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女神様にハイエルフとして長生きする様お願いされました。  作者: 大鳳
第二章 勇者パーティー編

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初加入者

「あ!」

 角を曲がった先でこちらの様子を覗っていた人影が驚きの声を上げる。

「あ……!」

「あー! アンタは!」

 その人影に見覚えのあったエリスフィーナ。また、話で聞いていたメルティローズが素っ頓狂な声を上げる。

「な、何よ! いきなり大声出して、人間はこれだから……」

 本棚の角の向こうに居たのは銀髪褐色肌のダークエルフだった。黒いワンピースに黒いマントという比較的目立つ格好なだけに、その姿にエリスフィーナは記憶を手繰り寄せるのは容易だった。

「あ、あの……私達に何か……?」

 エリスフィーナが尋ねるとダークエルフの女性は

「べ、別に? 私はここに来たかったから居るだけよ! 貴方方には関係無いでしょ?」

 ダークエルフは尾行してきた事がバレてないと思っているのかここに居るのはあくまで偶然とシラを切る。

 しかし、大した質問もしていないのに偶然と言い張ってくる辺りバレバレで黒である。ダークエルフなだけに。

 明確に目が泳いでいるダークエルフを見てエリスフィーナはメルティローズと顔を見合わせお互いに頷く。そして

「貴女、うちのエリィに変な事言ってくれたそうじゃない? この子まだ子供なんだから変な事吹き込まないでくれる?」

 メルティローズがエリスフィーナを庇う様に立ち、ダークエルフに立ちはだかる。

「その子はまだ子供たし、貴女は人間なんだから私達エルフの苦しみなんて分かるわけないでしょ」

 ダークエルフの女性はしきりにエリスフィーナの為と訴えるがメルティローズの反応は冷ややかだ。

「貴女の経験とエリィの人生を一緒にしないで。この子は私達が居なくなってもきっと立派に生きていけるんだから……ね?」

 メルティローズは二人のやり取りをオロオロしながら見守っているエリスフィーナに同意を求める。

「それに、そんなにこの子が気になるなら……こっそりストーカーなんかしてないで近くで見てみれば良いじゃない?」

「はぁ?」

 メルティローズの意図が分からないダークエルフの女性は疑問の声を上げる。

「貴女どーせぼっちなんでしょ? 私ら新しいクラン立ち上げたばっかで人手足りてないのよ」

 確かにこれからメルティローズ達が冒険者としてやっていくには、エリスフィーナが学院メインとなってしまう以上、猫の手も借りたいのが本音だが……

「誰がぼっちよ! お生憎だけど私は孤高のダークエルフなの! シェーラって名前もちゃんとあるんだから、二度とぼっち呼びすんじゃないわよ!」

 シェーラと名乗ったダークエルフはぼっちに強い忌避感を見せてきた。自分で孤高と言ってしまう辺り十分アレだが、見かけによらずかなり拗らせている様だ。

「で、シェーラさんはうちのクラン入る気あるの?」

「ま、まぁ……見学くらいならしてあげても良いけど?」

 メルティローズの誘いにシェーラは不承不承ながら付いてくるつもりはある様だった。

 こうして本屋で魔法陣集購入ついでにダークエルフのシェーラを誘ったメルティローズとエリスフィーナの二人は中央地区の邸宅へと戻るのだった。



「お帰りなさいませ」

 自分達のクランの邸宅に帰ってきたメルティローズとエリスフィーナの二人は一人のメイドに出迎えられた。まるっきりの初対面なメイドさんの登場に家を間違えたかとエリスフィーナもメルティローズも慌てて自分達の家を二度見していると

「おや、お客さんですか? 本格的な活動はまだなのですが……」

 メイドさんの後ろから賢者クレスが中指でメガネのズレを直しながら現れた。

「ちょっと! なんなのよこの性癖全フリのメイドさんは!」

 メルティローズがメイドさんの後ろから現れたメガネに食ってかかる。

 メイドさんの服装は所謂フレンチメイド服という可愛い系のメイド服ではあるのだが、スカートの長さは普通であり、何ならダークエルフのシェーラの方が短い間である。

「こちらの方はこの家の家事全般の為に雇わせて頂きました」

「メイドのイリスと申します」

 薄青色セミロング髪の少女メイドイリスがメルティローズに頭を下げる。

「え〜と、私は魔術師のメルティローズ。こっちは射手のエリスフィーナ。後は……」

 メルティローズが反射的に自己紹介をする。自分、エリスフィーナと続きそこで言葉が止まる。

「おや? ところでそちらの方は?」

 クレスが初めて見るであろうシェーラの存在に気が付いたらしく、彼女について尋ねてきた。

「私は斥候のシェーラ。これでもサードランクの冒険者なんだからね」

 シェーラはクレスに銀色の冒険者証を見せながら自分の経歴をアピールする。サードランクは中の上位の位置付けであり、立派なベテラン冒険者の部類である。

「それなら良かった。あそこにランクシックスの子達が居るんだけど、死なないように面倒見てあげて」

 メルティローズが指し示した先には次の仕事に向けて燃えているヴァイスと女の子達三人が居た。

「え? 冗談でしょ? まだまだ子供じゃない。あんな子達を……」

 お守りを任されそうになったシェーラは辞退しようとするが

「お願いね? ベテラン冒険者様?」

 メルティローズに肩を叩かれヴァイス達の面倒を見事押し付けられてしまうのだった。

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