に耐えられるはずも無い……」


ーゴゴゴゴゴ……ー


 ガルドリックが広場の地響きに気付いたのはその時だった。それは大爆発の衝撃がガルドリック達が立つ広場を含めた地盤に深刻なダメージを与えていた証拠だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ