6話:自由すぎた自由研究
自由研究『無停止で安定的なシステム構成初期投資お小除き遣いの範囲で実現するには?DC規模ではなくお家環境で、可能な限り可用性を確保しつつそれで収益を得るには? 』
イクトの住む町のとあるIT系企業にて
「ぶちょーなんかここの近くにある中学校から問い合わせが来てまーす」
カタカタとキーボードを打つ音が一瞬止まる。
問い合わせカテゴリー:技術的な問い合わせ
お忙しいところ恐れ入ります。
私、○○中学校で教員をしております坂田と申します。
本校生徒の自由研究について、専門性が高く、私どもでは内容の妥当性を判断できず、大変困っております。
貴社のお力をお借りし、専門的な見地からご意見をいただくことは可能でしょうか。
当該生徒が作成した資料を添付いたします。
添付:
1年2組_榊生久人_家庭環境で、システムをできるだけ止めずに運用するには?――お小遣いの範囲で行う保守・改善と収益化の検証.pptx
いったい何を言っているんだ・・・・?
「ん?」
添付ファイルのファイル名を見てフリーズ
「伊藤君・・・コイツはなかなかだぞ・・・・」
伊藤と呼ばれた男性が部長の画面を覗き込む。
「……部長、この写真・・・画像が荒いですけど・・・・」
「ん?うちのフォームは添付できる容量が少ないからな・・・・・」
「ラック生えてません? UTMにUPS、10Gスイッチ……こっちは光で、こっちはDAC……」
「……お小遣い?」
「奥にはエアコン完備っすね」
「……専用の部屋か?」
「気になる!!」
「伊藤君!!金にはならんがこの資料の制作者の所に行ってみよう!!!幸いにも今日はフリーだ。」
「え?いくんですか!?」
「16時以降なら予定は空いていますが・・・。」
――その日、イクト下校後―先生・企業・臨時家庭訪問
イクトが自宅に着くとスーツを着た男性2名と父がリビングで話していた。
「お、帰ったか」
イクトの後を坂田先生が付いてくる
「君が生久人くんだね?」
「あ、はい。」
「先生から救援要請をもらって話を聞きに来たんだ。早速だけど、件のサーバールームを見せてくれるかな?」
「はい!」
イクトがリビングの奥にある扉を開くと『ファーーーーッ』という冷却ファンの快音が響き渡ったそのあとをついてくる一行。
「父の酒蔵は停電の多い地域なので電源が安定している自宅で大半のシステムが稼働しています。DB等の重要な部分についてはこちらですね。」
「酒蔵に置いたサーバーはこちらとの通信の為に置いてます。」
電気の契約もこの部屋だけ別になりました我が家には家庭用とサーバー用の二つの分電盤があります。んぢDディスアクセスランプの瞬きが美しいですね―♡」
うっとりすイクトに皆引き気味である。
その場にトコトコやってきた斗真がひとこと
「ねー?うちの兄ちゃん変でしょー?」
「パソコンを渡す前から、小学校の先生を助けてたらしいですよ」
「ん?その話・・・ちょっと前にテレビでやってませんでした?情シスをに並ぶ部署を採用するきっかけになったって」
「ああ、僕の事ですね。」
坂田先生は、口を挟むタイミングを見失っていた
IT企業の面々が少し引いた位置からサーバールームのラックを撫でているイクトの様子を眺めながら納得する。
「実物を見ると納得というかなんというか・・・・」
「え!? ああ! 大変よくできています。現段階でも『弊社に来ませんか』とお声がけしていいくらいですよ」
「ごめんなさい。」
「ン?アレ?我々今お断りされた?」
「僕の進路は自動車業界なので・・・。エンジニアは趣味なので・・・・僕がもう一人いれば・・・両方取れるんですが・・・・」
「それはやめてくれ。」
「父さん?」
「俺の財布が薄くなる。」
「「父さんの薄くなった財布は、このサーバーたちが復元しますよ。今、結構いい感じなんです。まだ小規模ですけど」
「決済サービスを通すので、カード情報は僕の方では預かりません」
「あと、SNSで『こういうのないかな』という声を拾って、需要がありそうなWebツールを自作してます。ニッチなところを狙って、広告収入で少しずつ」
(面白い子だなぁ私も昔からパソコンとかに興味を持ってこの業界に入ったが・・彼の領域は変態の領域だ。それなのに進路が自動車関係とはどういうことなのだ・・・・・・・・意味が分からん、今の技術でもそそこそこいい給与をもらえるぞ何故だ!!何故なんだ!?!?)
すると視界の端に下されたエンジンのようなものが映る。
そこに鎮座して何時のは水平対向エンジン。とノートpcトそれそれに接続されているバッテリーやケーブル達。
「えっと・・・・ちなみにあちらは?」
「ああイクトのおもちゃですね」
「おもちゃ」
「おもちゃ?」
「・・・・おもちゃ?」
「最近はようやくアイドリングが安置したようで。」
「ねー?変でしょー?」
すると話が脱線したのを察知下イクトが話を戻す。
「伊藤さんでしたよね?父さんとも話ははしていたですが。父さんの会社のシステム保守をおねがいできないかなと。少し調べさせて貰ったんです地域の企業をターゲットに業務システムの保守提案・導入をされていますよね。僕構築したシステムにはなるんですが、ぼ僕自身がずって手の届く場所にいるわけではないと思うので。」
伊藤とイクトが別の話をし始めたのでようやく空気だった担任坂田が身のをリ出す
「大体、皆さんの反応を見て察してはいるんですが……自由研究の評価としては、どうでしょう?」
「自由研究の評価としては、どうでしょう?」
「目的を立てて、実際に組んで、障害時の動作も費用も検証しています。研究として、大変よくできています」
「なるほど」
「その上で……趣味人としては、変態の域です」
「ねー?」
その後坂田先生から言われた一言「榊、すまんが一般レベルまで専門性を落としてくれ」
「……題名からですか?」
「題名からだ」
しかしその次に持ってきた生イクトの自由研究はこれであった。
良く回るエンジンの良い点火タイミングと空燃比の理想メーカーセッティングとレーシング特化の違いそれによって変わるエンジンの動きについて.pptx」 「坂田先生は車好きなようなので。」 坂田先生頭を抱える。
「頑張ってパソコンの勉強したのに……」
「ありがとうございます! じゃあ次は、エンジン制御用のパソコンの話から――」
「そうつなげるな」
教室
生久人君って、すごい変だよねー。でも幸せそう」
「なんか、あの周りだけお花畑が見えるんだけど」
「榊ー。お前髪切らんのか?」
「整えてはいますよ?そろそろ良い時期だと思うので次のステップに移ろうと思います!」
翌日
「イクトくんポニテめっちゃにあうーー!」
「ていうか髪めっちゃサラサラだよね」
「……伸ばす方向の次のステップだったかまあいいか別に校則として規制してないし似合ってるし」
社屋に戻ってきた伊藤と苑上司の面々は偉業部に赴いてた。
社屋に戻った伊藤たちは、その足で営業部へ向かった。
営業部長に事の経緯と「契約につながる話が取れてしまったこと」を報告し、正式な契約に向けて話を進めてほしいと伝えた。
「んな馬鹿な」
営業部長は笑い出した。
。
後日イクト同席で契約の話が進み。段階的イクトと会社で管理割合を変更していくこととなった
「や―ありゃ本物だわ~~~ハッハッハッハッハッハ!」とは対面後の営業部長のセリフである。
「え?あの会社の取れたん?」「え?らしいよ?」「息子がいるからとかよくわからないからって話進まなかったんいに?」
榊酒造の利益は、着実に伸びていた。まず、出荷本数が増えた。従業員の事務作業に余裕が生まれ、新商品の開発や品質向上にも時間を回せるようになった。
だからこそ、その業務を支えるシステムを維持する必要がある。
自分が進学や就職で家を離れたあと、誰が面倒を見るのか。イクトが丁寧に説明したことで、父も保守を引き継ぐ必要性を納得したのだった。




