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転生してもエンジニアだった~2IF別の趣味を仕事にしてみたカーメカニック編~  作者: 来須奏
小中学変

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8/16

8話再会と前世

「黒歴史だ・・・・・・・」

額縁に収められたDVDと公演ポスターとチケット見ながらイクトは短く呟いた。

斎藤自動車整備工場の良く目立つ場所に仰々しく飾られていた。

「お、イクト君じゃないすか。部活は良いんすか?」

「ええ顧問先生方の本業が忙しくなったらしく手活動休止です。顧問無しでは活動が出来ないので。」


「お、じゃあま来れるんすか?」

「はい!そいえばあの頂いエンジンは無事四季を通して安定してアイドリングするようになりましたよ回転数を上げると若干ノッキングするでみたいで調整中です。」

「おう!大分いい調子みたいじゃねえか。話は聞いてたぜ」

事務所の奥からてっちゃんとそのほか従業員の皆さんが出てきた。

丁度その時事務所入り口の扉が開いて一人の男性客が入ってきた。

「おお諸星さんかい!」

「おやっさん、例の車持ってきたよ。」

「あーあの急にエンジンがかからなくなったっていうBRZかい?」

「BRZ!!!!」

BRZと聞いて急に目が輝きだすイクト。窓の外に目をやるとよく手入れをされているだろう古い型のBRZが積車に積まれていた

そしてこの時のイクトの胸にどうしようも無くアノクルマに触れたい気持ちが洪水のように推押し寄せてきて、涙が出てきた。

「おやっさんこの子は?」

「知り合いんところの倅だ。」

「近くで見ていいですか?」

「いいよ。」

助手席側に回ってドアパネルを凝視するドアパンチでへこんだ痕跡。

運転席ドアにも前世の自分が自宅駐車場でやらかしたのを自力でごまかした痕跡。


「おまえまさか・・・・・さすがに気のせいだよな。」

「運転席に乗ってみるかい?エンジンかけてみてもいいよ。」

シートに乗り込んでナビ周辺のパネル見る擦れた跡これも見覚えがある。自分でナビの脱着をやった時にゴリッっと擦ったあとだ。目線に入り込みやすい位置に設置したバキュームメーター。クラッチを踏み込んでカコカコとニュートラルの位置でシフトレバーキーは車内にあったを左右に動かす。ためそのままエンジンスタートボタンを押した。

キュキュキュ――ブロロロロ……。

掛かった。

メーターに、見覚えのあるアニメーションが浮かぶ。

「何でええええええええええええええ!?」

車外から、諸星さんの絶叫が響いた。

「君どうやってかけたの!?」

「え?普通に。」

イクトは先ほどと同じようにエンジンをかけた

「何でだ・・・・いくつもの整備工場に持って行っても原因がわからなったのに。」

「何時から掛からなくなったんですか?」

「よく覚えてるよ。2095/10/30だよ」

「え?丁度僕の誕生日ですね。」

「ほーん?」

諸星さんの後ろから考えるようなしぐさをしながらてっちゃん近づいてきた

「何だ車が坊主の方がいいって言ってるみてえだな」

冗談っぽく声は笑ってるがてっちゃんの目は笑っていなかった。

「諸星さん、この傷ってこの車を手に入れた時からあるんじゃないですか?ここも、この下手な修正跡も。あと、この車パッと見た感じは上位グレードすけどRグレードですよね、初期型の。車台番号は5071とか。そのあたりで。2021年登録の・・・・・」

そこでイクトは言葉を切った。

少し間を置き、意を決したように口を開く。

「えっと・・・一応オフレコでお願いしたいんですけどこの車を新車で買ったときの前世の記憶があるんです。重い障害を持ってしまって何年も頑張ったけどもう一度シート座ることが出来なくなってしまった一人の男性の記憶です病名は高血圧性脳出血。1級身体障害者認定でした。もう一度シートに座って走りたい一心で頑張ったけどある日もう無理と再び乗る夢を諦めてしまったんです。その時のBRZがこの子です。車台番号が一緒なら間違いなく。

「全部、君の言うとおりだよ、個車の車検証入れに枚1一緒に涙で印刷がにじんだ写真も入ってたよ。杖をついた若い男性が写ってた。涙で滲んで顔は分からなかったけど。その写真の裏に・・・・」

「どうか長く大切にに乗ってもらえますように。ですか?次のオーナーさんにわたるまえにこの写真は捨ててくださいって書いたのにな・・・・。乗り方を縛りたくなかったので。」

「いやあ無理だろあんなん見たら」

てっちゃんが短く言った。


て目をそらしながら続けて「何人かの手にわたっららしいが、あんなん捨てられねえって。・・・・・本当に車がおめえさんがいいって言ってるんだな。」

「おい、駄目だろ。今のオーナーは諸星さんなんだから。免許を取ったら絶対に迎えに来るから、それまではちゃんと諸星さんと走りなさい。な?」

僕は諸星さんに向き直った。

「免許を取ったら、買い取りの相談をさせてください。それまで、この子をお願いします」

「……いいよ」

返ってきた声が震えていた。顔を上げると、諸星さんは泣いていた。


「おやっさん!長らく走ってないから!点検お願いします!あと車検も!」

それからのBRZは何事もなく元気に走っているらしい。諸星さんのSNSにお出かけ先での写真が増えていった。

てっちゃんもあの事は両親に伏せてくれている。


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