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女神様にハイエルフとして長生きする様お願いされました。  作者: 大鳳
第三章 魔法学院編

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神様の事情

 ガートルードが女神様に祈りエリスフィーナもまた精霊神に祈り女生徒の治癒を願いながらマシュー先生による神聖魔法による懸命の治癒魔法が続けられていた。

 女生徒の怪我はそもそもの当たりどころが悪かったのか、彼女の顔色はずっと青白いまま変わらないでいた。

 精霊神に祈って通じる話なのか頭に疑問符を浮かべながらもエリスフィーナが敬愛する神に女生徒の助命を願っていると……


ーヒュウウウゥゥー


(ねぇねぇ、精霊神様が何か用事か?って尋ねられてるんだけど……何か尋ねられた?)

 実習場に一陣の風が舞ったかと思ったらエリスフィーナの耳にシルフからの声が届いてきた。

 彼女の話しぶりから精霊神とのやり取りを仲介してくれる様だが……

「あ、あの……そちらのクラスメートの方が大怪我をされてしまって……治癒にお力添えを頂けたらと思いまして……」

 エリスフィーナがシルフに事情を簡単に説明すると……

(え〜と、精霊神様がね? 人間の生き死にに関する願いは管轄外だから直接女神様に願ってくれって……)

 シルフからは直ぐに返事が返ってきた。エルフ達にとっての全能神である精霊神から人間世界の紙とされている女神様を信じる様にたらい回しされる様な言い回しはエリスフィーナを少なからず困惑させていた。

(あ、でも今回は精霊神から女神レア様に確認取ってくれるって♪ だからちょっと待っててくれって)

 シルフからの女神レアへ用件を取り次いでくれるとの連絡にエリスフィーナがそういうものなのかと成り行きを見守っていると


ーパアアァァ!ー


「う、うん……?」

 マシュー先生とガートルードから光が発せられ、その光に照らされた女生徒が意識を取り戻し始めた。

「良かった。何とかなりそうです。落ち着いたら彼女を医務室へ連れていきましょう」

 マシュー先生がヒールを女生徒に掛けながら安堵の声を上げる。意識不明だった女生徒が快方に向かったところで

「お前達! 実技授業中に一体何をした!」

 ミリア先生が先程の実技中に待機列に居た女生徒達に向けて怒鳴り声を上げた。

 そんな彼女の迫力に女生徒達は辺りを見回しているが何があったのか誰もよく分かっていない様だった。

 ただ、女生徒達の中の一角に固まっていたイザベラとその取り巻き達を除いて……だ。

「私達ただ魔法のイメトレしようと思っただけでーす」

「試し撃ちしようとしただけであんな事になるなんて知りませんでしたー」

 イザベラに引き続き取り巻きのアマンダが不貞腐れた様に弁解する。

「練習したいなら許可を取ってからにしろ! 流れ弾対策のマジックシールドの内側から魔法を撃つなど斜め上の行動をするな!」

 どうやら今回の騒動はイザベラ達がマジックブリッツを用いてガートルードにちょっかい掛けようとしたのが発端である。

 そこに、ミリア先生が流れ弾対策に展開していたマジックシールドに内側から当ててしまった事でマジックブリッツが跳弾となって怪我人が発生してしまったという人災だったと言う事だ。

イザベラ・アン・ハイランド! アマンダ・ジェーン・マクファーソン! お前達は自習室に来い! 反省文だ! 残りの者は教室へ移動だ。不用意な魔法の使用がいかに危険か講義をやり直す!」

 ミリア先生はそう言うと女生徒達を教室へ帰る様に促しつつ

「マシュー先生、その女生徒は保健室にお願いします。ガートルード・レイノア・ローランド、エリスフィーナ・ヴァールハイト。お前達はその女生徒に付き添ってやれ」

 エリスフィーナとガートルードに指示を出して他の女生徒達と教室に引き上げていった。

一方のマシュー先生指示の元で保健室に向かったエリスフィーナとガートルードは意識が不明瞭な女生徒に付き添っていた。

「今はしっかりと休ませましょう。先程の光は私もこれまで経験した事の無い神々しい光でした。もしかしたら皆の祈りの想いに女神様が耳を傾けて下さったのかもしれません」

 保健室に着いたマシュー先生は戸棚からポーションらしき小瓶を取り出しながら、ベッドで休んでいる女生徒に寄り添っているガートルードとエリスフィーナに感謝の言葉を伝えていた。

(シルフさんから精霊神様に話が伝わって……女神様に届いたとか……?)

 シルフから精霊神に話が伝わるとは思うが精霊神から女神に話が行くのかどうかエリスフィーナには知りようが無い。

 そもそもがどちらが神としての格が高いのかなどエリスフィーナだけでは無く、異世界の誰もが知らないからだ。

 精霊神以外にも文化圏の違いによってそれぞれの神は存在しているがそれぞれの神についての優劣など誰も真実は知る事が出来ないからだ。

 かと言って神自身が『自らが唯一神である』やら『我は神々の王、最高神である』とか名乗るわけでも無い。

 神々はこの異世界ではそれぞれの地域に受け入れられやすい形で住み分けしている様なものなのである。

 実際のところ、異世界を管理している天界の女神レアが全権を握るこの異世界の最高神である。

 その他の神々はレアから神力を分け与えられ、それぞれがそれぞれの分担地域で異世界の管理を努めているに過ぎない訳だが……そんな俯瞰視点に立てるのは異世界の神々か、或いはそれに類する存在でなければ不可能なのである。

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