王太子殿下の受難
さて、今回は王太子殿下sideのお話しです。
最終話までお付き合いください。
5/12 22時致命的な設定間違いが発覚。一部修正しました、無念。
アイリスがようやく自分のピンチな状況が怖くなってきたころ、王太子殿下は王妃様に往復ビンタをかまされていた。
「全く、あなたという子は!」
「うわー、やめるのじゃー」
鬼の形相で王太子殿下をシバく王妃様を側妃様が羽交い絞めにして止めている。
「姫様、おやめください!」
元々王妃様が幼いころからの側近であった側妃様が昔に返ってしまっている。
王妃様と側妃様は幼馴染の関係だ。
お子になかなか恵まれなかった王妃様に対し貴族院は国王陛下に側妃を娶るべきだと迫った。
貴族たちはあわよくば自分の娘を陛下の側妃にと企てたのだが、王妃様の推薦で王妃様がご実家である公爵家にいたころからの側近で気心知れた子爵令嬢を側妃に推したのだ。
そして側妃様が王太子殿下を出産、2年後に王妃様が第二王子を出産している。
長子が国王になることが慣例であるため、側妃の子である第一王子が立太子したのだ。
王妃様、側妃様の仲は昔と変わらず、二人の王子は二人の妃の子として分け隔てなく育てられた。
そのため、王妃様から王太子殿下への教育的指導にも遠慮がない。
故に。
「この愚か者は私の手で処分してくれるわ!次の王は第二王子です!」
「お待ちください、それではここまでアホ王太子に我慢したアイリス様が報われません!」
「ぐぬぬぅ~」
ゲシゲシと王太子殿下を踏みつける王妃様。
恐ろしくカオスな光景が王の執務室に広がっていた。
ちなみに、国王陛下とアイリスの父親である宰相はちょっと引いてた。
こうなったのは1時間ほど前。
婚約破棄騒動と悪徳貴族の排除の後始末のため日付が変わっても王城に残っていた新宰相にして元宰相、バーロウ侯爵の下に自宅からアイリスが帰ってきていないが王城に泊まるのかという連絡が来てからである。
直ぐにバーロウ侯爵は国王陛下の執務室へ赴き、国王陛下、王妃様、側妃様、そしてボーっと突っ立っている王太子殿下に事の次第を報告した。
「私は娘が自宅へ戻っていると思い込み、自宅側は娘は私といるとばかり思っていたため発覚が遅れました。申し訳ありません」
心配で顔を青くして頭を下げる宰相。
国王陛下の執務室に集まって皆心配する中、王太子殿下だけがボーっとしたままだ。
「うわー、それは大変だー、アイリスは大丈夫かなぁ?」
婚約者の一大事にもかかわらずボーっとした王太子殿下モードなのを見て最初に王妃様がキレた。
ということで冒頭にもどり王太子殿下がシバかれているのだが。
「今度は何をしたーっ!吐けー、吐くのだー!」
王太子殿下の顔が腫れあがり、王妃様が花瓶を振りかぶったところでようやく王太子殿下が話し始めた。
「いや、実は・・・」
王太子の話しを聞いた一同はあきれ顔になったが、そこへバーロウ侯爵が言った。
「殿下、これはさすがにいかがなものかと思います。娘との婚約破棄を本気で考えねばなりません」
「いや待て、それはダメだ。私がアイリスが納得するまで謝罪するから!」
ボーっとした王太子モードを捨てて王太子殿下が慌てて動き出す。
アイリスが大事なら初めからそうしていれば良いものを、バーロウ侯爵はそう思った。
今回は少し短いお話しになりました。
その分次回の最終話は少し長くなります。
明日投稿の最終話をお楽しみに。




