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女神様にハイエルフとして長生きする様お願いされました。  作者: 大鳳
第三章 魔法学院編

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級友

「その子が意識を取り戻して、問診出来たらそれに合わせてポーションを飲んで貰いましょう」

 マシュー先生は棚から色とりどりの小瓶に入れられたポーションを机の上に並べていた。

「先生? そんなに沢山のポーション……どうされるんですか?」

 一般的に体調を回復させるポーションの種類自体はそう多くは無い。効力を細分化しすぎてしまっては武人の蛮用にはとでも耐えられず、そもそもが売れなくなってしまう事が容易に推察出来るからだ。

 残念ながらある程度は物覚えが悪い者でも問題なく理解出来る単純で解り易い製品の方が有難がられるものなのである。

「う〜ん……ここは……?」

 マシュー先生がお気に入りらしいポーション群を机に並べているうちに、大怪我して気を失っていた女生徒がようやく覚醒しだしてきた。

「ここは保健室、貴女は授業中に事故に遭って倒れてしまったの。どこか身体の調子おかしい場所はあるかしら?」

 ガートルードが目を覚ました女生徒に事の経緯を説明している。一方の女生徒はベッドに横になりながら彼女の話を黙って静かに聞いていた。

「身体の怪我はマシュー先生が治して下さったのだけど……もしかしたら、何処かおかしな場所があるかもって……どう?」

 ガートルードの質問に女生徒は特に身体の不調に思い当たるものは無い様だ。

「私は大丈夫です。ご心配お掛けしてごめんなさい」

 女生徒はベッドから起き上がると、ガートルードに向き直ってしっかりとお礼の言葉を口にする。

「あ、あの……私はアリシア・アンダーソンと申します。王女様にお手間を取らせてしまって申し訳ありませんでした」

 アリシアと名乗った女生徒は王女に世話を掛けてしまった事に改めて恐縮している様だった。

 ガートルードとアリシアが話している間、ベッドの反対側に座っているエリスフィーナは

(なんとなく……会話に参加しづらいですね……)

 アリシアはガートルードの方に気が向いていてエリスフィーナに気が付いた素振りは全く見せていない。そんな状況でエリスフィーナが話し掛けたらきっと無意味に驚かせてしまうに違いない。

 そう考えたエリスフィーナが一言も発さない様、無意味に息を殺していると

「お身体は大丈夫ですか? もし、打ち身で身体に鈍い痛みが残っていましたらこちらのポーションがありますので……」

 マシュー先生がこの期に及んでまだ、出番の無くなったポーションを有効活用したいと話し掛けてきた。

「あ、結構です。身体に不調は感じられませんので……」

 アリシアはそう言うと、ベッドから出て

「お世話になりました。もう大丈夫ですので……失礼します」

 マシュー先生にお辞儀をしてガートルードに振り返り

「ガートルード様にもご心配お掛けしました。ありがとうござ……い……ます?」

 ベッドの方に振り返ったアリシアだが、ここでようやくエリスフィーナの存在に気付いたのか、綺麗な二度見を披露してくれた。

「あ、あの……クラスメートのエルフの方でいらっしゃいますよね? えーと……」

「エリスフィーナ・ヴァールハイトです。驚かせてしまったみたいでごめんなさい」

 自己紹介がまだだったエリスフィーナはこの機会にアリシアに名前を名乗る。それにしても成り行きとは言えガルドリックの姓を名乗るのはどうもこそばゆい。

 もっともガルドリックと居を共にしている以上は彼の庇護下にあるも当然である。

 また、このローランド王国にて社会生活を営んでいくにしても素性を説明するに当たり『ガルドリックさん家の誰々〜』と説明出来るのは何かと手間が掛からないという利点がある。

 仮に職務質問でもされたりなんかしたら名前だけで名乗るより、勇者と一緒に住んでる者ですと、簡単に説明出来るのはエリスフィーナが自身の名前だけで素性の説明するのとでは天と地ほどの説得力の違いが出てくる。とは言うものの……

(やっぱりまだ慣れない……かも)

 なんとなくの気恥ずかしさが払拭出来る訳でも無い。自己紹介したエリスフィーナは自分で自分の名前に照れてしまっていた。



「アリシアさん、保健室から出てきちゃったけど本当に大丈夫?」

 マシュー先生にお礼を言って保健室を後にしたエリスフィーナとガートルード、アリシアの三人は自分達の教室に向かって共用棟の廊下を歩いていた。ガートルードが病み上がりのアリシアに体の具合を尋ねると

「ええ、何も問題はありません。ところで実習の時に何があったんですか?」

 アリシアは自身が怪我をした実習の時に何があったのか尋ねてきた。頭に魔法の跳弾を受けた彼女はその時の事は何も覚えていない様だ。

 だが、そんな大怪我を負ったアリシアだが、傷跡は全く残っておらず癖のついた長い金髪は綺麗に日の光に照らされている。

「それは……誰かが見学中に魔法を間違って使ってしまったらしくて……」

「ミリア先生が跳弾対策に張っていたマジックシールドに跳ね返された魔法が当たったみたいです」

 ガートルードとエリスフィーナの二人で、何が起きたのかアリシアに説明するのだった。

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