第4話:進化する聖域(アーク)
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現実のニュースでも話題になりますが、某国には「国外に住んでいる自国民であっても、有事や国家の指示があれば全員が強制的に情報収集や工作活動に従事しなければならない」という恐ろしい法律(国家情報法や国防動員法など)が存在します。どこへ逃げようと逃れられない国家の縛り……実に不気味で油断ならない仕組みですよね。
作中の敵・中京集団もまさにそうした法治の面をかぶった絶対支配を行っています。
そんな敵の本国へ、アズたち外国人や生身の人間がそのまま乗り込むのはあまりに無謀で自殺行為。
そこで今回は、誠が父の技術と捕獲したフェイ・シェルの技術をリバースエンジニアリング!
中京の非人道的な「支配のための改造」に対抗し、個人の意思を尊重したまま超人的なスペックを引き出し、《ASUKA》と量子リンクする「生体適合パッチ」を開発します!
仮面ラ〇ダーの改造人間の系譜を感じさせる、熱いサイバー強化展開を描く第14話へどうぞ!
「待て、マコト。熱くなるな」
朝倉電子精密の地下クリーンルーム。広げられた中京本国の立体地図を前に、アズが重い手で誠の肩を制した。
「中京は『国外にいる自国民であっても、有事には無条件で国家のスパイ・工作員として活動しなければならない』という不気味な法律を平然と施行している国だ。街の監視カメラも、入国審査の生体認証も、俺たちの想像を超える密度で張り巡らされている。漢民族に容姿が近いお前や健太はまだしも、彫りの深い俺たちナヴァル人が生身で潜入すれば、空港や港に足を踏み入れた瞬間に射殺か拘留だぞ」
横田も深刻な顔で頷く。
「それに……救出した元・フェイ・シェルの仲間たちや、一般の協力者たちも、生身のままでは自分の身を守ることすらできません。敵のサイバッドやアイアン・コロッサスと鉢合わせたら、ひとたまりもない」
誠は深く息を吐き、腕を組んだ。
「ああ……その通りだ。敵のセントラルサーバーにクラッキングを仕掛けるにしても、現地での物理アクセス(直接接続)は絶対に不可欠。だが、生身の仲間たちを死地へ送るわけにはいかない」
誠の瞳に、元・軍産テック主任研究員としての鋭いインテリジェンスが宿る。
「だから――俺たちの『技術』で追いつき、追い越すんだ」
誠が地下作業場のメインコンソールを操作すると、中央の大型ホログラムに、人間型の生体フレームと青く光る超小型デバイスの構造図が浮かび上がった。
《誠、リバースエンジニアリングおよび適合プロトコルの構築が完了したわ》
脳内で《ASUKA》の誇らしげな声が響く。
《撃破したアイアン・コロッサスと、健太さんの首筋に残っていた中京のサイバネティクスデバイスの解析結果よ。中京の技術は『人間の脳と思考を潰して機械で縛る』非人道的な構造……でも、その生体強化のフレームワーク自体は極めて優秀だったわ》
誠は作業机の上に置かれた、手のひらサイズの薄型パッチ――青く透き通るメタリックなノードを掲げた。
「敵の技術を逆手にとった。これまでのハッキングで得た暗号データと、ASUKAのネガティブエントロピー演算を組み合わせた『生体適合パッチ・ASUKAリンク』だ」
健太が目を見開く。
「朝倉さん……これは……!?」
「首筋や胸元に貼り付けるだけで、表皮を通じてナノレベルの生体電流と筋肉組織を補強する。中京のように身体を切り刻む必要はない。個人の意志と意識は100%保たれたまま、筋力、反応速度、耐久力をフェイ・シェルと同等以上に引き上げる」
誠はアズに向き直った。
「さらに、アズのようなナヴァル人の身体組成にも完璧にフィットする。パッチを装着すれば、中京の生体認証カメラの波形を偽装し、現地人や重要インフラの作業員として自然に『すり替わる』ことができるんだ」
「何……!? 生体認証の偽装と超人化だと!?」アズが絶句する。
《それだけじゃないわ、アズ》
ASUKAの声が地下室全体のスピーカから優しく、そして力強く響いた。
《このパッチを付けた全員の脳幹と生体電流は、私の量子コアと直接リンクするの。戦場でのリアルタイムの弾道計算、敵の電子攻撃の自動遮断、そして仲間同士の思考同期通信……全員が『ASUKA戦術ネットワーク』の仲間になれるわ》
「す、凄すぎる……! これなら、中京のフェイ・シェルやコロッサスとも対等以上に戦える!」
健太の瞳に、歓喜と希望の光が爆発した。
誠はアズの手を掴み、青いパッチをその首筋へと装着した。
――シュウゥゥン……!
パッチから青い光の粒子が広がり、アズの大きな身体を包み込んだ。
アズの瞳が一瞬青く発光し、全身の血流と筋肉が完璧な最適化を果たす。
「う……うおぉぉっ……! 力が……身体の中から溢れてくる……! 脳の中に、マコトやASUKAの温かい気配を感じるぞ……!」
アズが固く握りしめた拳は、かつてない超人的な力を秘めて硬直していた。
誠は地下室に集まった仲間たちを見回し、力強く宣言した。
「奪われた者たちが、ただ怯えて逃げ惑う時代は終わった。このASUKAの力で、自分と仲間、そして家族を守り抜く力を全員に授ける!」
「「「おおおおおっ!!」」」
泥臭い町工場の地下室で、虐げられていた人間たちが「反逆のサイボーグ戦士たち」へと覚醒した瞬間だった。
強化された誠たちと《ASUKA》の量子ネットワークによる、中京本国「人間畑」への電撃電脳奪還作戦が、ついに完璧な準備を整えた。
第二章 第4話(通算第14話)をお読みいただき、本当にありがとうございます!
ご提案いただいた「某国の不気味な法整備」「敵地への生身潜入のリスク」、そして「中京技術のリバースエンジニアリングによる《ASUKA》生体適合パッチ開発」という最高のロジックを落とし込みました!
中京の非人道的な「支配のための改造」に対し、誠とASUKAは「命と意志を守り、仲間と繋がるための進化」で回答を出しました。
次回・第15話では、超強化された誠・アズ・健太たちが、最新の生体偽装とASUKAリンクを引っ提げ、ついに敵本国の強制収収容施設「人間畑」の外郭へ電撃潜入を果たします!
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